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ダイソン初のヘアドライヤー、小型でパワフルな「Supersonic」

 ダイソンは、同社初となるヘアードライヤー「Dyson Supersonic(ダイソン スーパーソニック) ヘアードライヤー」を発表した。4月28日に旗艦店「Dyson 表参道」で発売し、5月11日より全国の家電量販店など200店舗で先行販売する。価格は45,000円(税抜)。

ヘアードライヤー「Dyson Supersonic」とジェームズ・ダイソン

 小型軽量のモーターを採用したヘアードライヤー。特許を取得したデジタルモーター「V9」を搭載しており、ドライヤーのために15人を越えるモーターエンジニアが開発し、直径27mm、重さ49gの小型軽量を実現したという。モーターは小型ながらパワフルで、内部の羽根が1分間に最大11万回転し、素早く髪を乾かせる。

小型モーターを採用
デジタルモーター「V9」(左)と、ドライヤーに搭載されている一般的なモーター(右)

あらゆるタイプの人毛を使って研究、風量や温度を最適化

ダイソン・リミテッド チーフエンジニア ジェームズ ダイソン氏

 ダイソン・リミテッド チーフエンジニア ジェームズ ダイソン氏は、ヘアドライヤーの開発について、以下のように語った。

 「ヘアードライヤーを開発するにあたり、4年間に渡ってさまざまな人毛を使って研究しました。毛髪の乾燥を機械的にシミュレーションする試験装置を作り、何が髪を輝かせるのか、何がパサパサにさせるのか、あらゆるタイプの毛髪を用いてテストを実施しました。今回発表するSupersonicは、風量や温度を最適化し、髪にダメージを与えにくいドライヤーです。また、人間工学に基づき、頭の上でドライヤーを使っていても疲れにくい構造にしました」

 小型モーターは、ハンドル部に搭載しており軽やかに操作できるという。ヘッド部にモーターが搭載されている一般的なドライヤーとは異なり、ヘッドが軽く長時間使っていても疲れにくいとしている。

ハンドル部にモーターを搭載
ヘッドが軽く、長時間頭の上で使っても疲れにくいという
開発にあたり、さまざまな人毛を使って研究した
毛髪の乾燥を機械的にシミュレーションする試験装置を作ったという

羽根のない扇風機と同じ「エアーマルチプライアー」を採用

 送風方式には、同社の羽根のない扇風機と同様に「エアーマルチプライアー」を採用。取り込んだ空気を3倍に増幅し、高圧・高速気流を生み出す。

 風量は「スピード/レギュラー/スタイリング」の3段階で調節可能。最大風量は2.4立方m/分で、風圧は3.5Paを実現。

 風量だけでなく風圧にもこだわった点が特徴で、風が高速なだけではすばやく乾かせないという。風圧と気流のバランスを適切にすることで、髪の表面だけでなく根元にまで風を届け、スピーディーに乾かすことを可能にした。

羽根のない扇風機と同じ「エアーマルチプライアー」を採用
取り込んだ空気を3倍に増幅し、高圧・高速気流を生み出すという

 空気の吸い込み口は底部に搭載。使用中に髪が巻き込まれず、絡まないように設計されている。

 さらに、吸い込み口のカバーは手軽に外せるため、ホコリなどを手軽に取り除ける。吸い込み口にホコリが付着していると風量が弱まるため、簡単に手入れできる設計とした。

空気の吸い込み口は底部に搭載
カバーは手軽に外せ、簡単にホコリを取り除ける

極端な熱を与えず、髪へのダメージを軽減

 温度は、「速乾(78℃)/標準(62℃)/低温(45℃)/冷風」の4段階で設定可能。設定温度よりも高温にならない「インテリジェント・ヒートコントロール」を搭載し、風温を毎秒20回測定する。極端な熱にさらされることを防ぎ、ツヤのある髪に仕上げられるという。

 イオン機能では、マイナスイオンを搭載。空気中のマイナスイオンを帯びた粒子が静電気を抑え、髪のまとまりをよくする。

操作部。上部に風量・風温ボタン、ハンドルに電源とコールドショット(冷風)ボタンを備える
熱を与えすぎず、ツヤのある髪に仕上げられるという
インターナショナル ヘアーメイクアップ・アーティスト 加茂 克也氏

 会場には、インターナショナル ヘアーメイクアップ・アーティスト 加茂 克也氏も登壇。

 実際にSupersonicを使った加茂氏は、「根元にしっかり風が届くのが良いですね。まとまりのある髪にするには、毛先だけブローしても意味がありません。根元のクセをとることで毛先がまとまるので、Supersonicはとても使いやすいです」と話した。

 ブロー後のモデルの髪の毛はしっかりまとまっており、ツヤも出ていた。熱を与えすぎないため、キレイな仕上がりになるという。

ブローの実演が行なわれた
まとまっており、ツヤが出ている

パワフルながら静かで会話を邪魔しない

 静音性にもこだわっている。空気の流路を単純化し、乱気流・旋回流を抑えている。モーター内で発生する音域を1トーン上げ、人の可聴域の上限を越える高周波に設定した。

 さらに、モーターが備えられているハンドルには集音器を取り付けた。より静音化させることに成功したという。

 「Supersonicは、ファンの回転数を上げることで超音波と同じように、人には聞こえない周波数を実現しました。静かなドライヤーは、サロンでお客様と会話しやすく、自宅でも妻と会話しやすいといった優位性があります」と、ジェームズ・ダイソンは話す。

静音なため、家族と会話しながらも使えるという

ブローやカールの付いた髪を乾かしやすい3種類のアタッチメント

 アタッチメントとして、風量を弱めてなめらかな風で髪をやさしく乾かす「スムージングノズル」、まわりの髪を乱すことなく乾かしたい箇所だけに集風するブロー用の「スタイリングコンセントレーター」、やさしい風を均一に分散して縮れやすいカールやウェーブをふんわりと乾かす「ディフューザー」を用意。

 各ノズルはマグネット式で、簡単に着脱できて風向きを変えられる。また、2層になったヒートシールドテクノロジーを採用しており、表面が加熱されないため、触っても熱くないという。

アタッチメントは3種類。左から、ディフューザー、スタイリングコンセントレーター、スムージングノズル
マグネット式で簡単に着脱できる
風向きの転換もしやすい
ノズルは2層になっており、触っても熱くない

 ディフューザーは、複数の小さな穴があいており、ここから送風される。そのため、最大風量でも風がやさしく、カールやウェーブなども縮れずに乾かせるという。このほか、カーラーを巻いた前髪や、広がりやすい側頭部を抑えるのにも適している。

ブローがしやすい「スタイリングコンセントレーター」は風を集中させる
ディフューザーはカールのついた髪などに適している

 本体サイズは、78×97×245mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は618g。消費電力は1,200W。本体カラーは、「アイアン/フューシャ」と「ホワイト/シルバー」の2色。

アイアン/フューシャ
ホワイト/シルバー

西村 夢音