藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

「直飲み」タイプ水筒を隅々まで清潔にするなら、マーナ「水筒すき間洗いブラシ」

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です

 今年もまた水筒用麦茶等大量生産の季節がやってきた……。

 高校2年女子(文化部)、中学1年女子(運動部)、小学3年女子がいるわが家では、毎朝500ml、2~3L、500ml、計3~4Lのお茶類が各々の水筒に収められ、日々、高校、中学校、小学校に持ち込まれている。

 量が量なので冷茶用のティーバッグを駆使し、複数のボトルを冷蔵庫で冷やすだけでも結構な大ごとだ。水筒用麦茶等大量生産、なんの修行なのだろうと天を仰ぎたくなる。

 そして同じくらい大仕事となるのが、各々の水筒の衛生を保つ作業だ。きょうびの「直飲み」タイプ水筒は、とにかく汚れやすい。

 同じように直飲みする市販のペットボトル入り飲料には口内の細菌が移りやすいといわれている。そのためボトルは使い捨てが推奨されているし、細菌が飲料内で増えてしまうことにより下痢腹痛など引き起こす恐れがあるために、長時間持ち歩かないようにと注意喚起する報道が毎年夏になると増える。

 「直飲み」の水筒も構造的には同じ危険性を擁しているといっていい。保冷性の高い、いわゆる「ステンレス魔法瓶」の水筒などであれば飲み物をキッチリ冷やしたまま、さらに氷を入れることで中身を低温に保つことができる分、衛生的である、という気にはなれるものだ。

 しかししょせん飲用が可能な程度の温度であり、細菌繁殖リスクは依然として高い。

 ペットボトルと違うのは、この「水筒」というもの、汚染の恐れを抱えつつ再利用どころか使い回し前提である点である。口内細菌の影響もあるだろう、内部はかなり汚れるものなので、その効率的な洗い方や道具については2年前の本欄でもすでに触れている。

 とにかく毎日3~5本もの大小織り交ぜた水筒を洗っていて思い知るのは、飲み口周りの汚れぶりのひどさである。本当にすぐヌメり、ちょっとでも気をぬくと樹脂パッキンにはみるみる黒カビがしみついてしまう。

 そもそもそのパッキン自体、存在がわかりにくく、外しにくい仕様になっており、毎回外して洗うものだという認識すらそもそも使用者にもたれていないのではないかという懸念さえ生じるほどなのだ。

 だが、勇気を持ってこの現実(飲み口の構造)に立ち向かおうではないか。

 外しにくい嫌な小幅のパッキンでも、今回ご紹介する「水筒すき間洗いブラシ」に付属している「パッキン外し」を使えばいちころだ。長い爪は要らない。爪楊枝も要らない。ナイス。

マーナ「水筒すき間洗いブラシ」
メーカー名マーナ
製品名水筒すき間洗いブラシ
実売価格525円

 ひっくり返して。ねじねじの溝の茶渋的なものは「すき間ブラシ」で掻き出せる。「パッキン外し」の先端で細い筋汚れを掬ってもいい。こんな鋭角要らないよ! と呪いたくなる部分にはぜひ「すみブラシ」を挿し入れてあげよう。洗剤も適宜使おう。

 そうこうしていても、うっかりカビさせてしまいがちなのがパッキン部分である。取説には、多く塩素系漂白剤を使用するのは叶わないと書いてあったりするが、変形や変色のリスクを呑めば自己責任で漂白することも可能だ。別にしっかり濯げば大きな害もない。

 が、ステンレスボトル本体に塩素系漂白剤を使うとサビや穴あきなどが起こる恐れがあり、別の意味での健康被害を被る可能性が生じて危険であるため絶対やめたほうがいい。すでにやってしまった場合には買い替えをお勧めする。うっかりやってしまい、子どもから「お茶が金臭い」と言われ青くなったことが筆者にもある。人の子の親になり18年目に入るが、まだまだ日々修行なのである。

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして17年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は家事サービス、商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、中3、小5、小1の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。