老師オグチの家電カンフー

アフターコロナに加速する「ガチ空清」&「ガ湿器」とは?

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです
ダイソン「Dyson Purifier Big+Quiet」従来モデルに比べて風量2倍、1秒間に最大87Lの空気を10m先まで送り出す空気清浄機。本体サイズは415×434×830mm(幅×奥行き×高さ)

電車に乗れば、あちらこちらから「ゲホゲホ」「ズルズル」と怪しげな音が聞こえてくる昨今、皆さまお元気でしょうか?

現在、インフルエンザは44の都道府県で警報レベルに達しているそうで(NIID 国立感染症研究所12月1日発表)、コロナ禍真っ最中のような恐怖感、危機感はないものの、風邪を引かないよう注意したいですよね。

そんな風邪予防に有効だとされるのが、空気清浄機や加湿器。最近気づいた傾向ですが、空気清浄機の新製品、とくに海外メーカーの新製品が、みんなデカいんですよ! デカいのにも理由があって、空気清浄機は部屋の空気を隅々から吸い込んでこそなんで、ファンの能力を高めるために本体サイズも大きくなりがちなんですわ。大風量は正義。

これまでは、どちらかというと日本人の住環境や好みに応じて省スペースや多機能を重視してきた空気清浄機ですが、コロナ禍を経て「置いてある安心感」から、部屋の空気清浄を確実に行なう集じん性能へと選択の基準が変わってきました。

ダイキン工業の調査によると、購入時の重視点として最も多いのは「ホコリや花粉を除去する性能(集じん性能)」(51%)とダントツ。デザイン・色(24%)や省エネ性・電気代(18%)、フィルターの交換頻度(18%)、運転音の静かさ(17%)などを大きく引き離しています。また、コロナ禍の2020年に家電全体が売れまくった反動から、空気清浄機も2022〜2023年は大きく出荷台数を落としているものの、1台あたりの金額は上昇傾向で、「どうせ買うなら清浄効果の高いものを」という意識が垣間見られます。

そんなガチな空気清浄機を「ガチ空清」と名付けてみました。日本人ではなく、日本在住の中国人向けの中華料理店「ガチ中華」からのインスパイアですね。ガチ空清こそが世界基準です。

「Dyson Purifier Big+Quiet」は小顔効果も得られそうなサイズ感!
アイロボット「Klaara(クラーラ)」クローズド・キャプチャ技術とつなぎ目のない密閉型ボディによる、独自の密閉構造を持つ空気清浄機。ルンバと連携し、掃除中はファンを自動的にパワーアップする。最大風量は8.9m3/分。サイズは368×386×599mm(幅×奥行き×高さ)
ダイキン「加湿ストリーマ空気清浄機 MCK904A」(左の2機種)。業界最大の加湿量および最大風量9m3/分を確保した加湿・空気清浄機。エアコンのハイエンドモデルに使われているフラットDCモーターを採用することで、本体の薄型化と高出力を両立。パワフル花粉モードでは、花粉の清浄スピードが従来機の2倍に向上した。サイズは352×315×777mm(幅×奥行き×高さ)

そして、加湿器にも見直しの風が吹いています。加湿器内で繁殖したカビや菌が健康被害を及ぼすことが知られてきて、「加湿器肺炎」という言葉も流通するようになりました。

「加湿器肺炎」のリスクが最も高いのは超音波式の加湿器。比較的コンパクトで、白い霧を発生させている、USB電源で動くようなアレです。超音波式加湿器は、加湿性能が低いだけでなく、本体内で繁殖したカビや菌をそのまま空気中に放出してしまいがち。最近話題になった「デスマフィン」じゃないですが、「デス加湿器」になってしまう可能性を秘めています。

じゃあ、より安全な加湿器って何だよと問われれば、スチーム式や気化式(および、それらのハイブリッド式)をオススメします。これらも超音波式に比べるとデカくなりがちですがね。ガチな加湿器「ガ湿器」と言いましょうか。

この冬は、「ガチ空清」と「ガ湿器」で乗り切ってくださいませ。

わが仕事部屋で今年も稼働する象印マホービンのスチーム式加湿器。スチーム式って、要は電気ポットから蒸気をそのまま排出する仕組みで、電気代と動作音は大きめだが、そのぶん加湿性能はガチ
小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>