やじうまミニレビュー
バンプレスト「バスボムメーカー」

~世界に1つの“オリジナルバスボム”が作れるマシン
by 今西 絢美

バンプレストのバスボムメーカー。アイスクリームメーカーのような取扱説明書がおもしろい
 帰宅後の楽しみの1つがお風呂。湯船にゆっくり浸かり、音楽を聴きながら一日の疲れを解きほぐすのが至福の瞬間だ。

 そんなお風呂タイムに欠かせないのが“バスボム”。男性読者のなかにはバスボムを知らない人もいるかもしれないが、重曹にクエン酸を混ぜた、女性に人気の入浴剤のこと。シュワシュワと泡を出しながら溶けるので見た目に楽しく、炭酸ガスのおかげで温浴効果もある。コスメショップでは、300~1,200円程度で購入できる。

 そんなバスボムが、家庭で簡単に作れてしまうグッズがこの冬登場した。バンプレストの「バスボムメーカー」だ。


メーカーバンプレスト
製品名バスボムメーカー
希望小売価格4,179円
購入店舗楽天市場
購入価格同額


バスボムの材料となる重曹とクエン酸を別途購入
 バスボムメーカーは、本体内に入れた重曹とクエン酸を混ぜ、プレスすればできあがり、というのが基本的な仕組みになっている。

 こう書くと簡単に見えるが、実際にはできあがりまでの道のりは険しい。私も何度か失敗してしまった。ただし、乗り越えた先には自分だけのオリジナルバスボムができあがるという達成感も味わえる。長くなるが、以下に作り方のコツを含めた手順を紹介しよう。

 【お詫びと訂正】初出時、重曹とクエン酸が同梱されるとの記述がありましたが、これは初回生産分のみの特典となります。訂正してお詫びいたします。



― バスボムができるまで

【1】 用意する材料は重曹150g、クエン酸50g、水3.6cc。重曹とクエン酸は、固まりがないようあらかじめ潰しておく。また、水3.6ccは「噴射器」というパーツに入れておく。本体内に重曹、クエン酸を順番で入れ、噴射器で本体にフタをする。
※噴霧器の中に空気を入れないこと。空気が入ると水の分量が変わり、バスボムがうまくできない

【2】 ハンドルを右に10回、左に10回、各15秒ずつを回す。本体内にはプロペラがあり、これがハンドルと連動して、バスボムの素をかき混ぜる。

【1】材料を本体内に投入【2】ハンドルを回し、本体内のプロペラで材料を混ぜる

【3】 このあと、片手でハンドルを回しながら、ゆっくりと噴射器に付いているピストンを押し、水を本体内に入れる。そして、ハンドルを右回転、左回転で各20秒間回す。
※右回転で約半分、左回転で残りの半分の水を入れると作りやすい

【4】 一旦ハンドルから手を離し、付属のスプーンでプロペラ部に付着した材料を軽く落とす。
※この作業はなるべく手早く。バスボムの素が固まってしまう恐れがある。

【3】本体頂部の噴射器のピストンを押し、水を本体内に投入する【4】付属のスプーンで、プロペラに付着した材料を落とす。なるべく早めに!

【5】 材料を落としたら、もう一度噴射器をセットし、ハンドルを右に20秒回転、左に20秒回転を4セットを繰り返す。ここが全工程のなかでも一番重要。説明書には「1秒間に2回転が目安」と書かれており、結構なスピードで回すことになる。4セット回し終えてダマが多いようであれば、もう1セット追加する。

【5】材料を混ぜている際の動画。最初の1分くらいは、水を入れたためタンク内に材料がこびりついているが(動画前半)、だんだんとサラサラになってくる(動画後半)

【6】 ダマがなくなれば、バスボムの素材作りは完了。今度はバスボムを固める作業に移行する。タンク下に受け型をセットし、背面のスライドバーを手間に引いてハンドルを回し、受け型にバスボムの素を落とす。

【7】 受け型をプレス用の場所にスライドさせ、プレスバーを下ろして10秒間固定。手を放したあとも、そのまま30秒間はプレスバーを下ろした状態で置いておく。その後、ゆっくり引き上げると、もう完成は目の前。そのままの状態で乾燥させて、10分ほどでプレスバーを引き上げて、きれいな円球になっていれば、ようやくオリジナルバスボムの完成だ。

【6】本体の下に受け型をセットし、スライトバーを手前に引いて、バスボムの素を下に落とす。茶花を使う場合は、写真のようにセットする【7】受け型をプレス装置の下にスライドさせ、プレスバーを下ろすきれいな円球になっていれば、バスボムの完成だ!



