家電製品長期レビュー
東芝「鮮度名人 GR-A56R」 その2
■搬入が心配……
2階にキッチンがある我が家では搬入経路にコの字型の階段がある。大型の冷蔵庫だと、さすがに持って上がることはできない |
前回、購入を決定した東芝の大型冷蔵庫「鮮度名人 GR-A56R」。買うと決めたまでは良いものの、どこで買って、どうやって搬入するかが悩みどころ。
というのも、我が家は木造3階建ての住宅となっており、冷蔵庫を設置するキッチンとリビングが2階となっている。以前、テレビを購入したときは、薄型の液晶だけあって階段で楽々搬入できたものの、さすがに冷蔵庫、それも幅が740mmもあると、「コの字型」で狭い我が家の階段を人が持って上るのは不可能となる。
こんなときは、店頭で搬入経路や設置場所のサイズなどを相談しながら購入するのがベストだが、今回はあえて事前に相談できないネットショッピングで購入してみた。
もちろん、実際の商品はあらかじめ店頭でチェック済み。最終設置場所のサイズ(幅、奥行き、高さ)は事前に確認済みだったので、問題は搬入のみとなっていた。
価格をいろいろ見比べてみた結果、とある家電量販店のサイトでそこそこ安い値段を発見。その場ですぐに購入することにした。
ところが画面を進めていっても、どこにも搬入方法の選択がない。商品をカートに入れて、クレジットカードで決済するだけと、普通の商品と同様に購入が完了してしまった。
「このまま普通に届けられても、搬入できないんだけど……」と思っていたところ、その日のうちに購入先から電話があった。そこで、納期とリサイクル(引き取り)の有無を聞かれたので、同時に2階への搬入と、おそらく階段では持ち運べないことを相談。すると、あっさりクレーン車を手配してくれることとなった。
ただ、残念なことに、クレーン車代として25,200円が別途かかるとのこと。事前にある程度予想はしていたことなので、そのままお願いすることにしたが、もし同じようにクレーン車での搬入が必要な場合は、この値段も含めて店頭で価格交渉すると良さそうだ。
ちなみに、冷蔵庫本体の代金はクレジットカード決済だったが、クレーン車代と古い冷蔵庫のリサイクル代、合計30,555円(我が家の場合)は搬入日に現金払いとなったことも付け加えておく。
このあたりのシステムは、おそらく購入店によって違いがあるので、どうやって搬入するかだけでなく、いくら必要で、いつ支払うのかも事前にチェックしておきたいポイントだ。
・設置場所だけでなく搬入経路もチェック |
・ネットショッピングの場合は電話で搬入方法を相談 |
・クレーン車代金はおおむね25,000円前後 |
・当日支払いの場合もあるので現金を忘れずに |
■30分とかからず搬入完了
待ちに待った搬入当日。
3日ほど前から、冷凍食品を中心にストックされていた食品を積極的に食べたものの、まだまだ古い冷蔵庫に残っていた食材を流しに移動。どうしても残ってしまった冷凍食品などは前日に凍らせておいた保冷剤の上に保管して、搬入の時間だけ何とかしのぐことにした。しかし、古くて小さい冷蔵庫とはいえ、意外なほどに食品が詰まっていたものだと感心してしまった。
搬入時間に合わせて旧冷蔵庫の中身を流しに避難。冷凍物は保冷剤で何とか持ちこたえた | 大量のドリンク類。小さい冷蔵庫だったのに意外に食材が詰まっていた |
前日に電話で連絡があった時間に待機していると、クレーン車の荷台に積まれた冷蔵庫が到着。とりあえず、設置場所に担当者を案内し、搬入経路を相談した。
といっても、我が家の場合、道路に面しているのはリビングからベランダへと続くガラス戸だけなので、搬入経路は即座に決定。ベランダに面する道路にクレーン車がセッティングされ、同時に屋内の設置場所や経路が養生(保護)され、即座に搬入が開始された。
搬入が開始されると、そこはさすがプロ。4名の作業員の方がそれぞれ準備を済ませたかと思ったら、あっという間に古い冷蔵庫が撤去され、新しい冷蔵庫がベランダの窓から入ってきた。
まずは古い冷蔵庫を撤去。中身を出しておいたおかげで、すぐに運び出すことができた | 窓から新しい冷蔵庫を搬入。ギリギリかなと思ったが、意外にスムーズに搬入できた | 玄関からの搬入は不可能だったため、クレーンでの搬入となった。30分ほど家の前の道路を占有することになった |
新型冷蔵庫の登場。やっぱり大きい |
梱包されている箱の解体とテープはがしに若干手間取ったものの、実質の作業時間はおおむね30分ほど。家の前の道路を完全にふさぐ格好での作業となったが、短時間なのでご近所に迷惑をかけることなく、無事に冷蔵庫がキッチンに収まった。
