藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

G対策は家の外も忘れずに!「ブラックキャップ ゴキブリ駆除剤 屋外用」

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です
アース製薬「ブラックキャップ ゴキブリ駆除剤 屋外用(8個入)」

運動不足の対策として家人と散歩しているとき、空き地を見るたび「あれ、ここ何だったっけ?」と立ち止まってしまうが、たいてい覚えていない。

おそらくは古めの戸建てがあったのだろう。その幾つかが合体している程度の広さがあれば、ああ、またマンションが建つのだ、と察し若干うんざりする。我が家もマンションなのに身勝手なものである。

しかし先日通りすがった角地のことは覚えていた。確かゴミ屋敷があった。

いや、中まで見ていないので、多分ゴミ屋敷というか、ゴミ屋敷にちがいないと察せられる程度の荒廃ぶりが印象的な空き家があった。

その一帯が、今やペロンとした関東ローム層まるだしの更地と化している。なんて清潔な! と感心しつ、あの家に棲んでいただろうネズミやゴキブリなどの生き物の行き先について思いを馳せ、少し暗い気持ちになった。

ネズミについては回を改めよう。今回はゴキブリについて考える。

時折、「突然、家にゴキブリが姿を現し、パニック状態になった」という話が耳に入る。知人友人的距離なら即DMが入る。おいそれと物理的には助けに行けないので、とりあえず諭す。

「“流し”のゴキブリなら、すぐには家に居つかないので、あまり怯えないように」

その代わり、気に入られて居つかれるリスクはこれより最小にすべし。とっさに殺せなくても絶望しないように。

まずは可及的速やかに2つのものをドラッグストアで買ってこよう。

ゴキブリ駆除剤。食毒剤ってやつ。それの「屋内用」と「屋外用」。多いに越したことはないけど、まあちっちゃいのが10個前後ずつ入っていればいい。

「屋内用」は、「キッチン冷蔵庫の裏か脇」「食品庫」「洗濯機の裏か脇」「脱衣籠の後ろ」「玄関の下駄箱の下か傘立ての後ろ」「トイレの便器の後ろ」あたりの、薄暗いところに置く。

大事なのは「屋外用」を、絶対に置くこと!

マンションやアパートで、ベランダがあるなら、隣との境界のあたりに最低2個ずつ。エアコン室外機や植木鉢があればその周辺にも。さらに玄関先にも。置くというか、裏にシールがあるから「貼り付けて」おきたい。

ポイントは……ゴキブリの気持ちになって! 通りすがりたい、ひそみたい気分になれそうなところに仕掛けること!

そうしたら、時を待つように。と励ます。1カ月くらいで、効果が出るだろうから。

グレーの容器が8個入っている
使用環境によりことなるが、効果は約1年持続するとのこと

近年「ゴミ屋敷」を処分したあと、その近隣の住宅に俄かにゴキブリやネズミらの害虫害獣がいきなり出没しだす……という話をよく聞く。汚部屋化したマンション等居室の掃除や処分がなされることで、そこに居た虫らが同じ建物内の別の居室に移動、出没したりすることもある。

バルサンなどの燻煙剤を焚いた場合にも、近所によく避難するようだ。そういった出自の、いわゆる“流し”のゴキブリは、意外と玄関やベランダの窓といったオーソドックスな出入り口から家に入ってくる。それ故のトラップ設置術であるが、結構効くので、侮らず実施されたし。

願わくばわが家に入る前に、美味しい毒をお召し上がりになってもらい、そのまま立ち去っていただこう。

余談だが、食毒剤を食べたゴキブリは消化器を荒らし、脱水症状の後に、ひっそり乾燥死するそうだ。想像するだにいたましい。ゴキブリにだけは生まれ変わりたくない。

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして17年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は家事サービス、商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、中3、小5、小1の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。