あってよかった

ダイソーの進化した掃除グッズで花粉対策

くらしを快適にしてくれるアイテム探しに余念がない住生活ジャーナリスト・ライターの藤原千秋が、注目のショップで買って使ってよかったお気に入りを紹介するコーナーです (店頭では予告なく販売終了となることもあります)
汚れたら使い捨てできる「床そうじ用(不織布)スリッパカバー 4足(8枚)入」

先日、茨城の方へ列車にトコトコ揺られて向かっているとき、車窓から色とりどりの里山が見えた。実際には色とりどりというか、葉を落とした色々な木々のかたまりが、ポコリポコリとそれぞれの色合いで(木肌の色も全然違うものなのだ)まあるくて「かわいいな〜」とボンヤリ思いながら、しばらく経って気がついた。「あれって、杉の植林じゃないからなんだ」と。

それくらいに筆者の育った埼玉の奥地の山といえば真っ黒で、基本的に山というのは杉が永遠に植わっているものだと思っていたけど、それが人為的かつ近代的な介入によるものだということは大人になる頃ようやく知った。そしてそんなふうに植林された山の連なる、関東西方の山地の花粉が平野に数多降り注ぐ今日この頃。ダイソーで目新しくも「使える」花粉対策掃除グッズを3種見繕った。同病相憐みつつ、ぜひ試してみて欲しい。

床に落ちた花粉やホコリを手間なく掃除できる「スリッパカバー」

スリッパの対応サイズは26~27cm

基本的にあまりスリッパは履かない、というか、履いていても家のどこかで脱いでそのまま忘れてしまう性質である。お恥ずかしや。

しかし人の出入りで、ちょっとした換気で、外部から花粉が入り込むのは止め難く、ホコリに混じったそれらは床に落ちていく。歩けばそれを踏む。靴下の裏にもつく。そのまま連れ歩く。布団などまで花粉が行き渡る。

……といった事態を阻止するにはやっぱりスリッパを履くに越したことはない。しかし多くのスリッパの裏は掃除しやすいよう合皮などが張ってあるから、花粉を含んだホコリを捕捉するどころか、より「散らせる」。

そのためホコリ取り目的で洗濯できるタイプのモップスリッパも愛用していた時期があるのだが、やはり難儀なのはその洗濯だった。家にある他の洗濯物と同時に洗うには、トイレマットなどと比べてもはるかに抵抗があり、タイミングがとても難しい。

その点、手持ちの前開きスリッパに装着して使用する「スリッパカバー」ならスリッパにホコリ取り機能を与えつつも洗濯がいらないわけである。

これはポリエステルの不織布でできており、床そうじ用を謳う。汚れたなら使い捨て。

4足110円だから普通の掃除用のドライシートに比べてしまえば大変高額なので交換頻度には迷うところがあるが、単純に「汚れ(があまりにも目立っ)たら」くらいでいいのではないだろうか。

余談だが、咄嗟に子供の学校に持っていくスリッパが見つからなかった時、家のスリッパにこれを被せて、やや汚いことの多い学校の床での使用を乗り切ることも可能……かも知れない。やったことはないけれど、どなたか試されたらぜひご一報ください。

手持ちの前開きスリッパに装着する
素材はポリエステル

“聖域”お風呂もフィルターで対策

「静電気の力でホコリをキャッチ! お風呂のドアフィルター 2枚」

24時間換気の換気扇の多くは浴室換気扇を兼ねている。終日運転し続けているこの浴室換気扇には浴室内のみならず脱衣洗面所を含め家中からの空気が集まり吸い込まれていくわけで、もちろんその空気の中には花粉の混じったホコリもあるわけだ。

その空気が、浴室に入る際に通過するのが浴室、お風呂のドアの吸気スリット(隙間)であり、一種のフィルタ効果を発揮してしまうわけで、恐ろしくホコリゴミが溜まる。

その「入口」に貼り付けてホコリキャッチに使うべしという商品が、ポリプロピレン製のこのドアフィルターである。

花粉の症状が出ている最中において、浴室には聖域であって欲しいと願うものだ。まあ実際のところ、「湿度100%」に近しくなる寒い時期の浴室内では花粉の「飛散」自体は起こりにくいし、実際ほぼ起こらないと思う。

けれど体を綺麗にしたい浴室内に、アレル物質がじゃんじゃん入り込んでしまう状況というのは、やはり好ましくない気がする。そもそも脱衣所には花粉が多量に存在しているといわれる。衣類にくっついてきたやつが脱衣の際にバフっと落ちるからだ。

この時期、公園遊びなど外活動の激しい子供を抱っこして激しいくしゃみに見舞われた経験のある親は多いはず。彼らの付着させた泥砂にももちろん花粉は含まれる。

使い方は、付属の面ファスナーを浴室ドアの洗面所側に貼り付け、その上にフィルターをたるまないように貼る。そのまま通常通りに換気扇を稼働させるなどして生活する。

2カ月程度は持つとされているけれど花粉が多い時期、空気が乾燥しがちな季節はもう少し早くフィルターが見た目にわかりやすく黒ずみ汚れて交換したくなるかも知れない。ともあれこれで花粉が浴室にダイレクトインしなくなるというだけでも、心が穏やかになるのではないだろうか。聖域はかくして守られるのだ。

交換目安は2カ月
たるまないようにフィルターを貼り付ける

玄関で衣類の花粉取りに使いたい「コロパクト」

「コロパクト」京都芸術大学の学生と企画・開発

ダイソーが京都芸術大学の学生と企画・開発を行なった商品。一連のシリーズを物珍しく手に取ったうちのひとつ。

スタイリッシュなケースに入った、マグネットで玄関ドアに貼り付けておけるタイプの衣類のホコリ取り(ロールタイプの別売粘着テープを中に入れて使う)で、商品には「お出かけ前の衣類のホコリ取り」とある。しかしこの花粉シーズン、ぜひともこれはお出かけ後の「衣類の花粉取り」に使いたい。

なにせ家の中に持ち込まれる花粉の半分程度は、衣類に付着した花粉によるものといわれている。中でもぶっちぎりに花粉を付着させるのは「ウール」素材の衣類なのだが、春にまだ届かない気温下で、ウールを一切着るなというのもあんまり現実的ではない。

とはいえ上着にウールを着るのは避けるなど、ある程度オミットしたほうが正解なのだろう。その上で、素材を問わず帰宅時になるべく玄関先で上着の肩周りやカバンとスレた部分、上着の裾、ボトムの裾あたりにはホコリ取りをかけるのが必須だ。

この一手間。だが一手間というほど現実的にはラクでない一手間、ついスキップしたくなってしまう手間だからこそ、相棒には自分に合った商品を探す意義がある。

衣類に転がす系の粘着ホコリ取りという商品自体は本当にいくらでもある。形状も価格も様々だ。

この「コロパクト」最大のポイントは、マグネットでドアに貼り付けセットされた粘着テープの取り出しが、片手のワンアクションで済む点だ。相性はその辺でも判断したい。

繰り返すが中に入れる粘着テープは別売だ。筆者は初回それに気づかず買い物が二度手間となったので、念の為。

中に入れる粘着テープは別売
ワンアクションで取り出せる
藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして20年以上活動。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、10~20代の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。