老師オグチの家電カンフー

電気と珈琲が合体したグルーヴなカフェを練馬で発見!

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです
「志村電機珈琲焙煎所」東京都練馬区春日町1丁目11-1

週末、練馬方面へウォーキング。今はなき遊園地「としまえん」跡地(「ハリー・ポッター」のテーマパークが建築工事中)を横目に歩いていくと、「志村電機珈琲焙煎所」の看板を掲げたカフェを発見しました。電機!? 電機とは? 家電 Watchコーヒーメーカー担当ライターとしては、突撃するしかありません。

店内に入ってみたところ、キレイでオシャレなカフェです。生豆の販売もしているようで、レジ横の焙煎機からはいい香りが漂っています。

二度見してしまう「電機」の文字!
店内は一見普通のカフェのようだが……

「スペシャルティコーヒー(500円)」からグアテマラを選んで着席。ドリッパーやケトルなんかも販売していて、普通に本格的なカフェじゃないかと思っていると、席の背後に乾電池やLED電球などの製品が置かれているの気づきます。えっ、電器店なのここ? 店内に流れているBGMはEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)だし、電気でグルーヴィーな店なのかと思いましたが、BGMはたまたまでした(ジャズに切り替わった)。もやもやしたのでお店の人に取材。

店主の志村麗美さん曰く、お父さんが焙煎士で実家が焙煎工場を営んでおり、旦那さんは電器店「志村電機」の2代目とのこと。なるほど、そういうコラボでしたか。

店内のあちらこちらに、電源タップやLED電球、掃除機の紙パック、乾電池やケーブル類が

店内で販売される生豆は35〜40種類で、その場で焙煎してもらえます。ロースター(焙煎機)は電気式とガス式の2台が店内に設置されていますが、お持ち帰り用の豆は電気式で焙煎されます。1回の焙煎にかかる時間は5分ほど。待ちたくない人はWebページから予約もできるそうですが、個人的には焙煎の甘い香りをかぎながら飲むコーヒーが好きなんですよね。ちなみに、店名も焙煎も電気なお店ですが、ドリップはちゃんとハンドドリップです。

志村電機珈琲焙煎所

35〜40種類のスペシャルティコーヒーの豆を販売。その場で焙煎してくれる
100gから焙煎できる電気式(熱風式)焙煎機(ダイイチデンシ製)
ブレンドなど大量に焙煎できるガス式ロースター(フジローヤル製)を設置
電器屋さんのカフェだからといって、コーヒーメーカーで淹れるわけではなく、もちろんハンドドリップ。ペーパーではなく金属のメッシュフィルターを使用している
もちろん豆もお持ち帰り。焙煎から100時間後が一番美味しく飲めるタイミングだそう
小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>