e-bike日々徒然

e-bikeの魅力をあらためて考えてみたら、やっぱり「坂道が楽しい」ことだった

e-bikeは、やっぱり結局、坂道を上がるのが楽しいです。少々の激坂でも楽しい。

なんで楽しいんだろう? いろいろ考えてみましたが、風景が移り変わっていくのを眺められるのが楽しい、というのがひとつあります。

ある林道の入り口。e-bikeだと人力自転車だと避けたくなる坂道でも、そこが楽しい道になってしまいます
林道を上り始めてしばらくすると、風景が徐々に変わってきます
遠くに山が見えてきた。こういった山道には、人もクルマも自転車もほとんどいません

例えば山などの高所へクルマでドライブするとき。助手席に座って外の風景を眺めていると楽しいですよね。どんどん風景が変わる。それをゆっくり見ていられる。いつもと違う視野に非日常を感じます。

でも運転手はそーんなには楽しめない。緩やかな山道ならある程度は風景を見られますが、ハンドル操作を注意深く行なう必要があるので、助手席にいる人のようには心身ともに余裕がない。余裕がないと、そーんなには楽しめない、というわけです。

広がる風景。高所ならではの眺めです

e-bikeには、そんな感じの「余裕」があります。人力自転車と比べて、ですが。

人力自転車で登坂していると、体力が急激に消耗しますし、その体力の出し方をうまくコントロールする必要があります。細かいことをいえば、どのギアを選ぶか、どの程度のテンポでペダルを回すか、呼吸をどの程度整えるかなど、「上り切るための操作や体力コントロール」を行なう必要があります。なので、そうとう体力・脚力のある人でないと、人力自転車での登坂時に余裕は出てこないと思います。

一方、e-bikeだと、アシスト力により心身ともに余裕をもって登坂できます。まあ登坂なのでスピードは出しにくく、ゆっくりのスピードで走ることになります。ですが、e-bikeの場合はスピードが遅いほどアシスト力が強まりますので、ゆっくりの登坂はかなりラク。予想以上の「余裕」を得つつの登坂ができてしまう。

坂の途中で止まっても無問題。人力自転車だと「いちいち停まっていたらテンポが狂うし漕ぎ出しで疲れちゃうから」と走行し続けがち。でもe-bikeだとさほどテンポを維持する必要もなく、漕ぎ出しも非常にラクなので、気軽に一時停止できちゃいます。

e-bikeだと、こういう急な上り坂を通過中でも……
気になるモノがあったら、ちょっと停まって見物することができます。e-bikeだと走り出しで強力なアシストが働くので、上り坂の途中での停車も問題ありません

e-bikeの場合、激坂であっても「もっと速く走ろう」と頑張らない限り、苦しい走行とはなりません。息が上がらないようにギアを変えペースを落とせば、心拍をある程度抑えて走れます。つまり体力的な余裕を維持できる。なので、山道の上り坂などでも、同行者と話をしながら登坂できたりします。

だいぶ登坂してきましたが、ゆっくりペース(つまりアシスト力を多用して)上ってきたので、体力にも気持ちにも十分な余裕があります
いい風景があったら都度停車して眺めたり写真を撮ったりできます。e-bikeだとそういう余裕が生まれやすいんですね
さらに上ると背景が空ばかりに。高度も感じられるようになりました
そして目的の峠に
e-bikeは高所を目指して走るとイロイロと楽しいです。ただし、帰りは下りであり、けっこう急な下り坂だったりもします。下り坂は危険なので十分に速度を落とす必要があります。重いe-bikeならなおさらですね
ひとつめの峠に上ったあと、近くにあるもうひとつの峠にも訪れてみました。それでもまだ心身ともに余裕があります。e-bikeのアシストって凄いですね

e-bikeで平坦な道を走っても、まあ楽しいことは楽しいです。でも上り坂はもっと楽しい。苦しいはずの上り坂なのに、e-bikeで走ると「こんなに楽しい要素があったのか」と発見できます。走りにくいハズのダートロードなんかもそうですね。e-bikeで走れば、人力自転車では感じられなかった「おもしろさ」を多々味わえます。その点だけでも、e-bikeは人力自転車とは大きく異なる新しいモビリティだと言えるでしょう。

もちろん、人力自転車を否定するつもりはまったくありません。人力のロードバイクやMTBも経験した筆者は、人力自転車の良さ素晴らしさ楽しさもそれなりに知っています。

大切なのは、人力自転車とe-bikeのどちらをどう使うかだと思います。好きなほう楽しいほうを選べばいいし、状況によって都合のいいほうを選べばいいだけです。しっかりトレーニングして充実したいと思えば、人力自転車もしくはアシストオフのe-bikeでガンガン走ればいいですし、体力差のある仲間たちとグループライドを楽しみたいなら人力自転車とe-bikeが混在すると体力差を埋めやすいですね。状況に合わせた柔軟な使い分けが大切です。また、心の門戸を閉ざさずに、楽しいものごとを幅広く受け入れたいものです。

スタパ齋藤