フランスほのぼの暮らし

フランスママに学ぶ、自宅で行なう「結婚披露パーティー」の様子と準備

フランスでは、春になって寒さが緩んでくると、結婚式をする人が多くなります。今回は、自宅で行なう「結婚披露パーティー」の準備とパーティーの様子をご紹介します。この手のパーティーは、新郎新婦の家族と親友だけを招くので、気を遣わずに楽しめます。会場使用料や清掃代が掛からないうえ、アットホームな雰囲気が魅力です。

 

当日は、朝から家具を大移動する

フランスの結婚式は、一般的に15時から17時ごろに開始されます。祝杯をあげたり、結婚披露パーティーが始まるのは18時半ごろからなので、当日の朝は、邪魔になる家具を動かして、必要な家具を置くといった力仕事に明け暮れます。結婚式に出席するために、前日の夜から泊りで参加している親族のうち、男性陣の力を借りて会場作りをするのです。テーブルの配置や席などは新郎新婦に決定権があり、親族は奴隷のように彼らの希望に合わせて働かされます。

 

女性陣は大掃除&パーティーの小物作り

男性陣が大汗をかきながら、家具を動かしたり物を運んでいるのを見ながら、ヤジを飛ばしたり激励する女性陣は、涼しい顔をしてパーティーで使う小物の準備をします。納戸や開かずの間に収納されていた椅子をきれいに磨いたり、テーブルクロスやナプキンをきれいに飾り付けたりするのです。動かした家具のほこりを払ったり、床を磨いたりといった作業では、親族の子どもたちも忙しく働かされてしまいます。フランス人はお掃除好きなので、短時間で見事にきれいにしちゃうんですよ。同時にダンスや音楽に欠かせないDJを自宅に呼んで、盛り上がるための準備も怠りません。

 

テーブルの上へ飾る花は、造花で節約

フランスの結婚披露パーティーでは、テーブルに生花を飾る必要は特にありません。お花の少ない時期や、値段が高い時期には無理に生花を飾らずに、インテリアショップや雑貨店などで安売りされている造花を買って来て、卓上の適当な位置に飾ります。あとは食卓に良い雰囲気を出してくれるキャンドルを飾って華やかさを演出します。特に自宅で行なう場合はテーブル幅が狭いので、料理の邪魔になる生花は置かない人が多いんですよ。 

 

子どもは、子ども専用テーブルで食事

フランスの結婚披露パーティーの食事会では、子どもを両親と同席させることはありません。大人はお酒を飲みながら、歌ったり踊ったり新郎新婦とバカ騒ぎをしたいので、幼い我が子の面倒なんて見たくないのが本音なのです。乳幼児はベビーシッターに預けるか、同伴の場合には子ども専用テーブルを用意して、そこですべての高校生以下の子どもを飲食させてしまいます。小さな子どもたちのお世話にはアルバイトを雇い、食事やトイレ、オムツ交換や眠くてぐずった時の相手を任せてしまうので、親は思う存分にパーティーを楽しむことができるんですよ。

 

足りない食器は、洗わず返せるレンタルで補う

自宅でパーティーをするときに、意外に足りなくて困るのがお揃いの食器です。ご近所から借りて補う人もいますが、レンタルの食器を手配して、お料理や卓上を素敵に見せるのが一般的です。レンタル食器は、スプーン・フォーク・ナイフ、大皿&小皿、スープ皿やコーヒーカップなどがセットになっています。使用後はそのまま洗わずに返却できるので、手間と水道代が節約できるうえに、あと片付けに時間を取られることがないので、自宅での結婚披露パーティーで人気です。シャンパンやワイングラスも借りることはできるのですが、不注意や酔っ払いが壊す確率が高いので、事前にまとめ買いする新郎新婦が多いんですよ。

 

お料理は温める必要のないケータリング&ビュッフェ

自宅でのパーティーで大人数の食事を温めるのは至難の業。ですのでお料理は、各自が自由に好きなものを食べられるように、ビュッフェスタイルが一般的です。温めずに食べられるものばかりを、当日の食事時間にケータリングサービスで届けてもらうのです。種類も豊富で冷めても味が変わらないので、踊り狂っていて時間が経過してしまっても、放置しておいても問題ありません。食事用のワインは、樽で注文してカラフに注いで小分けにし、卓上に置いてあるので飲み放題です。

 

疲れたら途中退席が可能

自宅での結婚披露パーティーの魅力は、疲れたらいつでも途中退席が可能なこと。大宴会は翌日のお昼過ぎまで延々と続くので、限界が来た場合には会場のお宅のソファーベッドや寝室で、勝手に寝ることができます。アウトドア用の寝具を持参して、適当な場所で寝る人もいます。数時間、またはガッツリ寝て元気になってから宴会に再参加できるんですよ。 

 

 

クレモンママ

在仏20年、田舎暮らしを満喫中の小・中・高校生の4児の母。趣味はお花を育てること&散歩。人生は楽しく生きたいタイプ。