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「プレミアム冷房」で安定した温度と湿度を保つ「うるさら7 R」

 ダイキン工業は、新冷房方式「プレミアム冷房」を採用したルームエアコン「うるさら7 Rシリーズ」を、11月7日に発売する。適用畳数6/8/10/12/14/18/20/23/26畳の9機種がラインナップされ、価格はオープンプライス。店頭予想価格は22~37万円前後(税抜)。

うるさら7 Rシリーズ
女性を中心に54.9%の人が、冷房中に適切な温度・湿度になりにくいという不満を持つ

 プレミアム冷房は、設定温度達成後の湿度上昇を抑え、安定した湿度を保つ業界初の「デシクル制御」と、運転ON/OFFの繰り返しによる温度変動を低減する「PIT制御」により、長時間の運転でも安定した温度と湿度を保つ冷房方式。

 同社のアンケート調査で、女性を中心とした54.9%の人が冷房は苦手と回答しており、冷房運転中に電源がON/OFFされて、寒くなったり暑くなるの繰り返しで、温度が安定しないという不満があった。

 デシクル制御は、従来機種のように熱交換器の全体を冷やすのではなく、一部だけを冷やして湿度を下げる冷媒流量制御技術。弱運転時でも、最大で従来の約5倍の除湿量を実現する。

 PIT制御は、0.5℃単位で温度を制御することで、冷房運転中の電源ON/OFFの繰り返しを減らす。冷房運転時間の約8割を占める、室温を維持する運転時でも快適な温度と湿度を保つ。

プレミアム冷房とデシクル制御の構造を示すカットモデル
デシクル制御では、一部だけを冷やして熱交換器の湿度を下げる
PIT制御を行なうインバーター制御基板
PIT制御により、電源ON/OFFによる室温の調整回数が、6時間で2回に減少する。従来機種は6時間で5回

 この、プレミアム冷房の採用により、設定温度に近づくにつれて冷房能力が弱まり、長時間運転していると徐々に湿度が上昇するという、従来の冷房運転での弱点を解消した。

運転モードなどを操作するリモコン。スタッフによると、プレミアム冷房は「快適エコ自動」「冷房」「除湿冷房」で動作するという
フタを開けたところ。風量や風向の調整や、フィルター掃除やパワフル運転などを操作するボタンを備える

 また、昨今の温暖化の影響などによる外気45℃での運転にも対応する「高外気タフネス冷房」を搭載。高温になっても冷房能力が落ちにくい従来の冷媒「R32(HFC32)」の特性を活かすため、6.3~8.0kWクラスの機種の室外機に「ブリッジレスコンバーター回路」を採用し、外気温度が高温での冷房能力や運転効率を向上する。

室外機
温暖化や風通しの悪さなどで、室外機の周辺温度は45℃に達するという
「エアコンの風が直接当たるのが不快」や、「エアコンの運転音が気になる」など、ユーザーのニーズに対応したおやすみ運転

 運転モードとして、新たに「おやすみ運転」を搭載した。おやすみ運転では、人に直接風が当たらないほか、風量を「しずか」にして運転音を20~25dBに抑え、室内機の表示ランプを暗くする。冷房中におやすみ運転を実行すると、プレミアム冷房で温度と湿度を管理する。温度や湿度は手元のリモコンで調整できる。

 そのほか、無給水加湿で加湿する「うるる加湿」、必要な量だけ無駄なく除湿する「さらら除湿」、夏も冬も温度のムラを少なくする「サーキュレーション気流」、カビや花粉などをフィルターで捕集する「ストリーマ空気清浄」を、従来機種より引き続き搭載する。

2015年度は快適な冷房運転を長時間コントロールできるエアコンを提案

ダイキン工業株式会社 空調営業本部 事業戦略室 住宅用事業担当課長の谷内邦治氏

 ダイキン工業株式会社 空調営業本部 事業戦略室 住宅用事業担当課長の谷内邦治氏は、家庭用ルームエアコンの国内における出荷台数について、「これまで750万台の規模で推移してきましたが、近年では800万台の需要を想定しています。その要因の1つとして、1世帯当たりの保有台数が2013年には1世帯当たり2.76台と、一家に1台から1人に1台と市場が変化していることが挙げられます。ここ数年の猛暑や、高齢者の室内での熱中症の危険性も重なり、もはやエアコンは、健康の一役を担う生活必需品といってもいいと考えております」と述べた。

 また、市場のストックは推定で1億台あるとし「買い換え需要がエアコン市場の柱になっていると考えています」と、買い換え需要を見込んでいることを明らかにした。

 夏の平均気温が20年前より約1℃、最高気温は約2℃も上昇しており、残暑も長期化していることから同社は、「夏の冷房需要に焦点を絞り、2015年向けのルームエアコンでは、長時間、快適な冷房コントロールを実現する“PURE”、猛暑でも省エネ運転とタフネスを実現する“TOUGHNESS”の2つをキーワードに、快適なエアコンを提案していきます」と述べた。

2014年は、2013年3月の駆け込み需要の反動や西日本の天候不順により、市場全体では需要減と想定。2015年度は10月に消費増税が行なわれる場合、年度内に2013年のような駆け込み需要があると想定している
夏の平均気温が20年間で約1℃上昇し、冷房を使用する期間が長期化していると分析する
2015年向けのルームエアコンでは、長時間、快適な冷房コントロールを実現する「PURE」、猛暑でも省エネ運転とタフネスを実現する「TOUGHNESS」の2つをキーワードに、快適なエアコンを提案する

中野 信二