家電製品ミニレビュー
ペットボトルがそのまま加湿器になる「ボトル加湿器」
by 伊達 浩二(2013/12/10 07:00)
新型のペットボトル加湿器
今日は、ペットボトルをそのまま加湿器として利用できる、ペットボトルキャップ型の加湿器を紹介する。トップランドの「bottle CUBE(ボトルキューブ)」という製品だ。
以前から「ペットボトル加湿器」という製品があるが、これはペットボトルを加湿器の水タンクとして使っているだけで、加湿器本体はそれなりの大きさのものが別にある。
ボトルキューブは、本体がペットボトルのキャップになるので、とても小さい。どこにでもあるペットボトルにセットすると、そのまま加湿器になる。
家電製品というよりはアイデアグッズに近い製品のようにみえるが、アイデアが面白いので、どれぐらい実用性があるのか試してみた。本体色は、ホワイト、ピンク、ブルーの3色あるが、今回はホワイトにしている。
メーカー名 | トップランド |
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製品名 | bottle CUBE(ボトルキューブ) |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入先 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 1,180円 |
電源はUSB、加湿は超音波式
ボトルキューブは、キャップ型の本体と、給水スティック5本がセットになっている。給水スティックというのは、ペットボトルから水を吸い上げるための細い棒で、不織布のような繊維でできている。これが水を吸い上げて、本体内の超音波振動板に送り込むのだ。
本体のサイズは45×45×48mm(幅×奥行き×高さ)だから、ほぼ立方体をしており、キューブという名前の由来になっている。電源はUSBで、80cmのケーブルが直接生えている。端子は普通のUSBなので、パソコンのUSB端子や、USB-ACアダプター、USBハブ、モバイルバッテリーなどにそのまま接続できる。
加湿方式は超音波式だ。これは機構部分が小さく、ほとんど熱がでないので、今回のような製品にはピッタリだろう。
国内サイズのペットボトルに対応
ボトルキューブを使うためには、適合したペットボトルを用意し、そのペットボトルに合わせて給水スティックを調整する必要がある。
ボトルキューブに適合するペットボトルは、キャップの口径が25mmで、容量が280/350/500mlサイズのものだ。
ボトルキューブの底面には、ペットボトルに合わせた溝が掘られており、もともと付いていたキャップの代わりにペットボトルにねじ込んで固定する。このネジのサイズが25mmなのだ。国産のペットボトルのネジは、このサイズが定番なので、店頭で見かけるペットボトルのほとんどは大丈夫だ。
なお、海外ブランドのミネラルウォーターは、キャップのサイズが28mmのものが主流で、ボトルキューブを固定できない。手近な例ではvolvic(ボルヴィック)、evian(エビアン)、contrex(コントレックス)などが28mmだった。海外では、このサイズが主流なのだ。
給水スティックの長さは約20cmで、500mlのペットボトルに対応した長さになっている。といっても、底まで届くわけではなく、2~3cmほど浮いた状態になる。
280mlや350mlの小さいサイズのペットボトルだと、給水スティックが長すぎて余ってしまう。そこで、給水スティックをハサミで切って合わせるのだ。給水スティックが5本も入っているのは、このためでもある。
実際に試してみると、350mlのペットボトルでは給水スティックを切らなくてもなんとか使える。280mlのペットボトルの場合は、給水スティックを切らないと入らなかった。
デスクやベッド周りの加湿に
では、実際に使ってみよう。水を入れたペットボトルに、ボトルキューブをセットし、USBケーブルをつなぐ。
ペットボトルに入れる水は水道水と指定されている。ミネラルウォーターや井戸水、浄水器を通した水などは雑菌が繁殖しやすいため避けるように指示されている。このあたりは、一般的な超音波式加湿器と同じだ。
超音波式加湿器には、水質が悪く雑菌などが発生したときに、それをミストといっしょに拡散してしまうという欠点がある。最近の超音波式加湿器では、それを防ぐために抗菌剤やセラミックボールなどを使っているが、小型のボトルキューブでは、そこまでの機能は備えていない。なので、ボトルキューブに使う水の質には気をつけてほしい。
また、ペットボトルに入れる水の量は、約70%程度に留めるよう指示されている。一杯に入れるとこぼれる可能性があるからだ。
ペットボトルに固定するときは、ボトルキューブではなく、ペットボトル側を回す。普通のキャップのようにボトルキューブを回すと、ケーブルがからまってしまうのだ。
ボトルキューブの左側面には電源スイッチがあり、押すとON、もう一度押すとOFFになる。右側面には、LEDランプがあり、電源スイッチを入れるとブルーに点灯する。
超音波式の特徴として、ミストが見えやすいことと、起動が早いことが挙げられる。ボトルキューブも電源を入れると、すぐにミストが出てくる。動作音はほとんど聞こえない。
今回、500mlのペットボトルに水を400ml入れて試してみると、約14時間動作した。1時間あたり30ml弱の加湿ということになる。だいたい、0.8~1.4平方m程度を加湿できる能力だ。オフィスの机の上や、ベッドのヘッドボード周辺に置くイメージだ。
実際に、机の中央で動作させてみると、同じ机の上に置いていた湿度計が、動作前の30%から、2時間ほどで55%へと上がった。狭い範囲に限れば、そこそこの加湿能力はある。
また、超音波式加湿器では、加湿器の周囲の床に水滴が着くことがあるが、ボトルキューブの場合は、10時間以上動作させても濡れていなかった。もちろん、パソコンなどの精密機器や書類からは距離を置かなければいけないが、卓上が濡れる心配は少ない。
ちなみに、ボトルキューブの連続動作時間は16時間となっている。500ml以上の大きなペットボトルを使うと、これを越えてしまう可能性があるので注意してほしい。また、オートオフとかタイマーなどの機能はないので、使い終わったら必ず電源スイッチをOFFにする必要がある。安全のために、電源を入れて15時間経ったら電源が切れるぐらいの機能はほしいところだ。
使いやすい個人用の加湿器
ボトルキューブは、本体が小さくて持ち運びしやすく、水タンクとなるペットボトルも入手しやすい。また、キャップとして固定されるので、持ち運びしやすいというメリットもある。
固定式の水タンクを使う製品と違って、ペットボトルが汚れてきたら、新しいものに交換すれば良いというメンテナンス性の良さも魅力だ。給水スティックは、1カ月に1回交換が必要だが、5本付属しているので1シーズンはまかなえる。
加湿できる範囲がごく狭いという限界はあるが、個人用と割り切れば実用の範囲だろう。やろうと思えば、モバイルバッテリーをつないで、自分の移動するところに持ち運ぶようにするという手もある。そういう可能性を含めて、楽しさを感じるところが、この製品の良いところだろう。