三洋、エネループ5周年の「誕生パーティー」を開催

~“子供が充電池しか知らない世界”を目指す
エネループの誕生5周年を記念した“バースデーケーキ”。エネループのキャラクター「エネルーピー」が描かれている

 三洋電機は22日、同社のニッケル水素電池「eneloop(エネループ)」の発売5周年を記念したイベント「『eneloop』5歳 誕生会」を、報道関係者、およびビジネスパートナー向けに開催した。

 エネループは、約1,500回の繰り返し使用ができるニッケル水素電池(発売当初は1,000回)で、自己放電が少ないため買ってすぐ使える点が特徴。5年前の2005年11月14日に発売された。

 翌2006年11月には、エネループが太陽光で充電できる「ソーラーチャージャー」など、“繰り返し使う”をコンセプトとした関連商品群「eneloop universe products(エネループ ユニバース プロダクツ)」も展開。以後、電動アシスト自転車や暖房器具、モバイル電源など、数多くの製品を投入している。この11月には、キラキラと輝くデザインが特徴の充電池「eneloop tones glitter(エネループ トーンズ グリッター)」を限定で発売した。

 エネループ ユニバース プロダクツはまた、2007年のグッドデザイン大賞で金賞を受賞するなど、国内外のデザイン賞も多く受賞している点も特徴。三洋電機のアドバンストデザインセンター 清水正人所長は、「(エネループの)根底に流れている物語を評価されたことによる受賞が多くなっている」と、コンセプトが理解されたことが受賞に繋がっていることを指摘した。

エネループは約1,500回の繰り返し使用ができ、かつ自己放電が少ないため、買ってすぐ使える点が特徴エネループの商品展開の歩みエネループユニバースプロダクツがグッドデザイン大賞に輝くなど、国内外の数々のデザイン賞を受賞している
エネループユニバースプロダクツの第一弾製品となる「ソーラーチャージャー」(写真手前)。本体内のエネループ電池が、太陽光で充電できるエネループの電動アシスト自転車「エネループバイク」。写真は折り畳み仕様のもの
懐炉として使える「エネループカイロ」2010年11月には、キラキラと輝くデザインが特徴の「エネループ トーンズ グリッター」も発売。右は電池容量は少ないが、繰り返し回数が2,000回の「エネループライト」
三洋電機のアドバンストデザインセンター 清水正人所長

 清水氏はまた、エネループという商品名の由来について“エネルギーの循環(ループ)”であると説明する一方、ネーミングの候補として「ナンドモ」というものがあったという、開発段階での裏話を披露。「エネループで商品化できてよかったな、と今でも思っています」と笑顔を見せた。

 清水氏は続けて、エネループを電源として、最初からパッケージに同梱する商品が増えてきたことに触れ、「電池は本来それだけでは機能せず、何かによりそってはじめて性能を上手に引き出せる商品。エネループ・インサイドという形で、いろいろなところでお使いいただけているのは、本当にうれしい」と話した。

 エネループの今後については、太陽の恵みをより利用した製品づくりを目指していくという。

 「現在、エネループを充電するとなると、コンセントに充電器を差し、化石燃料で作った電力で充電するということになる。しかし、これからは太陽の恵みをエネルギーに変えて、そのエネルギーでくりかえし使う生活を早く実現したい。身近なものから社会のインフラに至るまで、同じ(エネループという)物語のなかで、ソリューションとなる商品を展開していきたい」(清水氏)

清水氏は、エネループが電源として最初から同梱されることを歓迎。タカラトミーの人型ロボット「アイソボット」も、最初からエネループが採用されているエネループは警備会社の懐中電灯や、テレビ局のワイヤレスマイクなどの電源にも使われているという


これから生まれる子供たちが“充電池しか知らない世界”になるように

 モバイルエナジーカンパニー グローバルCRM事業部 市販事業統括部の白井浩明統括部長は、エネループというブランドについて「三洋の中でもいろいろな商品があるが、プロダクトブランドの中で、これだけ強力に展開できたものはそれほどない。毎年、2ケタ伸張を遂げることができた」と語った。ニッケル水素電池の国内シェアは、GfK調べで約70%という。

 さらに、海外でも「国内以上のエネループの出荷ができている」と、62カ国に展開している実績を披露。そのうえで、今後については「これから生まれてくる子供たちが“充電池しか知らない世界”を目指し、『繰り返し使うライフスタイル』を広げていきたい」と展望を述べた。

モバイルエナジーカンパニー グローバルCRM事業部 市販事業統括部の白井浩明統括部長2005年のエネループの広告に出演した、鹿児島県・沖永良部島の小学生(上)も、5年を経て成長した(下)
会場ではエネループ関連製品が数多く展示された。写真は、犬型の電池チェッカー「エネルーピー」。一般募集したデザインコンテストに応募されたカラーリングとなっている過去に発売された、エネループの冬限定のパッケージ

エネループとエネルーピーの着ぐるみも登場バースデーケーキを前にポーズを決めるエネループ




(正藤 慶一)

2010年11月22日 19:59