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IHクッキングヒーターの汚れ防止マットによる発火事故に注意――国民生活センター

〜機器メーカーは使用しないよう取説に明記

IHクッキングヒーター用の汚れ防止マットを使用して、油が発火するようす(国民生活センターの実験より)

 国民生活センターは、現在発売されているIHクッキングヒーター用の汚れ防止マットについて、温度検知機能が損なわれて発火する恐れがあるため、調理中に絶対キッチンから離れないことをユーザーに呼びかけた。

 汚れ防止マットは、IHクッキングヒーターのトッププレートに敷いて使うことで、トッププレートの汚れや焦げ付きが防止できることを謳った製品。インターネット通販や、スーパー、ホームセンターなどの小売店で販売されている。

 しかし同センターによると、汚れマットを敷き、油の加熱中にその場を離れたところ油が発火、火災に至るという事故事例が、合計4件あったという。

 国民生活センターはこれを受け、現在発売中の汚れ防止マット9銘柄を使った油の加熱テストを実施。すると、材質にマイカ(雲母)を採用した3製品において、出力1,500W以上の高出力運転時に、油が発火することが確認された。テストでは加熱開始から4〜6分程度で発火。IHクッキングヒーターに標準的に導入されている温度検知機能が作動していない状態だったという。

テスト対象銘柄。全9製品で、全材質はシリコーン、ガラス繊維、マイカ(雲母)、結晶化ガラスの4種類
汚れ防止マットを用いた加熱テスト結果。温度はテストで計測された最高温度

 同センターでは、温度検知機能が作動しなかった理由について、加熱中の汚れ防止マットが、鍋の温度上昇につれて徐々に外周部または中央部が反り返ったことを指摘。マットが反ったことで鍋が持ち上がり、トッププレートの間に空間ができたことで、温度センサーが鍋の温度を正確に検知できず、発火したという。

マイカ製の汚れ防止マットが反る様子
中央部が持ち上がって反った場合の温度変化

 なお、材質にシリコーン、ガラス繊維、結晶化ガラスを採用したマットでは、発火は発生しなかった。また、鍋底の温度を200℃に保つ「揚げ物調理モード」での運転時は、全材質で発火は起こらなかった。ただし一部では、発火はしないものの通常よりも高温になるケースや、エラーが発生して加熱できなかったケースもあった。

 さらに、IHクッキングヒーターを製造する4社(東芝、日立、三菱、パナソニック)に対するアンケートでは、各社とも、汚れ防止マットの断熱効果で鍋の温度が正しく検知できないため、汚れ防止マットで調理することは「問題である」と回答した。いずれのメーカーも、取扱説明書に汚れ防止マットを使用しないよう明記しているという。

 同センターでは消費者に対して、汚れ防止マットを使用すると、IHクッキングヒーターの温度検知機能が損なわれる場合があることを認識すること、使用する場合は調理中は絶対にその場を離れないことを呼びかけている。また、汚れ防止マットの製造事業者に対しては、事故の発生防止に努めることを要望している。

IHクッキングヒーターは温度センサーで鍋底の温度を計測しているが、汚れ防止マットを使うことで、温度が検知できない場合もあるという

(正藤 慶一)