老師オグチの家電カンフー

「ガスは電気」「電気はガス」が安くなる、これいかに?

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです

 「東京電力の人が家に来て、電気とガスをまとめると得だと言われて契約しちゃったけど、よかったのかな?」というLINEが妻から入りました。電力とガスが自由化され、相互に参入、セット販売のキャンペーンが行なわれています。東京エリアでは、深田恭子を使った東京ガスのテレビCMがめちゃくちゃ流れています。

 2016年の電力自由化の際に乗り替えを検討しましたが、使用量が少なめでメリットがなかったので、これまで放置しておりました。なので、今回も「深キョン、ごめんだっちゃ」ぐらいの感想。とはいえ、東京電力にまとめたのが正解だったのか気にはなるので、料金を比較してみました。

 今回契約したのは東京電力エナジーパートナー(以下、東京電力)の「スタンダードS」+「とくとくガスプラン」。今月の使用量を元に、東京ガスの「ずっともガス」「ずっとも電気」と比較してみます。

 まずはガス。12月分のガス使用量は37m3で、従量料金分は4,566円。1m3あたりの単価は123.42円(※1)。さらに12カ月間適用される5%割引と基本料金(1,024円)を合わせた総額は5,310円です。

 一方、東京ガス「ずっともガス」の単価は127.34円(※2)。基本料金(1,056円)と合わせて5,767円となり、その差は457円。12カ月間の5%割引を除いたとしても、東京電力の方が177円安くなっています。

 ※1 20m3超え80m3まで。原料調整額を反映した単価
 ※2 10m3超え80m3まで。東京エリア12月検針分

 そして電気。今月の使用量は273kWhでした。実際に請求された金額は、月途中で契約変更したため日割りになっていますが、すべての期間が「スタンダードS」だと仮定すると、従量料金分が6,433円、月額102円割引される「ガスセット割り」と合わせた合計額は6,331円です。

 こちらも同様に、東京ガス「ずっとも電気1」で計算すると、従量料金分は6,489円。より電気を使わない世帯向けの「ずっとも電気1S」で計算すると7,118円。基本料金は両社とも858円(30A)。東京電力の方が158円~787円安くなっています。

 ただし、第2段階、第3段階の単価は東京ガスの方が安く設定されており、電気を多く使う家庭では、東京ガスの方が安くなります。500kWhで計算すると、東京電力「スタンダードS」が12,997円、東京ガス「ずっとも電気1」が12,290円と、東京ガスの方が707円安くなります。

 細かく見ればポイント制度とか特典に違いはありますが、ざっくり言うと、ガスを多く使う家庭では東京電力が、電気を多く使う家庭では東京ガスがトータルで料金を抑えられることになります。自分の領域ではなく相手の領域で価格競争をしかける、これ何か名前の付いている戦略なんでしょうか。

 いずれにしても、電気とガスを別々にしておくよりは、年間数千円は得になる家庭が多いはずです。

月途中で契約が変わったので、利用料金のお知らせでは日割り計算に。プラン比較するために、計算し直した

小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>