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IFA2016で見えた、パナソニックが考える未来の暮らし

 ドイツ・ベルリンで開催されているIFA2016に出展するパナソニックのブースでは、同社とセブンドリーマーズ、大和ハウス工業が開発を進める全自動洗濯物折畳み機「laundroid(ランドロイド)」のコンセプトモデルが展示された他、同社の最新技術を詰め込んだダイニングキッチンの展示など、「未来」に向けた展示をしていた。

IFA2016のパナソニックブースでは、ディスプレイなどを多用した未来の生活を展示していた

超薄型ディスプレイなど、“未来のくらし”を見せるダイニングキッチン

同社の技術を詰め込んだダイニングキッチンの展示

 パナソニックブースの目玉となっていたのが、同社の技術を詰め込んだダイニングキッチンの展示だ。戸棚に取り付けられた透明な扉が実はテレビだったり、ワインセラーの扉に様々な情報を表示したり、調理中の様子を表示するディスプレイが設けられていたりと、「未来」の暮らしを提案する。

 キッチンに設けられているワインセラーでは、庫内の温湿度状態や、収納されている酒の種類、さらにはその酒に合うレシピの情報なども展示できる。表示されたレシピを選択すると、IHクッキングヒーターや、オーブンなどにその情報が行き、調理スタンバイ状態になる。

戸棚に取り付けられた透明な扉
スイッチを入れると、テレビとして使えるディスプレイになる
横から見たところ。かなり薄型ですっきりしている
キッチンに設けられたワインセラー
スイッチを入れると中の様子が一目でわかるようになる
中に入っている酒の情報などが表示される

 クッキングヒーター横のディスプレイでは、料理の手順などを確認できる。シェフが出てきて、実際に調理する様子を見ながら料理できるため、とてもわかりやすい。また、IHクッキングヒーター上部には、カメラが内蔵されており、実際に調理している状態をディスプレイに表示、焼き加減などを比較しながらの調理が可能となっている。

 IHクッキングヒーターは鍋を自動で検知し、場所を選ばずに使える「フレキシブル」タイプを採用する。

キッチンスペース
テーブル横にもディスプレイが用意されており、料理の手順などを詳しく教えてくれる
IHクッキングヒーターの上部にはカメラが内蔵されている
ディスプレイで、リアルタイムの鍋の中身を確認できる
IHクッキングヒーターは鍋を自動で感知して、反応する
IHクッキングヒーターを設置した範囲内であれば、場所を選ばずに使える

“夢の”全自動洗濯物折畳み機「laundroid(ランドロイド)」

 セブンドリーマーズとパナソニック、大和ハウス工業が開発を進める、世界初の全自動洗濯物折畳み機「laundroid(ランドロイド)」のコンセプトモデルも展示されていた。同製品は、洗濯・乾燥が終わった衣類を入れると庫内で、衣類の種類を判別、種類に応じて最適なたたみ方をするというもの。

 一度に最大40枚ほどの衣類を畳むことができ、その場合、畳むまでに3~6時間かかる。早い段階での製品化に向けて、現在鋭意開発中だという。

セブンドリーマーズとパナソニック、大和ハウス工業が開発を進める、世界初の全自動洗濯物折畳み機「laundroid(ランドロイド)」
会場にはコンセプトモデルが展示されていた
庫内で、衣類の種類を判別、種類に応じて最適なたたみ方をする

ベルリンのスマートシティプログラムにも参画するパナソニックの“スマート”技術

 事前の記者会見で発表した、スマートシティ構想「Future Living Berlin」への参加に伴った展示も行なわれていた。同プロジェクトは、ドイツで初めてのスマートシティとなり、パナソニックは、国内の「Fujisawa SST(藤沢SST)」などで得たノウハウを活かして、参加する。

参画を発表したドイツ初のスマートシティ構想「Future Living Berlin」

 「Future Living Berlin」では、ベルリン南東部の郊外、アドラースホーフに、69世帯が入居できる集合タイプのスマートホームを作る。2018年末までの街開きを予定している。

 一方、既にローンチしているスマートホームの展示も行なっていた。同社では、スマートフォンのアプリを通して、自宅の機器をコントロールできるほか、様々な機器と連携したセキュリティーシステムを確立。防犯カメラやセンサーライトのほか、窓ガラスが壊された時に反応するセンサーなど、多彩なラインナップを備える。また、同システムは保険会社と連携しており、緊急時、自動的に保険会社に通報がいくようになっている。

既に導入もスタートしているスマートホームシステム
防犯カメラをはじめ、様々な機器と連携する
各機器はスマートフォンと連携しているほか、緊急時には連携している保険会社に直接通報がいく仕組み

パナソニックの歴代洗濯機を展示

ドラム式洗濯機乾燥機の展示スペース。日本を意識した展示となっていた

 今回の展示の中でユニークだったのが、同社の歴代の洗濯機をミニチュアにしたスペースだ。日本では、パナソニックの洗濯機と言えば誰でもわかるが、ドイツを初めとした欧州市場ではまだ認知度が低い。そこで、今回の展示は“パナソニックの洗濯機は歴史が古く、日本ではよく知られたメーカーである”ということをアピールするために提案されたという。

 ミニチュアの洗濯機の前にはボタンがあり、そのボタンを押すと、当時使われていたポスターなどが表示される仕組みになっている。

欧州ではまだまだ知名度が低いので、歴史あるメーカーだということをアピールするために、行なわれた展示。1951年に初めて作られた洗濯機のミニチュアモデルが展示されている
各モデルの前にはボタンが用意されている
スイッチを押すと、当時のコマーシャル映像やポスター画像が表示される