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気になる電気代、ワットチェッカーで見える化してよかった
2025年10月23日 08:05
今年の夏も毎日のように、酷暑で大変でした。筆者は夏バテの原因を“就寝時の暑さ”に見出して以来、朝までクーラーつけっぱなしの生活。お陰で、真夏でもバテずに過ごせました。
ただ心配だったのは、どの程度電気代が掛かっていたのかということ。そこで、リアルタイムに使っている電力が分かる「ワットチェッカー」で、実用的な製品を見つけたので紹介します。今回は夏の電気使用量の例ですが、これからの冬も多くの電気を使う場合があるため、参考にしてみてください。
スマホで簡単に家電の消費電力や電気代の目安がわかる
今回取り上げるのは、ラトックシステムのBluetoothワットチェッカー 「RS-BTWATTCH2」です。
改めて、ワットチェッカーとは、家庭用コンセントと電気機器の間に挟むと、本体備え付けのディスプレイでリアルタイムの電力をチェックできるアイテム。
ラトックシステムは、Wi-Fiでスマホにつながるワットチェッカー「RS-WFWATTCH2」と、Bluetoothでつながる「RS-BTWATTCH2」をラインナップしており、筆者はスマートフォンと1対1でつながるBluetoothタイプを選びました。
RS-BTWATTCH2には本体画面がありません。そのかわり、専用のアプリをスマホやタブレットにインストールしてBluetoothでペアリングすれば、手持ちの端末でたくさんのデータが見られます。
計測可能なデータは、消費電力(W)のほか、電圧(V)、電流(mA/A)、消費電力量(Wh/kWh)、計測経過時間(日/時/分)の5種類。さらに、それらの値からCO2排出量や電気料金のデータまで教えてくれます。
これらのデータは、「いま、どれくらい使っているか」というリアルタイム表示、また「いつ、どれくらい使ったか」という累積表示の2種類に対応しています。
自宅エアコンのドライと冷房、電気代の違いは?
買ってきたRS-BTWATTCH2をエアコンのコンセントに挿して、iPad ProとBluetoothペアリング。続いて、ファームウェアアップデート後に、名前の入力とアイコン設定を行ないました。
なお、自宅エアコンの電源プラグは一般的な家電と同じ単相100V/15Aでしたが、エアコンの種類によってはプラグが異なり直接ワットチェッカーに接続できないものがあります。また、メーカーによっては、ワットチェッカーをエアコンや熱を扱う電気器具へ接続しないよう案内しているものもあるため、製品選びも注意したいところです。
接続したら、「計測モニタ画面」から「計測開始」をタップ。すぐにリアルタイム計測が開始されました。
使ってすぐに便利さを実感しました。もし画面が本体にあったら、天井付近にあるワットチェッカーを見に行かないといけませんし、筆者の環境では、おそらく画面も見えたかどうか怪しいところ。しかし、アプリなら見やすい表示と、豊富な情報量で利便性も抜群です。
さっそく、エアコンを夜間7時間連続運転して、よく使う「ドライ運転60%」と、「冷房運転28℃」の2種類で電気料金を比較してみました。風量は自動で、お休み切タイマーを7時間にセットします。機種はシャープのAY-R22D-W(2023年製)。主に6畳まで対応しているエアコンを約5畳の寝室に設置しています。
結果は、ドライが901Whで27.7円。冷房が355Whで10.9円でした。おおざっぱに31倍(1カ月換算)すると、ドライは859円、冷房は338円程度となりました。
グラフをチェックすると、冷房28℃の場合は、明け方数時間前にアイドリング運転(冷やさず送風のみ)が長くなっていて、外気温の低下が影響しているようでした。一方ドライは、割と等間隔でドライ運転と送風運転を繰り返していることが読み取れました。
ドライ運転をすると室温が26~27℃くらいまで下がったため、27℃設定でも一晩運転してみましたが、やはり朝方アイドル運転が発生しており、フェアな比較は難しそうです。
ところで、電気料金やCO2排出量を正確に算出したいなら、自分だけのデータを入力する必要があります。アプリに入力する「電気料金単価」は、「kWh」という電力量あたりの電気料金ですから、基本料金はいったん脇に置いて考えました。
まず、1段階目と2段階目の電力料金(従量料金)を平均しました。おおざっぱすぎますが、毎月の使用電力量を踏まえると、まあまあ現実的だったりします(平均値:23円)。
続いて、最新の燃料費調整額単価の3.76円と再生可能エネルギー発電促進賦課金単価の3.98円も足し合わせます。合計が30.7円になったので、アプリに入力しました。
「CO2排出係数」は、環境省のホームページから「電気事業者別排出係数一覧」を参照して、筆者が契約しているオクトパスエナジーの0.0003トン/kWhというデータを確認。アプリに300g/kWhと入力しました。
映像と音楽をたっぷり楽しむシアタールーム、どれくらい電気を使う?
他にもいくつか電気料金をチェックしてみます。
電話やモデム、Wi-Fiルーターなどがいっぱいつながっている延長コード(電源タップ)。リビングにある電源タップには、いま9台のIT機器がつながっています。インターネットのモデム、Wi-Fiルーター、電話のモデム、固定電話機など。これらは24時間電源がONになっています。
まず、リアルタイム測定は40Wちょっとでした。思ったより小さめです。仕様に書いてある消費電力いっぱいまで使わないことは珍しくないとはいえ、いざリアルな数字を見ると驚きます。
そして丸1日稼働させてみたところ、ほぼ一定で40Wをキープしていました。電気料金は、1時間あたり1.2円。24時間で28.8円。1カ月換算すると893円でした。寝室のエアコンを毎日ドライ運転する料金に匹敵します。意外と侮れません。
次に、自宅のシアタールームでたくさんのスピーカーを鳴らす家電でチェックします。テレビなどの映像機器と音響機器をつなぐ中心となるのが「AVアンプ(またはAVレシーバー)」という家電。映画館のように部屋のあちこちにあるスピーカーを鳴らせるものです。
仕様に書いてあった消費電力は500W。手持ちのドライヤーの4割くらい、結構な電力です。音量次第でアンプの消費電力は大きく変わるのですが、実態は測ってみないと分かりません。
今の時代らしくAVアンプにもエコモードがあったので、約1時間のドラマを1話見る電気料金を通常モードと比較しました。結果は、エコモードが71.9Whで2.3円。通常モードが112Whで3.5円。ほとんど変わらなかったです。2時間の映画を見ても、10円掛からないでしょう。CO2排出量はざっくり計算して、エコモードが23g。通常モードが34gでした。
察するに、音を出す家電はそれほど電気を使わず、テレビやプロジェクターといった映像面の消費電力が大半を占めていそうです。
今のワットチェッカーは、こんなにも便利になっていたことに驚きの連続でした。何日かいろんな箇所で使ってみて、接続やアプリのレスポンスにストレスはなかったことも特筆したいです。
ラトックシステムのRS-BTWATTCH2を使えば、気になる電気製品の消費電力を手軽にチェックして、使い方を見直すヒントにもなりそうです。これからも愛用していきます。

