家電製品ミニレビュー
山善「ハイポジションスリムファン」
山善「ハイポジションスリムファン YSR-L1201」 |
今年の家電Watchは、ほぼ日刊扇風機Watchと化している(笑い)。というワケで、オレ様にも順番が回ってきた。そこには編集Sから「藤山さんの好きそうな扇風機ですよ」と。
それがこの山善の「ハイポジションスリムファン YSR-L1201」である。うむ、場所をとらずに使えそうな細長いタワー型の扇風機だ。実は我が家では、節電のために子供たちの勉強机3台をすべてリビングに持ってきているため、人口密度が超高くなっている。もはや普通の扇風機では、首フリするスペースすら確保できないので、困っていたのだ!
メーカー | 山善 |
製品名 | ハイポジションスリムファン YSR-L1201 |
希望小売価格 | 16,800円 |
購入場所 | 楽天市場 |
購入価格 | 7,980円 |
■狭い部屋のドコでも置ける
ハイポジションスリムファンの最大の魅力はは、なんと言ってもスリムなこと。本体は直径120mmで、高さが1.2mの円筒形。土台のみ、直径300mmあるが、それでもスリムであることに変わりはない。フツーの扇風機で首を振ると、家具に当たって「ガガガガッ! 」となってしまうような場所でも、このスリムファンなら首振り運転が楽勝でできるのだ。
向かって右側 | 背面 | 向かって左側 |
首振りの角度は約45度と、一般的な扇風機よりやや狭い。だが、風量は4段階で切り替えられるため、部屋の隅に置けば、部屋全体に風が行き渡るようになっている。首振りを止め、1点集中で送風することことも可能だ。
狭い場所でもこのスリムファンなら楽勝で首フリ運転ができる | 最大の首フリ角はこのぐらい | 部屋のコーナーに置くのがよさそうだ |
本体には、赤外線リモコンが付属するので、離れた場所からでも操作できる。心憎いのは、このリモコンが本体の取っ手部分に収納できるということ。取っ手部分の奥に、隙間があり、ここにリモコンを入れることができるのだ。これなら冬に片付ける際にも、リモコンを失くす心配がないから安心だ。
マッチ箱サイズのリモコンだが、12畳の端から操作しても大丈夫 | すべての操作がリモコンで可能だ。内蔵電池はCR2025。CR2032ほどメジャーじゃないが、最近はスーパーでもよく売っているので困らないだろう | 本体の取っ手部分に収納できるので、一冬越しても紛失しないのがいい。ただ子供がホイホイとアチコチに置くので、携帯ストラップを付けられる穴が欲しいところだ。 |
■椅子に座って生活している人に最適
使っているうちに、椅子に座って生活している人に最適だと思うようになった。なぜなら、スリムファンの吹き出し口の場合、高さが60~110cmと縦幅が50cmもあるため、座った状態だと腰から頭までまんべんなく風が当たるのだ。フツーの扇風機だと頭なら頭だけ、胸なら胸だけにしか風が吹いてこないが、スリムファンなら一気に風を受けることができる。
また扇風機の場合、自分に風を向けた時に、机の上の紙などが舞い散ってしまうことがあるが、このスリムファンでは、風が均等に吹くからなのか、紙がほどんど散らないのだ。これは意外だった。
吹き出し口の下はローボードぐらいの高さの60cm、上はドアの取っ手より20cm上あたりまで | 画面中央の荷造り紐で作った旗がこれだけたなびくのに、子供の勉強のプリントは一切タついていないのが不思議。スリムファンは画面右横に移っているヤツ |
■風呂上りに全身に風を浴びられるので、最高に気持ちいい
このスリムファンを使うと、風呂上がりが最高に気持ちいい。夏の風呂上りの扇風機の前に立つアノ快感は、読者もご存知だろう。しかし普通の扇風機だと、全身に風を当てるために、頭から腰、腰から頭へと、何度も扇風機の角度を調整していないだろうか?
