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東京電力、朝や夜、土日の電気代が安くなる電気料金4メニュー【訂正版】
(2013/4/23 17:53)
東京電力は、朝や夜、土日の電気料金が安くなる4つの新しい電気料金メニューを、5月15日より開始する。現在、申し込みを受け付けている。
今回開始される電気料金メニューは、ユーザーのライフスタイルに合わせて選ぶことで、電気料金の削減が期待できるというもの。「(1)朝得プラン」「(2)夜得プラン」「(3)半日お得プラン」「(4)土日お得プラン」の4種類が用意され、各プランとも、主に朝・夜の料金単価が割安に、昼間が割高に設定されている。東京電力管内のすべての家庭が利用できる。
朝、夜、半日、土日の電気料金が割安に
(1)朝得プランは、深夜1時から朝9時までの電気料金を安く設定したメニュー。家事を早朝に済ませる家庭に向くという。東京電力が提示している基本プラン(従量電灯B・40A、以下同じ)と比べた試算によると、平日に在宅する2人家族(60代夫婦)の場合、年間で約6,000円の電気代削減になる。また、共働きの3人家族(40代夫婦+中学生)の場合、年間約4,700円削減される。
(2)夜得プランは、夜9時から翌朝5時までの料金が安いメニュー。夜の時間を自宅で過ごす人向けのプランとなる。基本プランと比較した電気代の削減額は、共働きの4人家族(40代夫婦+祖母+高校生)の場合で年間約7,300円、小型犬を飼う1人暮らし(30代会社員)の場合で約5,100円。
(3)半日お得プランは、夜9時から翌朝9時まで割安となるメニュー。朝晩に家事や趣味の時間を持ちたい場合にお勧めという。電気代の削減額は、3人家族(40代夫婦[専業主婦]+小学生)の場合、年間で約4,900円、6人家族(祖父母+夫婦+大学生と高校生の子供2人)の場合で約7,000円。
(4)土日お得プランは、朝/昼/夜に関係なく、土曜日と日曜日の電気使用料金が基本プランよりも割安となるメニュー。家事をまとめて週末に片付ける人向けのプランとなる。電気代の削減額は、1人暮らし(20代会社員)の場合、年間約2,200円、2人暮らし(30代夫婦)の場合で年間約3,600円。土日以外の祝日や盆・正月は平日扱いとなる。
昼間の在宅が多い家庭や、時間帯を気にせずに電気を使いたい場合、朝と夜の電気使用量と、昼間の電気使用量に差が少ない場合は、従来の従量電灯が向くという。
インターネット上で試算できる。測定器を設置して最適なメニュー選びも
東京電力ではまた、ユーザーに合った電気料金メニューを選ぶためのサポートも行なう。
まずは、毎月の電気使用量や電気料金を画面上に表示するウェブサービス「でんき家計簿」に、上記4プランに設定した場合の比較がシミュレートできる機能を追加。また、ユーザーのライフスタイルに合ったメニューを提案する診断機能も加わった。
また、電気料金メニューの相談専用の電話窓口「電気料金お問い合わせダイヤル」も開設。このほか、電気の使用量を自動で収集し、集計する測定器を約1週間自宅に設置し、最適な料金メニューを提案する「訪問コンサルタント」も実施する。
【お詫びと訂正】初出時、測定器を「スマートメーター」と表記しておりましたが、誤りでした。訂正してお詫びさせて頂きます。
「メニューの数が少ない」の意見を反映。ピークシフトプランの利用者は約7,000件
東京電力では、今回の新メニュー追加の理由について、2012年に実施した電気料金の値上げにて、ユーザーから受けた意見を反映しているという。
「電気料金の値上げに関して、お客様から声を7万件いただいた。そのうち『メニューの数が少ない』、『自分の生活スタイルに合ったメニューがない』など、メニューに関する話題が2万件にのぼった」(執行役員 カスタマーサービス・カンパニー 佐藤梨江子バイスプレジデント)
「東京電力では、これまで決められた規制の料金制度で安定供給することを重視していたが、正直なところ、お客様に寄り添っていなかった。お客様の電気の使い方を真摯に勉強させていただき、お客様にとって1番使いやすいプランの提供に取り組んでいきたい」(常務執行役 カスタマーサービス・カンパニー 山崎剛プレジデント)
このほか、将来の電力自由化や、省エネへの貢献も目的としているという。
「電力の全面自由化の競争に勝ち抜いていくため、お客様の暮らし方と真摯に向い合って、サービスの充実を推進する。また、電気の使用量の変動を少なくする“負荷平準化”による発電効率の向上で、省エネルギーの向上に貢献できる。発電効率が高まることで、短期的には減収になるかもしれないが、長い目で見れば、発電所の稼働状況が良くなるため、コストダウンに繋がり、トータルでメリットが出る」(佐藤氏)
なお、2012年に電気料金メニューに加わった「ピークシフトプラン」のユーザーは、一般家庭に多く導入されている「従量電灯B」の2,000万口に対し、現在のところ約7,000件に留まっているという。山崎氏はその理由について「安さ加減と手続きの面倒さ、我々のPR不足」と分析した。
今回の新しい4つのプランに関しては、前述のウェブサービスや測定器に加え、検針票とともにチラシを投函する、住宅系の会社に協力を要請するなどのPRも行なっていくという。