フランスほのぼの暮らし

フランスママに学ぶ、家族が「病気のときの食事」、症状別に解説

今年の冬はインフルエンザが流行っていますね。今回は、体調の悪いときや、急性胃腸炎、下痢や風邪などに、フランスママが作っている「病人食」をご紹介します。日本で体調が悪いときの食事というと、お粥がポピュラーですが、お粥だけでは飽きてしまったときなどに真似てみてはいかがでしょうか。

 

病人食の鉄板!その1「パスタとハム」

フランスで全ての病人食として食べられているのが、長時間茹でて柔らかくなったパスタとスライスハムです。表記された茹で時間よりも倍以上の時間茹でたもので、離乳後期の子どもから大人まで幅広く食べられています。パスタは、写真にあるような「コキエット」と呼ばれる小さなものが病人食として使われます。我が家では子どもに作りますが、自分ではあまり食べません。長時間茹でたパスタは消化に良いようで、フランス人には病人食の鉄板とされています。日本で言うところのお粥のような存在です。

 

病人食の鉄板!その2「ピュレ」(マッシュポテト)

ジャガイモを茹でて潰し、牛乳、バター、生クリーム、塩をたくさん入れて混ぜたマッシュポテトです。入院時の病院食としても出されることが多く、胃腸や腸の調子を整えてくれる整腸作用と、免疫力アップ、むくみ防止のほか、さまざまなストレスを軽減してくれる効果があるとされています。同様にニンジンを茹でて潰して作るピュレは、お腹の調子が悪いときに下痢止め効果を発揮します。またホウレン草やブロッコリー、ズッキーニ、玉ネギのピュレは風邪に効くと言われています。食欲のないときでも食べやすく、ビタミンも豊富なので離乳食の子どもからお年寄りまで全ての人に食べられています。大量の乳製品は日本人の体質には不向きなので、私が作るときは、塩とコショウだけで味付けをしています。またニンジンやそのほかのピュレを作るとき、にコンソメブイヨンを入れて茹でると余分な味付けが要らず、美味しく食べられます。

 

急性胃腸炎の強い味方、「リンゴのコンポート」

フランスでは、飲むタイプのものやカップやビンに入った「コンポート」がどこのスーパーや薬局でも売られています。すり下ろしリンゴと同じようなものですが、急性胃腸炎で水下痢が続くときや、激しくお腹を壊したときに下痢止めの効果と整腸作用があります。なかでも、リンゴとカリンのミックスは、医者が勧めるほど効果てきめんです。リンゴをすり下ろす手間が要らず、常温保存が可能なので、どこの家庭にも常備され、病気のとき以外でもデザートやオヤツとして食べられています。飲み薬の苦手な乳幼児には、薬を混ぜて食べさせられる利点があります。またフランスでは、胃もたれや吐き気がするときは、常温のコーラを飲みます。糖分が補えて炭酸効果で胃がスッキリしておすすめです。炭酸が苦手な子どもに飲ませるときは、スプーンでかき混ぜると炭酸が弱まります。

 

病気の撃退や回復には「お肉」を食べるのが基本

肉食人種のフランス人は、病気や体調不良、風邪の撃退に、お肉が絶対に欠かせません。なかでも、鶏肉のササミや牛肉が人気。フランスでは、肉を焼くときに大量のバターを使うため、白身や赤身のお肉でもかなり脂っこい仕上がりになるので、日本人には要注意です。健康なときは良いのですが、体調不良のときはお腹を壊してしまうリスクがあるので、体調の悪い子どもに食べさせるとき、私は焼かずに塩茹でしています。

 

喉の痛みと咳止めに「ハチミツキャンディ」「ハーブティー」

風邪や花粉症などで喉が痛いときは、フランスでは「ハチミツキャンディ」がよく食べられています。ハチミツには殺菌作用や炎症を抑える作用があるので、空気が乾燥しているフランスでは欠かせません。咳止めには生でも乾燥でも、タイムの小枝を急須に入れ、熱湯を注いでハーブティーを作ります。人肌に冷めたところにハチミツを入れてゆっくり飲みます。タイムの独特な味を嫌がる子どもには、ハチミツをお湯で溶いたものを飲ませています。薬嫌いな方はぜひ1度試してみてください。

 

病気の回復食「ライスプリン」

フランスで長期の風邪や体調不良、インフルエンザなどで体力を消耗してしまった病人におすすめの病人食が、「リ・オ・レ」と呼ばれるライスプリンです。デザートとしても普通に人気があり、レーズンやココナッツが入ったものもあります。冷たくて甘いので、あまり食欲がない子どもでも食べやすいく、栄養価が高いので、私もお腹が悪くない子どもには病気のときによく食べさせています。体調が悪くてほかのものは食べられないけれど、ライスプリンなら好んで食べるフランス人が多いです。

 

フランス人の病人食は高カロリーなものが多い

フランスでは病気を治すのは薬で、食事は体力を回復するために栄養価の高いものやビタミンが豊富なものを食べるのが一般的です。医食同源の考え方はないので、食材が体調不良のときに体にどう影響するかは、あまり気にしません。そのためか、どんなに体調が悪くても、食べ慣れた乳製品やバターを欠かさない人が多いのも特徴です。

 

 

クレモンママ

在仏20年、田舎暮らしを満喫中の小・中・高校生の4児の母。趣味はお花を育てること&散歩。人生は楽しく生きたいタイプ。