やじうまミニレビュー

セイコー「マドローム QM744B」

~“まどろみ時間”が楽しめる目覚まし時計
by 阿部 夏子


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


SEIKO「マドローム QM744B」

朝のまどろみ時間を楽しむ目覚まし時計

 超がつくほどの低血圧なので、いつも本来の起床時間の30分前には起きるようにしている。起きるといってもベッドの上でストレッチをしたり、ぼんやりとテレビを見ているだけなのだが、朝の忙しさから離れてぼんやりできるこの時間は私の大事な時間だ。

 今回紹介するのは、このぼんやり時間を積極的に楽しんでしまおうというユニークなコンセプトの目覚まし時計、SEIKOの「マドローム QM744B」だ。マドロームという製品名通り、まどろむ時間を楽しもうという製品なのだ。



メーカーSEIKO(セイコークロック)
製品名マドローム QM744B
希望小売価格7,350円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格4,672円


 普通の目覚まし時計と一番大きく違うのは、起床時間とは別に「まどろみ」時間が設けられているという点。まどろみ時間は20分と10分の2つが用意されており、たとえば朝7時に起きなければならないときに、20分のまどろみ時間を設定していると、6時40分からユーザーを起こして、まどろみ時間を過ごそうというものだ。

 結局起こされるのならば、普通の目覚まし時計と一緒ではないかと思うが、マドロームではその音に工夫が凝らされている。まどろみ音として、普通のアラーム音とは別に「波の音」「民族音楽(カリンバ)」「鳥の鳴き声」が3種類が用意されている。まどろみ音は目覚まし用の音ではないので、自然に近い音で音量もアラーム音よりは抑えられている。

製品パッケージ本体には3つのまどろみ音が用意されている製品本体
本体側面。文字盤が見やすいように角度が設けられている本体上面。スピーカーが設けられている

 なお、アラーム設定時間に鳴る目覚まし音には、まどろみ音よりももう少し賑やかなガムラン調の民族音楽が用意されている。

 本体のデザインはアジアンリゾートをイメージしたというもので、木枠で文字盤にはヤシの葉が描かれている。まどろみ音やめざまし音も、アジアのビーチリゾートで聞くような音がチョイスされている。

 操作は、本体裏面で行なう。つまみで時間やアラーム時間を設定するところなどは一般的な目覚まし時計と同じだ。アラームのスイッチも裏面に用意されている。また本体上部には、文字盤を照らすライトスイッチとスヌーズボタンが一緒になったボタンが用意されている。

 普通の目覚まし時計と違うのは、本体上部にまどろみ時間を設定するスイッチが付いているところ。スイッチの目盛りは、0分、10分、20分となっている。

本体上部には、まどろみ時間を設定するスイッチが設けられている電源は単三電池3本。電池寿命は約1年

寝起きの頭に波の音が心地良い

 使ってみての感想を一言で表わすと、「これ、イイ!」。

 まずは、気に入ったところから。まどろみ音は波の音から始まる。「ザザー」という涼しげな音は、汗ばむこの季節にちょうど良く、起こされる時の不快感が全くない。意識のはっきりしない頭の中で「あ、波の音が鳴りだしたな」とわかり、その後はしばらくその波の音を楽しみたくなるのだ。

 まどろみ音の流れる順番や、時間については本体であらかじめ設定されている。20分を選んだ場合だと、波の音→民族楽器→鳥の鳴き声で、最後にアラーム音として、音量の大きいガムラン調の民族音楽が流れる。


まどろみ音の「波の音」「民族音楽(カリンバ)」「鳥の鳴き声」と、アラーム音の「ガムラン調の民族音楽」を流しているところ

 初めて使った時は、20分って長いな――と感じたが、しばらく使っていくうちにこの時間を積極的に楽しもうという気持ちになった。

 最初は、音が鳴るとすぐに意識がはっきりしていたが、慣れてくると、音があまり気にならなくなった。そのまましばらくまどろむのも良し、目が覚めたならベッドの上でストレッチなどをして身体を目覚めさせるのも良し。波の音や、鳥の声など自然由来のまどろみ音は、癒し効果のあるヒーリングミュージックのようで、気持ちよく目覚めることができる。

 しかし、合わない人もいるだろう。例えば、ぎりぎりまで寝ていたいという人、どんな音楽であれ、眠りを邪魔されるのは嫌という人、寝起きが悪くて、波の音くらいじゃ起きられないという人――などなど。そういう人たちは、そもそもこの製品を買わないとは思うが、朝の時間を積極的に楽しもう、活用しようという気持ちがないと、この製品は合わない。

 また、そもそもまどろみ音を心地良いと感じないと、この製品のコンセプトは成立しない。上の動画では、まどろみ音を再生しているので、購入する前には是非ご確認いただきたい。

アジアンリゾートをイメージしたという本体は、インテリアにもなじみやすい

 目覚まし時計の本来の目的は起こすことだ。確実にユーザーを目覚めさせるために、音は大きく派手なものというのが、これまでの当たり前だった。しかし、眠りが浅い私には、大音量で「ジリリリリリ」と鳴らす目覚まし時計は必要ない。警告しているかのようなあの音が苦手で、外泊先などでたまにあの音で起こされる時など、びっくりして心臓が縮む思いがする。マドロームのような製品が生まれたということは、私のような人は意外と多いのかもしれない。

 いつもとは違う朝の時間が過ごせる一台として、休日用や別荘用として用意したり、慌ただしい生活を送っている人へのプレゼントとしても、喜ばれそうだ。



2010年 8月 6日   00:00