老師オグチの家電カンフー

「姿勢サポート椅子」で強制的に姿勢を矯正してわかったこと

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです
デスクワークで背中が丸くなりがち

歳を取ると、体のあちこちが悪くなりますが、「姿勢」もその1つ。腹筋の衰えも影響しているのでしょうか、デスクワークでも背中が丸くなりがちで、そのせいか背中や首の凝りがツラくなってきました。マッサージに行くと「腰痛がありませんか?」とも聞かれます。自覚症状はないものの、腰も良い状態ではないのでしょう。

さらに体勢的にラクだからという理由で“あぐら”をかきがちで、これも背中や骨盤に悪影響がありそうです。もっとひどいのがパソコンで映画などを見るときの姿勢で、リクライニングして、足を机の上に乗せています(図1)。

背もたれに寄りかかる姿勢も、また腰には良くない(図1)

こんな姿勢をとり続けていると、将来さらに悪い影響があるのではと不安になってきて、姿勢を矯正するアイテムを調べ始めました。姿勢を矯正する椅子は、昔から数あれど、最近テレビ通販などで多く見かけるのが、イスの上に置いて使うタイプ。クルマのバケットシートのように、太ももや腰回りを包み込むような形状のアイテムです。テレビ通販だと1万2,000円はしますが、Amazonにて半額以下の製品を見つけたので即購入しました。

DEZIYUA「姿勢サポート椅子」。Amazonでの購入価格は5,700円程度でしたが、今見たら6,000円超えていました。姿勢は安定しますが、販売価格はグラグラしています

使い方は、あえて説明する必要もないかもしれません。深く腰掛けて、膝の角度が90度になるように座るだけです。

最初は窮屈に感じていましたが、正しい姿勢で座ることで、徐々に違和感はなくなってきました。むしろ、お尻や腰回りがサポートされることで、すっと骨盤を立てた状態が長時間継続します。「姿勢の乱れは心の乱れ」なんて言葉もありますが、仕事の集中力も向上する気がします。少なくとも、「姿勢が悪い→集中力がなくなる→だらける(SNSやYouTubeなど仕事とは関係ないことを始める)→より姿勢が悪くなる」の悪循環を断つ効果があります。

さらに、これを置くことで“あぐら”をかかなくなりました。

というか、物理的に足を組めない。最初こそ、楽な体勢が取れないことに不満でしたが、正しい姿勢が苦にならなくなってくると、あぐらが骨盤に負荷がかかっていたことも理解できます。そして、姿勢サポート椅子を使うようになって1週間ほどで、肩凝りが多少軽減されてきました。

たまにお尻の部分が痛くなりますが、これも正しい姿勢で座れていないか、もしくは長時間座りすぎかで、後者の場合は椅子から立ち上がり歩くなどするタイミングと判断することにしています。

テキトーに買った姿勢サポート椅子ですが、効果は十分感じています。どれも基本的な構造は同じですし、安いもので試してみて、効果が感じられて正しい姿勢が習慣化したら、より座り心地が良いもの、より体のサイズに合うものに買い替えるのもアリなんじゃないですかね。

小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>