家電製品ミニレビュー

三菱「蒸気レスIH 本炭釜 NJ-XWB10J」 後編

~多機能だけど音声ナビでラクラク使いこなし
by 森 あつこ
三菱電機「蒸気レスIH 本炭釜 NJ-XWB10J」

 前編では、「蒸気レスIH 本炭釜 NJ-XWB10J」で炊いたご飯の味に家中で感激したところまでお伝えした。今回は後編として、実際に炊いたごはんとお手入れ法について紹介していきたい。

「匠芳潤炊き」「エコ炊飯」「玄米」「分づき米」…充実の多彩なモード

 さて、改めて取り扱い説明書を眺めてみると、果たしてこの多彩な機能を使いこなせるか不安に感じる。炊飯コースだけでも様々な種類があるし、操作ボタンの数も多い。

 でも大丈夫! 本炭釜では誤操作を防止するために、音声によるナビゲーションが付いている。試しにメニューボタンを押してみると、コースや種類をゆっくり読み上げてくれるのでとてもわかりやすい。「音声による読み上げなんて、必要かしら?」なんて、思ったのもつかの間、手順やコース視覚で確認するよりも耳で聞いたほうがラク。30代~70代の我が家の住人は全員、音声ナビに頼っている。


 

音声ナビの様子

 数ある炊飯コースの中でもお気に入りは「匠芳潤炊き」。通常の炊飯よりもじっくり時間をかけて仕込み、粘化酵素と吸水を促進し、お米本来の持つ甘みとツヤを引き出すというものだ。

 ごはんを炊くときに忘れてはいけないのが、タンクに水を入れること。これは毎回の作業になる。炊飯のたびにタンクの▲目盛に合わせて水を入れるのだが、最初は少し面倒であった。慣れていないこともあるが、炊飯のたびに水を入れるのをつい忘れてしまいそうになる。でも、それは使いこなしていくうちに自然と慣れてくる。

タンクに水を入れてから本体にセットする。これは必ず毎回行なうこと

 次にお釜をセットして、「匠芳潤炊きコース」を選び、炊飯ボタンを押す。あとは、待つだけ。炊飯の途中、蒸気も出ないが、炊飯時特有のにおいも出ない。音も静か。これまでの炊飯器はにおいや音で、どんな状態なのかが分かったのだが、スタートから炊き上がるまでがとても静かで、心配になったほど。おまけに、炊飯中もトップが熱くない。恐る恐る触れてみたが、まったく熱くない。これは安心だ!!

 その後も何度も様子を見に行く。トップ画面には大きな文字で炊き上がるまでの時間が表示されている。「あと28分」「あと12分」「あと1分」・・・そんな状態でピーピーピー♪「ごはんが炊き上がりました」

 まずは、炊飯器の中を眺める。ツヤツヤのお米一粒一粒が離れて立っている。さぁ、いただこう。おいしい!ふっくらしてて中身がモチモチ。ごはんだけの旨味、甘みを久し振りに味わった。

ふっくらしていて、一粒一粒のお米の形がしっかり分かる冷めてもおいしい、と聞いて、さっそくおにぎりを作る。う~ん、おいしい

 もう1つよく使っているの、やや低めの温度で12時間おいしさを保つ「食べごろ保温」。一定保温(高めの温度)と合わせて2つの保温機能が選べるというもの。

 保温をしているとお米が黄色っぽくなったり、「カラカラ&パサパサ」になった経験は誰にでもあるのでは? この炊飯器は、「蒸気口がないため外気に触れにくく、保温したごはんの乾燥も抑えてくれる。

雑穀米・玄米も、簡単&おいしく炊ける!

 本炭釜では、白米を炊く要領で雑穀米も簡単に炊けるという。「雑穀」とは一般的に「米・小麦・大麦以外の穀類」のことを指す。アワ、キビ、ヒエ、ソバ、トウモロコシ、ハトムギ、ライ麦などで、玄米、赤米、豆類なども雑穀の中に入る。

 古くは縄文時代より食されていて、食文化の原点として根付いているという。雑穀にはビタミン・ミネラル・食物繊維などの栄養素が豊富に含まれていることもあって、近年は健康食として注目されている。自宅の炊飯器で簡単に炊くことができるのは嬉しい。

 実際、白米に五穀米を混ぜたものを炊いてみた。もちもちとした食感で、おいしくいただけた。

五穀米を混ぜて炊いてみた。玄米なども上手にできる。もちもち&ふっくら。3分、5分、7分づき米専用の炊飯モードも搭載

節電には、エコ炊飯モードを!

「エコ炊飯」モードで炊いてみた。省エネしながら、おいしく炊き上げる

 東日本大震災の影響で、計画停電や断水が計画的に予定される毎日。各家庭でも節電を心掛けている今、注目は「エコ炊飯」モード。これは、外気温に応じた火力で省エネしながらおいしく炊き上げるという。

 1回あたりの炊飯(白米)における消費電力量は、3合炊飯時の場合、通常炊飯は175・5Whに対して「エコ炊飯」モードでは、152・3Wh。節電が叫ばれる中、ひとりひとりの力は小さくても、日々の心がけと機能を使いこなすことで、その成果はきっと大きいはず。

 味の方はどうかというと、普通においしく食べられる。時間をかけた「匠芳潤炊き」に比べれば少々、モチモチ感に欠けるかもしれないが、普段の食事ならこれで充分!

肝心なお手入れは??

 最新の機能を搭載した炊飯器。インテリア性だけでなく、ごはんの風味やあじわいはピカイチと書いてきたが、炊飯器は毎日使う調理器具の代表的なもの。毎日のことが面倒であれば、自然と使う回数が減ったり、使わなくなってしまう。

 一番気になったのが、これまでのにない「タンク」の存在だ。水を入れるタンクは毎回洗って、新たにセットすることになっているが、最初はそのタンクの存在を忘れてしまったりして、なかなか慣れなかった。面倒というよりもその存在を忘れてしまう…。でも、その忘れは内釜を洗うときに解決した。

 素材にこだわった肉厚の内釜は、しっかりとした肉厚で持ちやすく、コンパクトなのでシンクの中でぐるりと洗える。私は、タンクにたまった水を捨てるときに、この水で内釜を洗うようにした。節水にもなるし、タンクの洗い忘れも防げていい! おすすめだ。

 逆にお手入れが楽だったのは、スクエア型の本体デザイン。蒸気やふきこぼれがないため、汚れがまったく気にならない。どの面も平らなので、汚れもふき取りやすい。

デザインと機能を追求した新しい炊飯器

 この炊飯器があるだけで、キッチンは洗練された印象になり、炊いたごはんを味わえば、ふっくらとして甘みがあっておいしい! 「蒸気レス」という新しい炊飯方式と充実した機能、そしてデザインを追求したおしゃれな炊飯器。機能を重視したあまり、デザインは二の次、なんてことはこの炊飯器にはない。新しいキッチン、新しいライフスタイルも提案してるような炊飯器だ。




2011年4月12日 00:00