ちなみに、冷蔵庫の搬入の際には、最終的な設置場所での微調整も、業者の方がいる間にやってもらうのが鉄則。たとえば、後からドアを開けて、壁にちょっと当たるなどいうことに気がついたとしても、とても素人が動かせるものではない。
左右や奥の隙間、ドアを開け閉めしたときの干渉の有無など、かならず搬入直後にチェックして、少しでも気になるようなら業者の方にお願いすべきだ。
搬入の様子。微調整もきちんとお願いしておくこと。後から動かすことは事実上不可能 | 新旧の冷蔵庫を比較してみよう。まずは旧型。右側にスペースがあったので棚があった | こちらが新型。幅が740mmもあるため棚を撤去して設置した |
ちなみに、今回、搬入してくれた業者は普段はピアノの搬入をしているそうで、我が家の片隅で、ホコリをかぶっていたマッサージチェアを目にして、いらなくなったらまた呼んでくださいと一言残して帰っていった。
・搬入日の数日前からなるべく冷凍食品を消費 |
・搬入はプロにおまかせ邪魔にならないところで待機 |
・最終チェックは業者の方がいる間に。微調整もお願いしよう |
・大物の廃棄予定があるなら名刺をもらっておくと便利 |
■とまどうレイアウトの違い
搬入後、電源を入れようかと思ったところ、そういえば昔はすぐに電源を入れてはいけないと言われたことを思い出した。
取扱説明書を読んでみると、「電源プラグは据えつけ直後、コンセントに差し込むことができます」との表記があったので、すぐに電源をオン。しばらくして冷えはじめたことを確認し、古い冷蔵庫から取り出しておいた食材を収納することにした。
しかしながら、どこに何を入れるべきなのかが悩ましい。
新型冷蔵庫の中身。野菜室がなく、食材はまとめて冷蔵室に入れるというレイアウト |
今回購入した東芝の「鮮度名人 GR-A56R」。この冷蔵庫の特徴は、一般的な冷蔵庫にある野菜室がなく、高い湿度を保てる工夫のおかげで、上部の冷蔵室に野菜を含めた食材を一緒に収納できるようになっている点にある。
店頭のデモや同社のホームページでの紹介でも、キュウリがドアポケットに収納されていたり、野菜やラップなしのサラダボウルが冷蔵室に普通に収納されている写真が見られるはずだ。
とはいえ、いざ自宅の冷蔵庫でこの収納をやろうとすると、どうにも違和感がある。野菜をドアポケットに入れてみたものの、今までの習慣とは違い過ぎて、どうもしっくりと来ない。
ドアポケットに野菜を立ててみたものの、慣れないからか今1つしっくり来ない |
キュウリをポケットにたててはみたものの、しばらくするとドアポケットに入れたことを忘れて、「あれ、キュウリがない……」なんてことになってしまった。
これは、もう、慣れと好みの問題だ。さすがに10年以上も使ってきた冷蔵庫とは、レイアウトががらりと変わるのだから、思い切って冷蔵庫に使い方を合わせるか、従来の使い方を新しい冷蔵庫でも貫き通すかを決めなければならない。
「コッチだろ」、「いや、コッチの方が……」としばらく家族ですったもんだしていたが、最終的に日常的に使うのは妻なので、自由に入れてもらうことにした。すると、野菜はやはり冷蔵室中央の「抗菌野菜ケース」にすべて収納することになったようで、ドアポケットには今まで通り、ドリンクやドレッシングなどが配置されていた。
もともと、野菜室が冷蔵室と一体化されただけでも、十分、革新的なのだが、さすがにドアポケットの使い方まで劇的に変えることはできなかったようだ。
結局ドアポケットにはいつも通りドリンクやドレッシング、調味料などを配置 | 野菜は抗菌野菜ケースに入れておくことにした |
一方、冷凍室はというと、これは実に広大。事前に冷凍食品をあらかた食べ尽くしておいたこともあるが、いままでパンパンに詰まっていた冷凍室の食材が、余裕で収まり、逆にスペースが空いてしまった。
同社のホームページによると、買い物かご換算で何と6個分もの冷凍食品が収まるとのことで、お弁当用の冷凍食品やお取り寄せの冷凍パック、さらには我が家の夏場に欠かせないアイス類も箱ごとすっぽりと納めることができた。
3段構造で大容量の冷凍室。ドアを引き出しても、一番上だけは自動的には開かない。解けやすいものなどを入れておくのに便利 |
この冷凍室は3段構造になっていて、普段の使い勝手も良いのだが、このあたりはまた追って紹介することにしよう。
というわけで、何とか搬入も終わり、レイアウトに戸惑いつつも食材を納めることができた。次回は、冷蔵室の機能を中心に「鮮度名人」たるゆえんについて迫っていくことにしよう。
2009年6月8日 00:00
「家電製品長期レビュー」は1つの製品についてじっくりと使用し、1カ月にわたってお届けする記事です。(編集部)