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スマホを取り出さず“まが玉”で指紋認証する「magatama」
(2015/10/27 16:33)
ディー・ディー・エスは、ウェアラブル指紋認証機器「magatama(マガタマ)」を開発したことを発表した。11月末に出荷を開始し、magatamaアプリやサーバーなどを統合したプラットフォームを、12月より順次公開する予定。
スマートフォンと連携し、IDやパスワード入力に代わる新たな本人認証の仕組みとして生まれたウェアラブル機器。勾玉の形をした本体で指紋認証し、その後本体をさまざまな端末にかざすことでオンライン決済やスマートキーの解除などができるようになる。
スマートフォンとマガタマはBluetoothで通信し、マガタマと外部端末はNFCで通信する。FeliCa端末などにかざすことでオンライン決済ができるほか、NFC搭載のスマートキーにかざせば入退室の管理ができる。使用前に必ず本体で指紋認証する必要があるため、紛失時に他人に使用される心配もない。
なお、実際にFeliCa端末などに対応して、オンライン決済ができるようになるのは2016年以降。今後ヘルスケアなどの機能も搭載し、利用シーンを拡大していくという。
スマートフォンとマガタマはBluetooth接続するため、カメラのシャッターリモコンとして使うこともできる。
指紋認証で***レスな社会を実現
ディー・ディー・エス 代表取締役社長 三吉野 健滋氏は、マガタマの利用シーンについて次のように語った。
「マガタマは、すべてのスマートフォンに生体認証機能を持たせられるウェアラブル機器です。指紋認証することでパスワードレス化し、いつでも簡単に本人確認ができます。“さわってかざす”だけで、キャッシュレス、キーレス、カードレスなど***レスな社会を実現します」
また、すでに指紋機能を持つスマートフォンにおいても、「スマートフォンをポケットから取り出してアプリを起動し、オンライン決済やスマートキーの解錠などをするのは手間が多く感じます。マガタマなら、それだけを取り出してかざすだけなのでより簡単に使えます」(三吉野氏)という。
生体認証システムは、サーバーに生体情報を持たない「FIDO(Fast identity online)」規格に準拠する。マガタマ本体で生体認証を行ない、マガタマとサーバー間は暗号鍵のみでやりとりするため、サーバー側に生体情報を持たせずに認証できる。
FIDOの普及を目指す団体「FIDO Alliance」があり、ドコモやIntel、マイクロソフト、Googleなどが加盟している。国内では、Xperia Z5やGalaxy S6、ARROWS NXなどのスマートフォンが、すでにFIDOに対応している。
デザインにおいては、指紋センサーを搭載するモジュール部分は統一されているが、ホルダーは取り換え可能。ホルダーは複数ラインナップしており、その日のファッションや気分に合わせて気軽に変えられるという。
マガタマ本体のサイズは、31×9mm(直径×高さ)で、重さは9.8g。指紋センサー、Bluetooth 4.0、NFC Type-A/B/F、2色のLEDを搭載。電源は、コイン型リチウム電池CR2032を使用。約1年間駆動できる。