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白物家電の世界需要は、BRICs4カ国の成長で増加傾向――JEMA調査

2011年のエアコンの世界需要は、前年比で8%増。2005年から2011年までの平均伸長率は7.4%と高い水準を保っている。写真はダイキン工業の欧州向けエアコン「EMURA」

 JEMA(日本電機工業会)は、エアコン・冷蔵庫・洗濯機・掃除機・電子レンジの白物家電5品目に関する、2005年から2011年までの世界需要を調査。この結果、ブラジル・ロシア・インド・中国という「BRICs」4カ国の成長により、5品目すべてで需要が伸びる結果となった。

 このうち、もっとも需要が伸びたのがエアコン。2011年の需要は、前年の8%増となる7,722千万台で、2005年から2011年までの平均伸長率は7.4%と、高い水準を保っている。国別の構成比では、中国が45.1%と群を抜いており、以下、日本(10.7%)、アメリカ(8.4%)と続く。金融危機の影響を強く受けた西ヨーロッパでは減少しているという。

 このほかの分野でも堅調に伸びている。2011年の需要では、電子レンジが2010年比で5.1%増、洗濯機で同比5%増、掃除機が同比3%増、冷蔵庫は2.6%増で、2005年から2011年の平均伸長率はいずれも約2%前後となっている。

白物家電5品目の世界需要推移表
白物家電5品目の世界需要グラフ

 国別の需要台数で見ると、BRICs4カ国の増加が目立つ。BRICs4における2011年の前述5品目の構成比は、2005年比でいずれも増加しており、特にエアコンでは、41%から57%と、世界の過半数以上を占めるようになった。

 2011年の製品別の需要台数ランキングでも、エアコンと冷蔵庫はインドとブラジルが、電子レンジではブラジルとロシアが、いずれも2005年から順位を伸ばしている。また中国は、エアコン、冷蔵庫、洗濯機の3ジャンルで世界1位、電子レンジでも世界2位の需要となっている。

2005年~2011年の需要台数の平均伸長率(上)と、BRICsの需要台数の構成比推移(下)。日本や北米、欧州では伸長率は下がっているが、BRICsの数値が高くなっている
白物家電5品目における、国別の需要台数ランキング

正藤 慶一