あってよかった

カインズのオリジナルグッズで掃除を効率化

くらしを快適にしてくれるアイテム探しに余念がない住生活ジャーナリスト・ライターの藤原千秋が、注目のショップで買って使ってよかったお気に入りを紹介するコーナーです (店頭では予告なく販売終了となることもあります)
カインズの「ふるだけボトルクリーナー 200g」。カインズ公式通販サイトでの価格は498円

人は恒温動物なのに、なぜ気温が下がっていくに連れて、動くのがこんなに億劫になっていくのだろう。かくも怠いのに年末が近づけば「大掃除」の圧を感じてしまい、なんとなくアレコレ作業してしまう慣習という名の刷り込みの強度よ。

それにつけてもせっかく頑張って家事・掃除に勤しんだのにあっという間に元の木阿弥となる時の徒労感といったらない。わざわざダルさに打ち勝ち作業したのだからその効果はなるべく長続きさせたい。

今回は、そんな気温が下がりつつある初冬から真冬にかけて、家事・掃除の効率を助け、かつ効果の持続可能性を高めることを実感した道具を、今をときめくホームセンター「カインズ」オリジナルグッズから3つご紹介したい。

マイボトルを手軽に洗える「ふるだけボトルクリーナー」

「マイボトル」持参の習慣は季節と大人子供を問わず生活に定着した感がある。エコだサステナブルだというような時流によるものというより、適切な水分補給が熱中症予防にも感染症予防にも効果大であるという理由が大きい。

しかしこのボトル関係で唯一いただけないのがその汚れやすさだ。直飲みボトルでは口内細菌がどうしても逆流してヌメリが出やすいし、お茶を入れれば茶渋がえぐい。しかし細いので通常使うようなスポンジでは洗えない。清潔に使いたいのに洗いにくい。微妙にストレスが溜まる存在になってしまう。

「ふるだけボトルクリーナー」は、とにかく適量を、このボトルにサラサラと落とし(粉なので)、水道水をボトル容量の10分の1目安で注いだら蓋を閉めてシェイク! という簡便さ。これで茶渋やヌメリがほぼほぼ取れるという、画期的な洗浄剤だ。

とはいえやはり飲み口、キャップ周辺の凹凸の茶渋やヌメリまでは取れないので、その界隈はパッキンを外して細部掃除用ブラシなどでキレイにしなければならない。ただその際には他の洗剤ではなく、このボトルクリーナーの溶かし水(?)を流用できる。この粉はアルカリ剤入りの研磨剤で、変に泡だったりしないためサッと濯げば落ちるのだ。

アルカリ剤入りの研磨剤。ボトルに水と本製品を入れてシェイクするだけで汚れが落ちる

実は筆者はこの溶かし水を、ボトル洗いの際、シンクの洗い桶の中に溜めておき、洗い桶洗いやシンク掃除に転用している。食器用洗剤で洗う通常の手入れでリーチできない種類の汚れに効果がありシンクが非常にキレイになり、おトクを感じないではいられないのだった。

水回りのキレイを保つ「汚れ防止用撥水剤」

キレイにしたキッチンシンクなり洗面ボウルなりといった「水回り」の各所に、撥水効果を与えることで水絡みの汚れを再付着しにくくするという目的で使われる「撥水剤」。

もともとはカー用品としてメジャーであった。それが近年、家事周りに進出してきた。さまざまなメーカーから出されているが、カインズオリジナルの撥水剤はその中でもかなり安価な部類といえ、そこがまず目立つ。

汚れ防止用撥水剤 300ml。カインズ公式通販サイトでの価格は498円

「汚れ防止用」なので、これ自体が洗剤ではない点には注意したい。あくまで掃除後、洗った後にその部分をコーティングするために使うものが撥水剤というものである。

商品用途にはキッチンシンクのほか洗面、風呂、トイレや外壁といった部位の撥水が挙げられているが、筆者の私見としてはシンクなら上部の縁周辺、水栓金具。洗面ボウルなら排水口周辺ないし、こちらも水栓。トイレなら便器内部よりも手洗い周辺、といった「狭い部分」に使うことで、その効果を実感できる。

「水」はあらゆる汚れ落としのための有効な溶剤である反面、水自体に含まれるミネラルが石化汚れの原因になるほか、細菌やカビをもたらしたり、微粒子系の汚れをより付着させやすくしたりという困った性質も併せ持つ。

その「水を弾く」ことで汚れの総量を減らすという理路の「撥水剤」。「せっかく掃除した」その効果を長続きさせられるよう、使いこなせるに越したことはない道具である。

シンク、洗面台、浴室、トイレ、外壁などさまざまな場所で使える

撥水剤とセットで使いたい「使い捨てマイクロファイバークロス」

そして上述の撥水剤をさまざまな部位の細部に行き渡らせるのにも使えるのが、この「使い捨てマイクロファイバークロス」であり、実にうってつけなタッグとなる。

使い捨てマイクロファイバークロス 20枚入。カインズ公式通販サイトでの価格は398円

ティッシュに見られる毛羽(けば)、キッチンペーパーによくある硬さ、という、既存の「使い捨て」ペーパー類のマイナス面をまるっとカバーし、掃除に際しても、仕上げにおいても、マイクロファイバークロスで拭き上げると仕上がりが別格。アルミやステンレス、クロムメッキ部分などの輝きが尋常でないことに気づくはずだ。

マイクロファイバーは鏡や窓ガラスの掃除などにも良い。汚れが激しく付着してしまった場合などでも使い捨て前提なので、いじましく洗い濯いで使い継がなくてもよい点も、家事・掃除のハードルをぐっと下げ、気持ち的に救いとなるはずだ。

寒くて億劫なだけでもしんどいのに、こまごまと気が重くなる要素はなるべく減らしておきたいのが、冬の家事全般にいえることだろう。

材質はポリエステル
マイクロファイバーは鏡や窓ガラスの掃除などにも良い

総じて「カインズオリジナル」の良い点はもうひとつ、パッケージがうるさくなく、主張しない点だ。

やらねばならない気がするから億劫でもがんばる、やる気に溢れるでもなく淡々と身の回りの環境を改善する。そんな営みの一助に、うまく使ってみてほしい。

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして21年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、大1、中3、小5の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。