京セラ、太陽光発電にリチウムイオン蓄電池を組み合わせた新システム

~エネルギーを有効活用するEMSを採用。災害時の自立運転も
太陽光発電とリチウムイオン蓄電池を組み合わせた新システム

 京セラとニチコンは、太陽光発電とリチウムイオン蓄電池を組み合わせた新システムを、今夏に発売すると発表した。販売元は京セラコーポレーション。価格は未定。

 太陽光発電で国内シェア2位の京セラの太陽光発電システムに、EV(電気自動車)用の蓄電システムで国内トップシェアのニチコンの蓄電ユニットを搭載した新システム。「創エネ」と太陽光発電と「蓄エネ」の蓄電システムを連係し、家庭のエネルギーをより効率的に運用するシステムを投入することで、地球温暖化の防止に貢献する狙いがあるという。

  蓄電ユニットの電池には、鉛蓄電池の約5倍の耐久性を持つリチウムイオン電池を採用。電池容量は“大容量タイプ”を謳う7.1kWhとなる。リチウムイオン電池の製造元はサムスンSDI社。システムには、京セラが独自に開発した、家庭内のエネルギーを有効活用するためのEMS(エネルギーマネジメントシステム)が組み込まれている。

 また、ユーザーの生活パターンやニーズに合わせて、多様な制御モードを用意する。具体的には、家庭の電気使用量が昼に多い、あるいは夜に多いなどの生活パターンや、エネルギーコストの削減を優先するか、電力確保を優先するか、などのニーズに合わせて制御できるという。

 さらに災害時には、自立運転も可能。停電が長く続いた場合、晴天の昼間に太陽電池で発電した電力を蓄電池に充電し、夜間や雨天時でも電力利用が可能になるという。

発電量を元に、ソーラーカーならどれだけ走行できるか

 販売形態は、太陽光発電システムを新規に導入する場合と、既に設置している場合で異なる。新規導入の場合は、EMSに太陽光と蓄電池を組み合わせた新システムを販売する。既設の場合は、蓄電システムを販売し、EMSで制御する。より多く充電したい場合には、合計14.2kWhまでの蓄電システムの増設も受け付ける。

 京セラとニチコンでは、本製品を発売する背景として、東日本大震災以降、急速に高まる電力供給不安の解消に向けて、「創エネ」と「蓄エネ」を活用した、ピークカットやピークシフトによる電力需要の平準化や、電力の地産地消が求められていることを挙げている。






(正藤 慶一)

2012年1月16日 18:01