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フィリップス、医師との共有が可能なクラウドベースのヘルスケアプログラム
2016年9月2日 14:00
ドイツ・ベルリンで開催されているIFA2016に出展するフィリップスは、現地時間9月1日に記者会見をし、ヘルスケアにより注力していくことを発表した。
フィリップスのパーソナルヘルスビジネスのCEOで、チーフマーケティングオフィサーのPieter Nota氏は、「変化の早い世の中、ヘルスケアにより注力していく必要がある。我々が25,000人を対象に行なった調査によると、一般の人の74%が健康に気を使っていると回答しているのに対し、医師の75%は患者にもっと健康に気をつけるべきだと答えており、認識に差があることがわかった。我々は、クラウドベースのヘルスケアソリューションを提供することで、この認識の差を埋めらると考える」と話し、様々な製品を紹介した。
フィリップスではWi-FiやBluetoothと接続して使う、様々な製品を展開。3つのセンサーを搭載し、リアルタイムでブラッシングの状態を確認できる電動歯ブラシや、血圧や体温、心拍などの数値を管理できるプログラムでは、ユーザーが自宅で手軽に使いながらも、計測したデータを医師とシェアできる点が特徴。「医師からのフィードバックを得て使うことで、予防につながる」という。
一方、同社では医療機器も扱う。会見では、睡眠時無呼吸症候群の治療機器「ドリームファミリー」も紹介された。気管に空気を送り込むことで、睡眠時の無呼吸状態を改善する。睡眠時に取り付けて使うが、従来は大きくて、装着しづらく、続けて使い続けられる人が少なかったという。
フィリップスでは、口に装着するマスクなどの形状を改善し、より快適な製品を提案。使用時のデータはアプリで管理でき、医師と簡単に共有することができるため、モチベーション維持にもつながるとしている。
Pieter Nota氏は「医学的な製品をコンシューマーレベルに落とし込んでいく」と話す。
センサーでさらに活用シーンが広がるスマートLED照明「Hue」
会見では、フィリップスライティングのCEOを務めるChris Worp氏も登壇し、同社が2012年から展開する「Hue」の新製品について紹介した。「Hue」は、スマートフォンで操作可能なスマートLED照明で、1,600万色以上のカラーを再現できるほか、アプリを使って様々な使い方ができる点が特徴。
新製品のモーションセンサーでは、人の動きを検知して、ライトのON・OFFが自動で行なわれる。事前に設定しておくことで、夜中のトイレの時は、目が覚めにくいぼんやりとした灯り、起床時は目が覚めるようなエネルギッシュな灯りにするなど、ライフスタイルに合わせた使い方ができる。そのほか、屋外の明るさに合わせてライトをコントロールしたり、音声操作など、様々なシーンに対応する。
さらに、「Hue」では、テレビの音楽番組に合わせて、室内の照明をコントロールするなど、様々な使い方が可能。Chris Worp氏は、「Hueのセンサー技術や、色彩再現技術は、スマートホームのパートナーになりうる」と話した。