フランスほのぼの暮らし

フランスママに学ぶ「おばあちゃんの知恵袋」体臭、不眠、虫よけ、咳など

具合が悪かったりケガをしたとき、医療機関や医薬品に頼らず、昔ながらの知恵と工夫で乗り切ることはありませんか。今回は、フランスで昔から民間に伝わる「おばあちゃんの知恵袋」をご紹介します。実際に効果を感じられたと、評判の高い知恵ばかりです。

 

体臭が気になるときは「レモンと重層」

自分の体臭や脇の臭いが気になるときには、レモン果汁と重層を混ぜたものを、気になる箇所へ塗るだけで臭いが消えます。特に脇汗や、自分の脇の臭いが気になるフランス人には欠かせません。加齢臭が気になる人にも、耳の後ろや首の後ろなどに直接塗ると効果があると言われています。市販のデオドラントを買わなくても、これで気になる臭いはしっかり消えてしまいます。レモンの香りには、蚊などの虫を寄せ付けない効果もあるので、一石二鳥です。

 

眠りが浅いときには「ラベンダー」

フランスでは、一軒家ならどこの家庭にもラベンダーが植えてあります。ラベンダーは、公園や街路樹などにも多く使われている身近なお花で、手軽に入手できるのです。ラベンダーのお花を、ドライフラワーにして寝室に飾ったり、花だけを集めて小瓶や小袋に入れたりして、ベッド周りに置くだけで安眠効果があります。田舎などでは、庭のラベンダーの木の上へシーツや寝具を干して、ほんのり香りを付けたりします。タンスの中に入れれば防虫効果もあり、デスク周りに置くと集中力を高める効果もあるとも言われているのです。

 

咳止めには「タイム&ハチミツ」

ティーポットにタイムの小枝を入れて熱湯を注ぎ、カップにハチミツをたっぷり入れて、タイムを浸した湯を注ぎます。ほど良く冷めたところで、ゆっくりとのどを潤すように飲むと、咳止めに効果があると言われています。フランスのご高齢の方は、医者へ行く前に必ずこの方法で、咳を鎮める努力をします。さらにお医者さんでも、薬を出さずにハチミツとタイムのハーブティーをすすめることが多くあります。薬と違って、アレルギーが起きにくいと言われているので、お年寄りから子どもまで気軽に実践しています。 

 

虫刺され予防に「プルコ」を飲む

蚊やダニ、ノミなどに刺されないようにするためには、「プルコ」と呼ばれる無糖のレモン果汁や、オレンジ果汁を水で薄めたものを飲むと、虫刺されを予防できると言われています。体内に取り込んだレモンやオレンジの柑橘系の成分が、毛穴から排出されることによって、蚊などの虫が寄り付かなくなる効果があるとされていて、私も実際に夏の虫が多い季節に飲んでいます。長時間外にいても、虫刺されに悩まされたことがないので効果は期待できるかも知れません。安いのでたくさん飲めるため、フランス人に好評で、家庭でも気軽に作ることができます。

 

イラクサのトゲにやられたら「お酢」を掛ける

空き地や庭先、道端などのいたるところの群生する「イラクサ」は、日本のシソによく似ていて、うっかり触ると1日中チリチリした痛みに襲われてしまいます。この痛みを回避するためには、患部に直接お酢を掛けます。水で洗い流しても効果はありませんが、お酢をかけることによってチリチリした痛みが軽減できます。コツは、惜しみなく患部にお酢を掛けまくること。1度で効果がないときは、少し時間をおいてから、再度患部に掛けます。フランスで最も一般的に知られる、おばあちゃんの知恵袋でフランス人の常識ともなっています。

 

嘔吐下痢症には「コーラ」を飲む

フランスの民間療法には、嘔吐下痢症・急性胃腸炎にかかってしまったら、コーラを飲むと吐き気止めに効果があると言われています。炭酸が苦手な人には、グラスに注いでからスプーンなどでグルグルとかき回すと、炭酸が抜けるので飲みやすくなります。私も嘔吐下痢症にかかったときに、コーラを飲んで胃がスッキリした気分になったことがあるので、効果はあると思います。薬嫌いな子どもも、コーラなら問題なく飲んでくれることが多く、食欲のないときに体力が激減しなくて良いと、ご高齢の方々も実践しています。

 

信じるものは救われる!?

おばあちゃんの知恵袋は、いわゆる生活の知恵であり、民間療法です。絶対的に効果があることを保証するものではありませんが、実践することによって痛みや苦しみが軽減されることもあります。フランスのご高齢者の間では、カタツムリのドロっとした体液を集めた「カタツムリのシロップ」が咳止めに効くと絶対的に信じられていて、自宅の庭でカタツムリを繁殖させている人もいます。医者に通っても治らない場合には、このおばあちゃんの知恵にすがる人も多くいるのです。

 

 

クレモンママ

在仏20年、田舎暮らしを満喫中の小・中・高校生の4児の母。趣味はお花を育てること&散歩。人生は楽しく生きたいタイプ。