タニタ、食べ過ぎを判定するダイエットチェッカー
タニタ「ダイエットチェッカー QM-300」 |
タニタは、尿に含まれる糖分の量から食べ過ぎを判定する計測器「ダイエットチェッカー QM-300」の試作モデルを開発したと発表した。市場想定価格は未定。2年以内の商品化を目指すという。
尿を調べることで、食べ過ぎたかどうかを調べられるダイエットチェッカー。糖質は主に炭水化物に含まれ、一定量以上を摂取すると、脂肪として蓄えられる。QM-300では、糖質を摂りすぎた際に尿中に排出される、微量の糖分(グルコース)に着目。この糖分を、本体先端部にある4層のバイオセンサーの酵素層で過酸化水素に変換させ、電極で電子を取り出し、尿中の糖分濃度を計測する。
本体はスティックタイプ。キャップを外して使用する | センサー部分 | 4層のバイオセンサーと微量の糖分を計測するしくみ |
株式会社タニタ バイオヘルスケア事業部 宮下真理子氏 |
判定には、「meal(ミール)」という独自の数値を用いる。ミールは、尿に含まれる糖分量を0~1,000の範囲の数値で表す。尿中の糖分量が多いほど、数値が大きくなる。一定ライン以下のミール値であれば、糖質が原因で太ることはないという。
ミールの基準値は1人1人異なるため、週1回、空腹時の尿を計測して、自分の標準値を測定することが必要になる。これにより、従来の画一的なカロリー計算のダイエットとは違い、個々人の身体に合わせたダイエットが可能になる。ただし、境界値については調整中としている。
「meal(ミール)」とは、食べすぎを判定する新指標だという | ダイエットのニーズは高い | これまでのカロリー計算のダイエットは、手間がかかるものだった |
食事の適量よりも、食べ過ぎを防ぐことに目を向けて開発された | 食事の内容によって、尿に含まれる糖分は変動する |
使用方法は、食事から2時間後に、本体のキャップを外してセンサー部分に尿をかける。判断にかかる時間は約6秒。計測終了を知らせる音がピピッと鳴ると、ミールの値が表示される。さらに、人型アイコンが5段階で表示され、正常なのか過食気味かひと目でわかる。使用後の本体は、水道水で洗浄する。
5ステップで手軽に計測が可能 | 本体は持ち歩きしやすいサイズ |
実演では、空腹時に採取した標準値を示す尿と、少し食べ過ぎたあとの尿、食べ過ぎたあとの尿を用意して、標準値から計測。標準値は40を示し、続いて少し食べ過ぎたあとの尿のミール値は522、食べ過ぎたあとの尿のミール値は786を示した。
今回は空腹時に採取した尿と、少し食べ過ぎたあとの尿、食べ過ぎたあとの尿を用意 | まず、空腹時に採取した尿から標準値を測定 | 標準値は40を示した |
少し食べ過ぎたあとの尿のミール値は522を示した | 食べ過ぎたあとの尿のミール値は786を示した | ダイエットチェッカーの今後の開発について |
今回使われた試作品の本体サイズは、176×37.2×25.6mm(幅×奥行き×高さ)。重量は94gで、外食時にも計測できるよう、持ち運びしやすいつくりになっている。また、試作機では糖分をベースに計測しているが、尿に含まれる他の成分についても分析していくという。
同社では、これまでに糖尿病患者向けの尿糖計を製品化した実績がある。QM-300は健康な人向けの製品のため、糖尿病患者向けの製品に比べて、測定する糖分量はごくわずかで、技術的に難易度が高いという。現在200名によるモニター試験を実施しており、引き続き製品の開発に取り組んでいく予定だ。
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(小林 樹)
2011年2月22日 15:24