フランスほのぼの暮らし

フランスママに学ぶ、本当の仲良しで過ごす「子どもたちのお誕生会」事情

フランスの「お誕生会」は、幼稚園の年中ごろから高校生まで続く、子どもたちにとって楽しいイベントの1つ。本当に仲良しなお友だちだけを家に呼んで、おしゃべりしながらお菓子を食べて過ごします。日常的に、お友だちの家へ行くことがないフランスの子どもにとってお誕生会は、お家へ招待したり、されたりする貴重な日でもあるのです。

 

お誕生会の一般的な所要時間は、3時間ほど

幼稚園生までは、招待客は親が決めます。田舎で人数が少ない場合にはクラス全員を招待することも。1~2週間前までに自宅の住所・電話番号・開催時間を書いた招待状を、直接手渡しして招待します。なかには、出欠を返信するカードのある場合もあるんですよ。開催時間は高校生以下なら14時から17時が多く、年齢が上がると14時から18時など多少の延長や、高校生では誕生主の自宅へ泊りがけとなることもあります。田舎では、お誕生日の時期によっては、お庭で2泊3日のキャンプをすることも。

 

招待客は子どもだけ、親御さんは玄関先まで

お誕生会の招待客は、招待状をもらった子だけで、その子の兄弟姉妹については、一緒に招待しない限り同席は絶対にありません。

一般的にお誕生会に招かれるようになるのは、年中クラスごろからがほとんどです。子どもが小さくても親が一緒に参加することはなく、玄関先まで送迎するだけなので、送迎に来る親へのお茶も必要ありません。また、来てくれた子どもへのお返しなども一切必要なく、おもてなしをする負担がありません。

 

お誕生会に呼ばれなくてもトラブルになることはない

フランス人は義理で人付き合いをしないので、子ども同士が同じクラスだからとか、家が隣近所だからと言って、仲良しでない子を嫌々ながら招待することはありません。呼ばれた方も、行く気がなければ招待状をお返しして断るだけで、これが原因でママ友関係にヒビが入ることもありません。招待されなくても「うちの子だけ呼ばれなかった」と不満を言うこともなく、親子で決めた本当の仲良しの子だけが招待されます。 

 

お誕生日ケーキはシンプルなママの手作り

フランスのお誕生日ケーキは、ガトー・ショコラやパウンドケーキ、クレープなど簡単なものばかりです。どこの家庭でも親がボウル1つに材料を混ぜて焼くだけの手間要らずなもの。小学生になると子どもが自分で作ることも多く、市販のお菓子を盛り合わせて卓上に置いて、お友だちが好きに食べられるようにしています。使用する食器も、絵や色の付いた紙皿と紙コップなので、ママの片付けもラクちんで壊れる心配もありません。フランスの子どもたちは、ケーキと、「ハリボ」と呼ばれる色とりどりのグミ、「キャランバ―」と呼ばれる棒状のキャラメルがあればご機嫌です。 

 

プレゼント代はお返しの必要がない値段

お誕生会に持参するプレゼントは幼稚園児の場合は親が購入するので、仲良し度によっては高価な場合もありますが、一般的には相手に気を遣わせないで済む、500円から1000円程度のものです。小・中学生になると、本やパズルなど1000円程度のものが多く、高校生は自分のお小遣いで購入するので小物や漫画、ボディソープなど安価なものが多くなります。お誕生会を開くからといって、親子どもども、相手の過剰なプレゼントは期待しませんし、安価なものだからといって不満もありません。

 

フランスでは自分のお誕生日にはクラス全員と先生にお菓子を配る習慣がある

フランスでは幼稚園から小学校卒業まで、自分のお誕生日には手作りケーキとキャンディーを持参して、学校のクラス全員と担任、ほかのクラスの先生へ振る舞う習慣があります。キャンディーはソフトキャンディー数個とか、マシュマロやハリボなどを、小さな袋に可愛く詰めたものなどで、大体1クラス30人分を用意します。ケーキはパウンドケーキが基本で、生クリームやバタークリームなどは学校で使用禁止されています。

 

年齢によって親の手間が省ける

幼稚園児のお誕生会は、親がすべて仕切ります。部屋の飾り付けやケーキ・飲食物の用意、子どもたちを3時間遊ばせるための準備をします。子どもが小学生になると、飾り付けやケーキ作りのお手伝いをするようになります。中学生になると、親はお菓子や飲み物を大量に用意して場所だけ貸す程度で、子どもが自分ですべて準備します。高校生になると家の掃除から誕生会準備、後片付けまで全て自分でやるようになります。

 

派手にお金をかけずにお誕生会を楽しむ

お誕生会の飾り付けといっても、派手ではなく、色とりどりの風船を飾ったりする程度ですが、使い捨てのビニール製のランチョンマットや紙皿&紙コップ、ペーパータオルはお誕生会用の子どもの好む絵柄やキャラクターの付いたものを使って卓上を楽しく演出しています。さらに小学校高学年からは普通のものを使用するようになるので、低コストで楽しめます。 

 

 

クレモンママ

在仏20年、田舎暮らしを満喫中の小・中・高校生の4児の母。趣味はお花を育てること&散歩。人生は楽しく生きたいタイプ。