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2020年には洋上風力発電と海洋温度差発電が急成長――富士経済予測

 富士経済は、太陽光や風力などを利用した新エネルギーシステムの市場予測を行なった。

 「洋上風力発電」の国内市場は、2012年現在で0.5億円だが、2016年に61億円、2020年に767億円に急成長すると見込んでいる。2012年に実証実験が始まった浮体式の洋上風力発電システムの普及が拡大するとみている。

 海面と深海との温度差を利用して発電する「海洋温度差発電」は、2012年現在は0だが、2016年に150億円、20年に1,800億円に拡大するとみている。研究の中心となっているNEDOが、2015年までに1MW、2020年までに10MWの商用プラントの運用開始を目標としていることが根拠となっている。

 「太陽熱発電」は、太陽光を集光して液体を加熱することで、タービンを回して発電を行なう。国内では、日射量などの環境的制約から、2020年までの市場の立ち上がりは困難と予測している。

 「電力スマートメーター」は、2012年に216億円、2016年に1,136億円、20年に1,629億円と予測している。各電力会社は、2014年以降に本格導入を予定しており、2018年頃までにほぼ導入が終了する。

 最後に、「自動車向けワイヤレス給電技術」は、2012年現在は0.2億円、2016年で40億円、20年でも500億円と予想している。この分野は、電磁誘導方式と磁界共鳴方式が有力とされているが、現在は実証実験レベルであり、2020年でも1万台程度の導入にとどまると見ている。

 公開されているデータは一部で、すべての調査結果は「2013 電力・エネルギーシステム新市場 創エネ関連システム編」と「同 エネルギー貯蔵・変換・利用システム編」にまとめられている。書籍版の価格は各101,850円、2冊セット価格は193,200円。PDF版も用意される。

伊達 浩二