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【これからは予防の時代12】乳ガンの危険因子「月経」と「家族歴」を知る
2016年 6月 28日 00:15
今回は、乳ガンの2大危険因子である「月経」と「家族歴」が、乳ガンのリスクをどのくらい増加させるのかについて見ていきましょう。今回お話するのは、リスク増大がほぼ確実と言われているものに限定しようと思います。
月経について1:早い初経と遅い閉経について
早い初経と遅い閉経は、エストロゲンの分泌期間が延びることになるので、乳ガンのリスクを増加させます。初経が1年早まるごとに、乳ガンの発症リスクは5%ずつ増えると言われます。また閉経年齢が5年遅くなると、リスクはおよそ17%増加します。
月経について2:出産経験ナシ
出産経験のない女性は、出産経験のある女性と比較してエストロゲンの分泌期間が長いため、乳ガン発症リスクが高くなります。また初産年齢も関連があり、初産が早い女性ほど乳ガン発症リスクが減少し、遅い女性ほどリスクが増加します。出産ごとに7%減少するとされています。
月経について3:授乳
授乳期間中は、エストロゲンの分泌がなくなるため、授乳経験の有無も乳ガン発症リスクと関係があります。ですので、授乳期間が長いほど乳ガン発症リスクが減少します。授乳期間が12カ月ごとに乳ガンの発症リスクが4.3%減少します。
月経について4:閉経後のホルモン補充療法
閉経後、更年期の症状を軽減させるために、合成黄体ホルモンを用いた「エストロゲン+黄体ホルモン併用療法」を行なっても、乳ガン発症リスクは増加します。その一方で、「5年未満のエストロゲン単独療法」では乳ガン発症リスクが増加しないとも言われていますが、治療が長期に及んだ場合の影響については結論がありません。
家族歴について1:親、姉妹、子どもの場合
家族や親族に、乳ガン患者がいるかどうか、つまり「乳ガン家族歴」も発症のリスク要因となります。第1度近親者(親、姉妹、子ども)に乳ガン患者が1人いる場合で1.8倍、2人いる場合は2.93倍、3人以上の場合は3.9倍のリスクとなります。乳がん患者が遺伝的に近いほど、また乳ガン患者の人数が多いほどリスクは増加してしまうのです。
家族歴について2:祖母、孫、叔母、姪など
母とか娘とか限定せず、血縁者に乳ガン患者がいる場合のリスクは1.9倍、第2度近親者(祖母、孫、叔母、姪など、遺伝子の1/4を共有する親族)に乳ガン患者がいた場合は1.5倍増加します。ここまで説明してきたリスク増加については、加算することはありません。仮に母親が乳ガンの場合、その娘のリスクは1.9倍増加するということです。