 読んでいるだけでも大変だが、やっている本人はもっと大変(涙)。何しろ、ハンドルをグルグル回す工程がほとんどを占めており、フツーに肉体労働だ。1個を作るのに、かなりのエネルギーを消費してしまう。

 しかも、水を多く入れすぎると、バスボムが丸くならずに変形してしまう。私も2度ほど失敗したのだが、水が多いと完成する前から発泡して膨らんでしまう。一度水を多く入れた重曹とクエン酸の発泡は止められない。少ない水を素早く全体に混ぜ込むことが重要だ。

 道のりは険しかったが、完成したバスボムには満足。今回は茶花をプレスしたバスボム「オリエンタルビューティー」を自作したが、これは店頭でも売られていない、バスボムメーカーオリジナルのもの。我ながらなかなかのデキではないか、と誇らしかった。

 湯船にバスボムを放り込むと、かなりの早さで泡が広がり、あとには茶花が残った。ジャスミンの香りがほんのり浴室に漂っており、リラックス度満点のバスタイムが満喫できた。作業の疲れも吹き飛んだような気もした。

自作したバスボムを湯船に投入。「ボコボコボコ……」と威勢のいい泡を出しながら溶けていく。普通の入浴剤が発泡するのとは勢いが違うのはバスボムならではジャスミンの香りが漂う、リラックスしたバスタイムが満喫できた

レシピブックにはさまざまなバスボムの作り方が書かれている。難易度も☆マークで表示されているので、最初は簡単なものからチャレンジしよう
 コツさえ掴めば簡単に作れるのも、バスボムメーカーのおもしろいところ。次は、説明書のレシピに出ている「プリンセスローズキス」というバスボムと、お気に入りのバスソルト(塩を使った入浴剤。体を芯から温めたり、発汗を促す効果もあるとされる)を混ぜたオリジナルバスボムも作ってみた。

 「プリンセスローズキス」は、ローズの香りが楽しめるピンク色のバスボムだ。レシピによれば、重曹・クエン酸という基本材料に、食用色素の赤、ローズのつぼみ、ローズのエッセンシャルオイルを混ぜるという。今回はつぼみがなかったため、ハーブティで代用した。

 作業工程はほぼ同じで、水を入れる前の段階で食用色素を加え、受け型に置いたハーブティーをプレス。エッセンシャルオイルは型から取り出したあとにふりかける。これで「プリンセスローズキス」の完成だ。見た目もかわいらしく、バラの香りも◎。市販のバスボムに負けておらず、我ながら大満足の仕上がりだ。

 バスソルトのバスボムも、問題なくできた。全体の粉の分量を考慮して少なめに入れたが、それでもバスボムには十分にバスソルトの色が付き、香りもしっかり漂っていた。

難易度は☆1つの「プリンセスローズキス」に挑戦。外国のお菓子のような鮮やかな色合いが特徴完成したプリンセスローズキス。少し水が足りなかったのか粉っぽく、部分的にこぼれ落ちてしまったのは残念
続いては、癒し効果抜群のラベンダーのバスソルトでバスボム作りに挑戦ラベンダーのバスボムは完璧な仕上がりに! 手持ちの入浴剤にアレンジを加えられるのもバスボムメーカーの魅力のひとつ

 注意しておきたいのが、使用後の手入れ。できるだけ早くにしてしまったほうがいい。というのも、時間がたつと粉が固まってしまい、落としにくくなるのだ。連続してバスボムを作る場合は、材料が触れたプロペラ部分やタンク、プレスバー、受け型をキレイに拭いてから、次のバスボムを作りに取りかかろう。材料が残っていると、これもまた失敗の原因となってしまう。

 バスボムを作り上げるまでに手間がかかるのはたしかに難点。しかし、好みの香りや入浴剤などを調合して、自分だけのオリジナルのバスボムができるというのは、他の製品では味わえない醍醐味だ。子供の居る家庭なら作って一緒にお風呂に入るという、一連の作業で楽しめるだろう。ラッピングしてプレゼントとして贈るという使い方もできる。

 お菓子作りと同じでコツを掴むまでが難しいが、一度作り始めると何個も作ってみたくなる楽しさを秘めたアイテムだ。



2010年1月26日 00:00