老師オグチの家電カンフー

家電量販店の株主優待はどのぐらいトクなのか調べてみました

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです
家電量販店各社の株主優待の利回りを調べてみました!

投資は「つみたてNISA」しかやっていなかったうちの妻が、「伊勢丹の株主優待がほしい」と先日、三越伊勢丹ホールディングスの株を買いました。普段利用する店が決まっているなら、そういう株の買い方もありなのですね。そこで、家電 Watchの読者向けに家電量販全7社(エディオン、ビックカメラ、ノジマ、コジマ、上新電機、ケーズデンキ、ヤマダ電機)の株主優待がどうなっているのか調べてみました。

今回は最低投資金額(100株)に対して、株主優待としてもらえるお買い物券などの金額がどのぐらいの割合になるのか(優待利回り)を計算しました。配当と合わせて、ご紹介します。

株にあまり詳しくない人への補足ですが、優待が得られる権利は「基準日」に株主として登録されている必要があり、会社によって年1回もしくは年2回の2パターンがあります。詳しくは各社のIRページをご確認下さい。

※なお、株価や最低投資金額、配当利回り(会社予想)は、2022年9月30日の終値を元に計算しております。

エディオンはギフトカード3,000円分の優待券

株価

株価:1,178円
最低投資金額:11万7,800円
基準日:3月

株主優待はギフトカード3,000円分。1年以上の長期保有株主には追加で1,000円分(計4,000円分)もらえます。

利回り

優待利回り:2.54%、1年以上3.39%
予想配当利回り:3.74%
合計利回り:6.28%、1年以上7.13%

普通に魅力的じゃないでしょうか。

関連リンク:「エディオン」株主還元

ビックカメラは年2回合計3,000円のお買い物優待券

株価

株価:1,237円
最低投資金額:12万3,700円
基準日:2月、8月

株主優待として、ビックカメラ、ソフマップ、コジマで使えるお買い物優待券が2月末日2,000円、8月末日1,000円(計3,000円)もらえます。長期保有の場合、1年以上2年未満で+1,000円(計4,000円)、2年以上+2,000円(計5,000円)となります。

利回り

優待利回り:2.42%、1年以上2年未満3.23%、2年以上4.04%
予想配当利回り:1.21%
合計利回り:3.63%、1年以上2年未満4.44%、2年以上5.25%

利回りは普通ですが、使える店舗数が多いのは魅力かな。

関連リンク:「ビックカメラ」株主優待制度

ノジマは最大10%割引券で、最大1万円分割引

株価

株価:1,348円
最低投資金額:13万4,800円
基準日:3月、9月

金券ではなく最大10%(最大1,000円)割引券と来店ポイント券での還元です。株主優待割引券5枚×年2回と、株主来店ポイント券(500ポイント)が2枚×年2回で最大12,000円相当。

利回り

優待利回り:8.90%
予想配当利回り:1.93%
合計利回り:10.83%

単純計算ではダントツの還元率ですが、1万円分は割引券です。一部を除くクレジットカードやPayPayの支払いでは8%割引となってしまうので、10%割引となる現金で10万円分以上購入しないと最大メリットが受けられません。まぁ、家電なので大丈夫かな。

関連リンク:「ノジマ」株主優待制度

コジマはお買い物優待券1,000円分から

株価

株価:630円
最低投資金額:6万3,000円
基準日:8月

株主優待はお買い物優待券が1,000円分。さらに保有期間に応じて、1年以上2年未満で1,000円分、2年以上で2,000円分が追加されます。

利回り

優待利回り:1.58%、1年以上2年未満3.17%、2年以上4.76%
予想配当利回り:1.59%
合計利回り:3.17%、1年以上2年未満4.76%、2年以上6.35%

1年未満だともうちょっと頑張れという感じですね。長期保有で回収したい。

関連リンク:「コジマ」株主優待制度

上新電機は200円分の株主優待券7,200円分

株価

株価:1,896円
最低投資金額:18万9,600円
基準日:3月、9月

1枚200円の買物優待券が、3月末に11枚(2,200円分)、9月末に25枚(5,000円分)と、1年で7,200円分もらえます。

利回り

優待利回り:3.79%
予想配当利回り:3.96%
合計利回り:7.75%

なかなかの高利回りですね。細かく200円ずつ使えるのも使い勝手がよさそう(編集部追記:2,000円以上の買い物につき1枚利用可能)。

関連リンク:「上新電機」優待内容(投資家のための企業情報サイト ネットアイアール)

ケーズホールディングスは1,000円優待券2枚

株価

株価:1,195円
最低投資金額:11万9,500円
基準日:3月、9月

1,000円未満の買い物でも使える優待券を1,000円相当×年2回もらえます。1年以上の保有で1,000円相当×年2回の割引券が追加となります(計4,000円分)。

利回り

優待利回り:1.67%、1年以上3.34%
配当利回り:3.68%
合計利回り:5.35%、1年以上7.02%

配当も悪くないしバランスいいかも。

関連リンク:「ケーズホールディングス」株主優待

ヤマダホールディングスは2,500円分のお買い物優待券

株価

株価:476円
最低投資金額:4万7,600円
基準日:3月、9月

お買い物優待券を3月末に500円分(1枚)、9月末に1,000円分(2枚)の、年に2,500円分もらえます。

利回り

優待利回り:5.25%
配当利回り:未定

配当は業績によって決まるようですが、買い物券として優待利回りは最も高いです。最低投資金額が少なめなのも良き。

関連リンク:「ヤマダホールディングス」株主優待制度

優待だけで損得勘定できないが、検討を!

まぁ、店舗の販売価格もあるし、優待だけで損得が断じられるわけではありませんが、お近くに店舗があるかも含めて検討してみて下さい。ちなみに、筆者がもっともよく利用するヨドバシカメラは非上場なのでした。

小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>