シャープ、タニタの社員食堂メニューを搭載した9代目ヘルシオ

~体の中からキレイになれる「美容サポートメニュー」も
「ウォーターオーブン HEALSIO(ヘルシオ) AX-PX3」左から調理システム事業部長 藤井正信氏、タニタ社員食堂 栄養士 荻野菜々子氏

 シャープは、タニタの社員食堂のメニューを搭載したオーブンレンジ「ウォーター オーブン HEALSIO(ヘルシオ) AX-PX3」を8月20日より発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は16万円前後。

 100℃以上の過熱水蒸気を使った独自の健康調理により、食材の脱油、脱塩、ビタミンC保存などができるヘルシオの新製品。本体容量は30Lで、2段調理に対応。本体には352の自動メニューを搭載し、操作は4.3型のカラー液晶パネルで行なう。過熱水蒸気調理のほかに、レンジ/オーブン/グリル調理にも対応する。

 ヘルシオは健康調理とおいしさを追求した独自の機能で、女性の認知率も高く、購入者の半数以上は、ほかのオーブンレンジとヘルシオを比較することなく“指名買い”をしているという。9代目となるAX-PX3では、健康、美容、おいしさをテーマとして、タニタの社員食堂のメニューを自動メニューとして搭載したほか、美容サポートメニューを追加。機能面では、スマートフォンアプリとの連携を強化した。

製品本体扉を開けたところ庫内の様子
給水タンク操作は液晶カラータッチパネルで行なう本体上部の蒸気口
タニタの社員食堂のメニューを自動メニューとして搭載した

 タニタの社員食堂メニューとは、体組成計やクッキングスケールなどで知られる株式会社タニタの社員食堂のメニューを再現したもの。タニタでは、健康機器を多く扱う会社として、社員も健康でなければならないという理念のもと、1食500kcal前後、塩分3g前後のメニューを社員食堂で提供。同レシピをクッキングブックとして発売したところ、ベストセラーとなり、今年1月には東京・丸の内に「丸の内タニタ食堂」をオープンした。

 シャープでは、健康やおいしさを兼ね備えたタニタの社員食堂メニューはヘルシオともマッチングするものだとして、今回のコラボレーションを進めたという。

 本体には、10種類の「タニタ食堂レシピ」を搭載。いずれも1食500kcal前後、塩分3g前後で、ヘルシオの自動調理を使うことで、主菜と2つの副菜が同時に調理できるという。

「ささみのピカタ定食」も搭載しているヘルシオは2段調理に対応しているため、定食メニューが一気に作れる。一段には副菜のきのこのサラダとわかめのみそ汁、付け合わせのブロッコリーをセットもう一段には主菜となるささみのピカタをセットする
タニタ食堂レシピ専用のレシピブックも付属するヘルシオで調理することで、さらにカロリーダウンできるメニューもあるという。「鶏唐揚げ風オニオンソース定食」を作った場合、約46kcalダウンできる本体に搭載している「豚肉のわさびしょうゆ焼き定食」
タニタ社員食堂の栄養士を務める荻野菜々子氏

 会場には、タニタ社員食堂の栄養士を務める荻野菜々子氏も登場。「好調な社員食堂のレシピ集だが、定食形式のため、品数や食材が多く手間がかかるという声もあった。ヘルシオの自動調理なら、手間をかけずに、一気に主菜と副菜が作れる。驚いたのは、過熱水蒸気調理をすることによって、さらにカロリーダウンできるレシピもあったこと」と話した。

 また、「食べる時には、20分以上かけてよく噛んで食べることも重要。タニタの計測機器ではかって、ヘルシオで作るという食習慣を提案したい」とコメントした。

 自動メニューでは、医療法人社団育生会「私のクリニック目白」院長の平田雅子先生監修による「美容サポートメニュー」を新たに51メニュー搭載。平田先生は、「美肌作りは体から」をテーマとしており、食べることで体の中からきれいにすることを推奨。今回は「美肌サポート」、「若々しさサポート」、「おなかすっきりサポート」の3つをテーマとして、メニューを考案。コラーゲンやビタミンA,食物繊維、ポリフェノール、鉄など美容に良いとされる栄養分を多く含んでいるという。

