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世界初、顔認識ができる家庭用スマートセキュリティカメラ

スマートホームカメラ「Welcome」

 仏netatmo社は、世界で初めて顔認識機能を搭載したスマートホームカメラ「Welcome(ウェルカム)」の日本発売を開始した。価格は29,800円(税込)。家電量販店やオンライン通販サイトなどで購入可能。

 顔認識機能を搭載した家庭用セキュリティカメラ。有線もしくは無線LANでスマートフォンと連携して使用する。玄関などに設置し、カメラが映した人物の顔と名前を結びつけ、誰が帰宅・在宅しているかをスマートフォンに通知する。専用アプリのインストールが必須で、対応OSは、Android 4.3以降、iOS 8以降。

 24時間連続的に静止画で撮影するセキュリティカメラ。人を検知すると動画撮影が始まり、子どもの帰宅や、要介護者のヘルパーが訪問した際など、スマートフォンのアプリから動画で確認できる。

「Welcome」本体
円筒状で軽く持てる
スマートフォンやタブレットにアプリを入れて使用する
世界で初めて動画での顔認識を可能にした
子どもが帰宅したときに通知
ヘルパーの訪問時などの使用も想定

動画での顔認識は世界初

netatmo 最高執行責任者 Matthew Broadway氏

 netatmo COO(最高執行責任者) Matthew Broadway氏は、動画での顔認識について次のように語った。

 「これまで、静止画での顔認識機能は開発されていたが面倒なものだった。例えば、空港でパスポートの写真と本人を確認するとき、カメラの前で数秒ほど立ちつくさなけらばいけない。しかし、Welcomeの顔認識アルゴリズムは、動いている人でもきちんと認識する。動画での顔認識はデータ量が膨大だが、社内で技術開発を重ね、製品化に至るまでの高精度な認識ができるようになった」

 顔認識機能では、まず本体の前を通った人をカメラが撮影。プロフィール未設定だとクエスチョンマークが表示され、プロフィールを作成したい該当者にチェックを入れる。Welcomeでは連続的に静止画が撮影されるので、本体の前にいる間は何度も撮影され、画像がアプリに送られる。

 対象者の画像すべてにチェックを入れ、名前をつけたらプロフィールが完成。プロフィール作成以降は、対象者を認識するようになり名前がアプリに表示される。撮影回数が増えれば増えるほど、顔認識の精度は向上していくという。なお、プロフィール設定人数に上限はない。

人を撮影。プロフィール未設定だとクエスチョンマークが現れる
プロフィールを設定したい対象者にチェック
名前を付ける
プロフィール作成後は、対象者を認識し名前がアプリに表示される
撮影回数が少ないと、再度撮影することを要求される
何度も撮影することで、顔認識の精度が向上

 カメラはフルHD1080p解像度を備え、130度の広角で撮影可能。広い玄関にも対応する。ナイトビジョンを搭載し、暗所でも認識できる。

 人の顔認識に注力して技術開発したため、ペットなど動物は認識できない。「今はできないがペットの認識は理論的に可能。これから開発していきたい」(Matthew氏)という。

 セキュリティにも配慮しており、撮影した画像は本体に差し込んだMicro SDカードのみに保存される。クラウドサーバーなどは利用していないため、月々の利用料もかからず本体のみを購入すれば使用し続けられる。スマートフォンから本体に保存された動画などにアクセスする際は、銀行レベルの暗号化により高度なセキュリティが保証されているという。

本体背面に、Micro SDカード、ACアダプター、有線LANの差込口を備える
クラウドサーバーを利用しないため、月額利用料などは掛からない

動画撮影、通知はON/OFF可。家族のプライバシーにも配慮

 プライバシー保護のため、動画の撮影や帰宅時の通知のON/OFFは1人ずつ設定を変えられる。思春期の子どもが帰宅時に動画を撮られたくないという場合は、撮影および通知をOFFに設定することで、本体は顔認識で対象者を判断して動画撮影を行なわない。

 不審者の侵入も通知でき、プロフィール設定がされていない人を本体が検知すると、リアルタイムでスマートフォンに通知が送信される。また、アプリではタイムライン表示もでき、帰宅した人を時系列で確認することも可能。

 本体サイズは、45×155mm(直径×高さ)。電源アダプター、USBケーブル、Ethernetケーブル、Micro SDカードが付属する。無線LANは、IEEE 802.11b/g/nに対応する。本体は一体型耐久性アルミニウム素材で、屋内専用としている。

プライバシー設定はそれぞれカスタマイズできる
思春期の子どもが動画を撮られたくないということも想定
プロフィール未設定の場合、必ずスマートフォンに通知がいく
アプリはタイムライン表示も可能

IoTデバイスは今後も増加。スマートホームは最初の応用分野に

 Matthew氏は、「スマートホームはIoT(Internet of Things)の最初の応用分野になる。その中でもスマートエネルギーとセキュリティ分野に注目が集まっている。スマートフォン所有者の増加や、Wi-FiやBluetoothの部品価格の低下などからも、IoT分野は完璧な状況になりつつある。これまでnetatmoは、気象情報を観測してスマートフォンに送信する『ウェザーステーション』や、紫外線状況がわかるウェアラブル機器『JUNE』などを発売してきた。今後もIoTに関わるデバイスは増えていくだろう」と述べた。

スマートフォン所有者は今後も増加する
IoTに関わる部品価格は低下している
スマートホームはIoTの最初の応用分野。エネルギーとセキュリティの2つに注目が集まる
今後もIoTデバイスは増加するという

西村 夢音