ただいま大変お見苦しい映像が流れております。読者の皆様にはご迷惑をおかけして誠に申し訳ありません。なんとお詫びを申し上げてよいのやら……。なお、アクシデント防止のためパンツははいています(笑い) |
ハイポジションスリムファンは、前に立つとちょうど腰あたりから胸まで幅広く送風されるので、風呂上りの扇風機の快感が一気に全身で味わえることを約束しよう。
「頭まで風はこないじゃん!」という人もいるだろうが、ノープロブレム! 胸に当たった風が顔の方に上昇してくるので、ちょっと頭を下に向けるだけで涼を取れるのだ。
ちなみに、筆者が編み出しだ最高の使い方は右図の通り。バスタオルを背中に回して端を両手で持つと、すべての風をキャッチできるので背中まで涼しくなる! これはぜひ体感して欲しい。
■ファンに指が届かず、子供がいる家庭でも安心
安全面では、吹き出し口は細かく仕切られ、回転する危険なファンは奥にあるため、小さな子供が手を入れてしまっても、まずケガをすることはないだろう。なによりハイポジションタイプなので、ハイハイしているような赤ちゃんは吹き出し口まで手が届かないだろうし、吹き出し口に手が届くほど成長した幼児なら手が大きくなっているので、回転するファンまで指が届かないという安全設計っぷりが気に入った。
安全な扇風機だと、よく引き合いに出されるのが「羽のない扇風機」だが、あれはチョット高くて手が出せない……という人にはお勧めしたい製品だ。何せ価格が1桁違うのだから……。
吹き出し口のスリットは、8mm×60mm程度なので子供の指も入らない | もし入ったとしても、回転部のファンはスリットのから30mm(3cm)奥にあるので、まずケガをすることはないだろう |
使い勝手の面では、「リズム風」や「おやすみタイマー」を搭載している。今ではすっかりおなじみになった、扇風機のリズム風だが、より自然の風に近くするために強弱をつけて送風するので、寝冷えの防止にもなる。お休みタイマーは、1/2/4時間後に設定できるオフタイマーで、暑い夜の涼しい相棒となるだろう。
また、本体背面には吸気口が設けられていて、その奥にはフィルターが付属している。さすがに空気清浄機ではないので花粉や微粒子は取り除けないが、部屋全体に巻き散らかしてしまうようなホコリはしっかりキャッチするという。フィルターは洗って何度も使えるので、ランニングコストがかからないのも嬉しい。
おやすみタイマーは、1、2、4時間の3段階。もちろん自然な風を演出するリズム風モードもある | 樹脂製のフィルター内蔵なので、大きなホコリはここでキャッチ。何度も繰り返し洗って使えるので経済的! |
■難点はちょっとウルサイところか
唯一の難点は、送風音がウルサイところだ。弱風ではさほど気にならないが、強風にすると「ゴー」という風切り音が続き、モーターの唸りも聞こえてくる。こうなるとファンから2mほど離れていても、テレビの音量を2段階ほど上げたくなる。試しにスリムファンと、フツーの扇風機の運転音を測ってみたところ次のようになった。
製品 | 風量1 | 2 | 3 | 4 |
ハイポジションスリムファン | 20dB | 21dB | 24dB | 27dB |
一般的な扇風機 | 20dB | 27dB | 33dB |
結果から見ると一般的な扇風機の「強」運転より、スリムファンの4(強)の方が静かということがわかった。たしかにフツーの扇風機も最強で使うとウルサイわ――。
また気になる電気代も調べてみたところ、以下のようになった。
製品 | 風量1 | 2 | 3 | 4 |
ハイポジションスリムファン | 32W | 44W | 60W | 79W |
一般的な扇風機 | 15W | 29W | 35W |
消費電力は一般的な扇風機の倍近くになるが、通常使うであろう送風力「2」で12時間運転して、電気代はおよそ1日11.6円という計算になる。エアコンはおよそ700W(外気温差マイナス7℃で設定を28℃とした場合。近年の省エネエアコンであればマイナス200W程度まで節電可能。いずれも理論値)消費するので、12時間運転すると184.8円。これに比べれば電気代は微々たるものだ。
■子供がいる家庭や、狭いスペースにオススメ
最後に、このハイポジションファンをオススメしたいのは、こんなお悩みを抱えている方だ。
・子供の勉強用や作業用の扇風機を購入したい
プリントなどが飛び散らない点でお勧め
・乳幼児にも安全な扇風機を購入したい
スリットが小さく、回転部分が奥にあるので安全
・置き場所がなく壁取り付けタイプの扇風機を購入しようか悩んでいる
価格は、フツーの扇風機がピンからキリまであるので比較しづらいが、このスリムファンも実売価格は5,000円前後というレンジにあるので、「買った人しか味わえない風呂上りの全身に当たる風の心地よさ」という付加価値をどれだけ重く見るかが購入ポイントとなるだろう。
2011年7月12日 00:00