老師オグチの家電カンフー
このニオイあふれる惑星にUSB駆動の小型消臭器を
2017年12月20日 07:30
我々は本当にリアリティを求めているのでしょうか。
海外ドラマや映画には、捜査員が死体遺棄現場の臭いに嘔吐したりするシーンがあるじゃないですか。4DXの映画館では香りの演出も可能ですが、そういったシーンの臭いを再現することはまずないですよね。
3D映画として大ヒットした「アバター」も、あんな熱帯雨林っぽい惑星、絶対に変なニオイに満ちあふれてますよ。異星人の体臭が気になって恋愛できないとかありそうじゃないですか。VRでも触覚を再現するグローブなどが開発されていて、今後コンテンツが進化していくんでしょうが、ゲームやアクション映画で、殴られたときの痛さとか体験したいですか? えっ。エッチなシーンは触覚で体験したい。そうですか……。
かように、リアリティに対する欲求はご都合主義。嗅覚も好き嫌いが大きく分かれる所です。好きなニオイは香りと名前まで変わってきます。嫌なニオイを消したいという欲求に応える家電が空気清浄機ですが、設置スペースがそれなりに必要です。玄関やトイレなどのスペースは、消臭剤・芳香剤に頼る家が多いのではないでしょうか。これらは定期的に交換しなければならないのが難点です。ちなみに消臭剤・芳香剤を空気清浄機と同じ場所で使うと、センサーが反応してケミカルな香りを消臭し続けるという共喰い現象が起こって、人間にとってニオイとはと考えさせられます。
以前から電気的に消臭する小さなデバイスがあればいいのにと思っていたところ、クラウドファンディングで「VentiFresh(ベンティフレッシュ)」を見つけました。
手のひらに乗る大きさでUSB電源、光触媒によって臭気を水と二酸化炭素に分解する仕組みです。想定している用途は、靴箱や生ゴミのごみ箱、ペットのトイレ、冷蔵庫など。消費電力は3Wなので、24時間作動させていても電気代は月40〜60円程度。消臭剤よりもはるかに安いです。欠点としては、モーターとファンの音がすることぐらいでしょうか。
わが家ではトイレに設置したのですが、それ以降、トイレに入ったときにニオイを感じることがなくなりましたから、それなりに強力です。
トイレといえば、主人公がとてつもなく時間に追われているアクション映画を見ると、生理現象はどうしてるのか心配になりませんか。リアリティのために、用を足しながら電話するなんてシーンを入れてみてはいかがでしょう。