平田雅子先生監修の美容サポートメニュー。「おなかすっきりサポート」メニューでは、食物繊維を豊富に含んだレシピが用意されている「若々しさサポート」では、ビタミンB、ビタミンE、鉄などを含んだメニューを提案「美肌サポート」では、リコピンや亜鉛、コラーゲンなどを含んだメニューが用意される
自宅にある食材を角皿に載せて一気に調理できる「カンタン蒸し」機能。写真では、ブロッコリー、エビ、卵を一気に調理して「えびとブロッコリーのタルタルソースがけ」を提案

 そのほか、組み合わせ自由で好みの食材を角皿に載せて同時調理する「カンタン焼き」機能と、「カンタン蒸し」機能を搭載。冷蔵庫に入っている余った食材を一度に調理できるため、手軽に健康調理ができるという。調理時間は、カンタン焼きが約20分、カンタン蒸しが約14分。

 スマートフォンとの連携機能では、専用の「ヘルシオレシピ」サイトを8月1日より新設。ヘルシオに搭載されている自動メニューのほか、季節や旬に応じたレシピなども随時掲載予定。外出先で、レシピを見ながら食事の内容を考えたり、買い物の際の材料選びにも便利だという。

 掲載されているレシピは、スマートフォンにダウンロード可能で、ダウンロードしたメニューを赤外線通信により、ヘルシオ本体に登録することもできる。ヘルシオに登録できるメニューは25で、メニューを登録することで、自分だけのヘルシオとしてカスタムできるとしている。

 携帯電話やスマートフォンで撮影した料理の写真をヘルシオ本体に赤外線通信で送信、加熱条件やメニュータイトルと一緒に登録できる「マイヘルシオ」機能も従来機より継承している。ヘルシオレシピのダウンロード機能とマイヘルシオ機能はいずれも、赤外線通信機能を搭載している端末のみ対応する。

ヘルシオのレシピをスマートフォンで確認できるスマートフォンアプリ「ヘルシオレシピ」を8月1日よりオープンするヘルシオに登録されていない、季節や旬の食材を使ったメニューも随時アップされるというヘルシオレシピからダウンロードしたメニューを、スマートフォンの赤外線通信を使ってヘルシオに登録することもできる。

 本体の機能面では、調理時間を最大26%短縮できる「ターボ噴射エンジン」を新たに搭載した。オーブン庫内に噴射する過熱水蒸気の流れをコントロールするもので、食材をより効率的に加熱し、調理時間を短縮するという。たとえば、従来のヘルシオでは、上段のみの調理の場合でも、庫内全体に過熱水蒸気を行き渡らせていた。ターボ噴射エンジンでは、上段にのみ過熱水蒸気を集中的に噴射できるため、調理時間だけでなく、消費電力量も最大約25%カットできるという。

 本体サイズは、525×440×430mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約25kg。消費電力は、レンジ調理で1,460W、オーブン/グリル調理で1,410W。オーブン温度調節範囲は100~250℃で、30℃/35℃/40℃/45℃の発酵温度も備える。本体カラーはレッド系とホワイト系。

 ラインナップとして、タッチパネルのカラー液晶を省略した「AX-GX3」、1段調理で庫内容量26Lの「AX-MX3」、1段調理で庫内容量18Lの「AX-CX3」も発売する。AX-GX3の発売日は8月20日、AX-MX3、AX-CX3は8月1日。価格はオープンプライス。店頭予想価格は順に110,000円前後、75,000円前後、60,000円前後。

タッチパネルのカラー液晶を省略したスタンダードタイプ「AX-GX3」1段調理、庫内容量26Lの「AX-MX3」1人暮らしなどに最適な庫内容量18Lの「AX-CX3」。AX-CX3のみホワイト、レッド系のほかにピンク系も用意される
シャープ 健康・環境システム事業本部 調理システム事業部長 藤井正信氏

 シャープ 健康・環境システム事業本部 調理システム事業部長 藤井正信氏は、復興需要などで好調だった昨年の市場に比べ、今年の市場は約5%程度落ち込むであろうことを指摘。しかし、ヘルシオは昨年比20%増の売上を伸ばしているという。これについて、「人口構成から考えてもシニア世代が多く、健康ブームはまだまだ続く。他社はスピード重視している機種などを展開しているが、ヘルシオはあくまでも、食材本来のおいしさを活かした健康調理にこだわる」と自信を見せた。







(阿部 夏子)

2012年7月5日 14:15