老師オグチの家電カンフー
鉄道模型でSTEAM教育とは、こはいかに?
2022年6月8日 06:05
天気が良かったので関水金属の本社「ホビーセンターカトー東京」までウォーキングしてみました。関水金属、KATOと聞いて理解できるのは、鉄道模型を触ったことがある人でしょう。このショールームには巨大なレイアウト(鉄道模型を走らせるためのジオラマ)があり、Nゲージをはじめ鉄道模型も販売されています。
こちらで売れ筋のお土産っぽかったのが、「STEAMで深まる Nゲージ赤い電車キット」です。長い商品名ですが、本社前にディスプレイされている京急「デハ268」の組み立てキットです。
正直、「なぜにSTEAM?」という疑問も生じます。ちなみに、STEAMとは教育の世界で注目されている概念で、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術・リベラルアーツ)、Mathematics(数学)の頭文字を組み合わせたものです。
【訂正】記事初出時、関水金属の社名を誤って記載しておりました。お詫びして訂正いたします(6月13日)
何はともあれ作ってみます。組み立てに接着剤は不要。必要な道具はカッターナイフぐらいです。
まずは床下に台車(鉄道車両の車体を支える装置、要は車輪まわり)とカプラーセット(連結器)をはめ込みます。指で押せばパチンとはまります。
次に集電シューと室内灯ユニット、照明板を取り付けます。集電シューは、線路から車輪を通して電気を取り込む銅板のパーツです。室内灯ユニットは小さなLEDのパーツ。私が子供の頃(1970〜80年代)は、LEDは存在していたものの白色はなく、鉄道模型には採用されていませんでした。
そして床下に赤いボディーをはめ込みます。ボディには塗装が施され、車両番号も張り込まれてます。技術を伴う作業ではないですが、なにぶん細かいので老眼には辛く、パーツを破損しないような注意が必要です。特に屋根に取り付けるパンタグラフは、力加減が難しかった。極めつけは「ジャンパ栓」です。車両の前面に垂れ下がっているケーブルのようなパーツですが、細かすぎて無理! 同製品は対象年齢が8歳以上とありますが、上は「老眼が進むまで」と書いてあった方がいいかもしれません(笑)。
車両が完成したら、照明を光らせてみます。使用するのは9Vの積層電池。付属の線路に乗せると、室内灯が明るく光りました。
当初のSTEAMに対しての疑問ですが、ここで電気について学ぶことができます。鉄道模型では、線路の片側がプラス、もう片側がマイナスになっていて、これを入れ替えることで前進/後進を切り替えます。このキットにはモーターはありませんが、前照灯(ヘッドライト)と尾灯(テールライト)が切り替わります。
模型業界は消費者が高齢化していることもあり、こうしたSTEAM教育の視点でのアピールが強まっています。家電メーカーさんも、STEAMをテーマにした組み立てキットを作ってみてはどうでしょう。安全面等で難しさもあるでしょうが、首掛け扇風機やLEDのデスクライトあたりなら可能じゃないですか?