フランスほのぼの暮らし

フランスママに学ぶ「食育事情」好き嫌いや肥満は気にせず、食事を楽しむ

フランスでは、食事は「楽しく食べる」ことが最も重要視されています。今回は、好き嫌いや肥満を気にしない「フランス流食育事情」をご紹介します。フランスママは、子どもが小食でも肥満気味でも偏食でも、「楽しみながら美味しく食べてくれればいい」「嫌いな食べ物もいつかときがくれば、食べられるよういになる」と考えています。

 

幼稚園に入ったら、子どもの食べる食材や量は気にしない

フランスでは、幼稚園に入る3歳になるころには、自分でナイフとフォークを使って食事できるようにしつけられます。そこまでくれば、その後、親は食事中にあまり口をはさむことはなく、食べる量や偏食、食べ残しを気にしません。「子どもはお腹が空いたら食べるもの」と気軽に考えている人が多いので、しつけに厳しいクリスチャン家庭以外では食事を残しても怒りません。でも、「肘をつかない」「お皿を持ち上げない」といった食事時のマナーに関しては、全ての家庭で徹底的にしつけられます。

 

子どもの好き嫌いを克服させようと思わない

フランス人は子どもたちに、無理に好き嫌いを克服させたり、何でも食べられるようにしたいと考える人が少なく、好き嫌いも偏食も「個性」ととらえます。とは言え毎回の食事では、食べないと分かっていても、必ずお皿に嫌いな食材も少量乗せ、もし子どもの気が向いて少しでも食べられたら盛大に褒めちぎるのが、フランスママ流の食育。ママ自身もそのようにして育っているので、好き嫌いの克服に躍起になることがありません。

 

フランスの子どもは「好き嫌いしない」はウソ

フランスの育児を題材にした本が多く出版されていて「フランスの子どもは好き嫌いなく何でも食べる」と書かれていることがありますが、全くのウソです。親が食育に熱心な家庭で、普段は何でも食べている子どもでも、食べられることと好き嫌いは別ものなので、親の監視の目がない給食などでは一切食べません。フランス人は見栄っ張りな人が多く、子どもが一口でも食べれば「うちの子は何でも食べる子」と言ってしまうのが本当のところなのです。 

 

フランスママは、子どもの食べ過ぎも気にしない

我が子が、ものすごく食が細くて体も小さく背も低い場合や、逆にたくさん食べて体が大きく肥満気味の場合でも、親は特に気にしません。「肥満は遺伝」という考えも浸透していて、人によっては肥満の子どものママは料理上手と言う解釈もあります。低カロリー食材を使って食事に気を付けようとも思いません。小食や偏食が個性であれば、肥満も個性と受け止めます。太っていても幼稚園や学校でいじめられることがないのも、ダイエット意欲がわかない原因かもしれません。 

 

食事中のお説教はナシ!食事は楽しく食べることが基本

フランス人は、食事は楽しく食べるという考えなので、食事中に子どもにお説教することはありません。食事も「食べなさい」ではなく「食べてね」と、苦手な食材でも気軽に勧める程度。幼稚園や学校での出来事や、お友だちやバカンスなどの話を楽しみながら、ゆっくりと食事をします。テレビは、ついていても消しはしませんが、見ながら食事することはありません。

 

完食させることにこだわらず、楽しい雰囲気を作る

フランスでの食事風景は、家族1人が1つ以上、その日にあった出来事などを話しながらというのが理想です。会話を楽しみながら食事をするのがフランス流なので、子どもの食事を完食させることにはこだわりません。楽しい会話のなかで、苦手な食材でもちょっと食べてみようかな?と思うような雰囲気を作るのがフランスママのテクニックです。

 

フランスの子どもは、食べ物に「これキライ」とは言わない

フランスの子どもたちは、ママやベビーシッターさんが作った料理に対して「キライ」とか「マズい」と言うことは絶対にありません。その言葉が失礼だと幼いころから理解しているので、食べたくないときの断り文句は「お腹が空いていない」なのです。レストランでも残すときの常套句になっているんですよ。

 

 

クレモンママ

在仏20年、田舎暮らしを満喫中の小・中・高校生の4児の母。趣味はお花を育てること&散歩。人生は楽しく生きたいタイプ。