家電製品ミニレビュー

想像以上の実力! 1万円台で買える布団クリーナー

オークセール「siroca crossline 2WAY ハンディ&布団クリーナー stingray SVC-350A」

 アレルギー対策の1つとして、こまめに布団の表面を掃除するのは有効だ。今回は、数ある布団クリーナーの中から、ハンディクリーナーとしても活用できる、1台2役の布団クリーナーを紹介しよう。オークセールの「siroca crossline 2WAY ハンディ&布団クリーナー stingray SVC-350A」だ。

 結論から言いたい。stingray(スティングレイ)の布団クリーナーとしての実力は想像以上だった。それこそゾッとするほどの「ゴミ」が、布団、ベッド、カーペットからガッツリ取れたからだ。

メーカー名オークセール
製品名siroca crossline 2WAY ハンディ&布団クリーナー stingray SVC-350A
購入場所家電量販店等
購入価格12,800円(税抜)

 スティングレイの最大の特徴は、ワンタッチで布団クリーナーヘッドからクリーナーが取り外せることだ。布団クリーナーとして使わない時は、取り回しやすいハンディクリーナーとして毎日活用できる。電源は充電式ではないコード式だが、その分電池切れをまったく気にせずに、思い立った時に思う存分掃除ができる。

 布団クリーナー時の大きさは、292×418×192mm(幅×奥行×高さ)で、4.5mのコードを含まない重さは約1.8kg。ハンディクリーナー時は105×365×137mm(同)で、重さは約1kgだ。

右から、クリーナー本体、隙間ノズル、ヘッド、お手入れブラシ、予備フィルター
布団クリーナー使用時の大きさは292×418×192mm(同)。4.5mのコードを含まない重さは約1.8kgだ
ハンディクリーナー時の大きさは105×365×137mm(同)で、本体だけなら重さは約1kg。一般的なハンディクリーナーと変わらない

着脱はワンタッチ!

 ヘッド(布団クリーナー部)と本体(クリーナー部)の取り付け、取り外しはとても簡単だ。取り付けは、ヘッドの先端に本体のノズルを差し込み、本体を下ろすだけ。「カチッ」と音がして確実に装着できる。取り外しは、本体のハンドル内側にあるレバーを引いて、本体を引き上げれば簡単に外れる。

取り付けは、ヘッドの先端に本体のノズルを差し込み、本体を下ろす。「カチッ」と音がすれば装着完了。付属の隙間ノズルはヘッド内部に収納しまったままでOK
取り外しは、本体のハンドル内側にあるレバーを引いて、本体を引き上げるだけ

 ハンディクリーナー単体として使う時は、本体のスライドカバーを引き出し、ブラシの付いた隙間ノズルを取り付ける。嬉しいのは、隙間ノズルをヘッドに収納したままでも布団クリーナーとして使えるので、失くしにくい。

 ヘッド部の裏には、毎分3,600回たたく振動板とUVランプが組み込まれている。UVランプで除菌しながら、布団表面を叩いてゴミを効果的に吸引するという。

ハンディクリーナー時は、本体のスライドカバーを引き出し、ブラシの付いた隙間ノズルを取り付ける。普段の掃除にも活用しやすい
ヘッドの裏側には吸込口の他、UVランプ、振動板、安全センサーが組み込まれている

 使い方は一般的な掃除機と同じ。電源プラグをコンセントに差し込み、本体の電源ボタンを押すと吸引がスタート。ヘッド裏にある3つの安全センサーが布団などに接すると、UVランプが作動する。振動板は、掃除するものに合わせて独立した専用スイッチでON/OFFできるが、3つの安全センサーが対象物に接していないと作動しない。

 集じん方法はフィルター式で、容量は0.6Lだ。ダストカップは、カップの取り外しボタンを押せば簡単に取り外せ、手入れができる。

本体上の電源ボタンを押せばON/OFFができる(上)。専用の振動ボタンを押せば、独立して振動板のON/OFFができる
振動板とUVランプは、ベース底にある3つの安全センサーが押されていないと機能しない。UVランプ作動中は、ヘッド上のブルーのインジケーターが点灯する
UVランプが点灯している様子。高い除菌効果があるそうだ
ダストカップは簡単に外れる。フィルターは、ひねるとフィルターケースから外せる。フィルターは蛇腹状で表面積が広い

ギャーッ! 取れたゴミを見て思わず冷や汗

シーツを付けたまま、ベッド表面の掃除を始めた

 早速自分のベッドを掃除した。普段はシーツを変えるたびに、ベッドマットに掃除機をかけているものだ。だが今回は、スティングレイがどのぐらいゴミを取るのか試したく、わざと1カ月間シーツを替えなかった。ベッドサイズはセミダブルだ。

 まず、掛け布団とタオルケットを取り払い、タオル地のシーツをつけたままスティングレイをスタートした。ゆっくり動かしながら、念入りにベッド全体を約3分間クリーニングした。

 スティングレイは自走式ではない上、結構な吸引力を感じる。そのため、取り回すのに、ある程度押す力はいるにもかかわらず、ハンドルの位置が良いのだろう、シーツをまったく巻き込まずに、思い通りにグイグイ動かせた。

 布団の上に置くと安全センサーが解除され、UVランプが点灯する。取扱説明書には「UVランプを5秒以上同じ場所に当て続けると、布など表面の傷み、変色の原因になる」とあったので、スティングレイをできるだけ静止しないように気をつけた。

 スタートしてすぐに、ダストカップ内に綿埃が高速回転しながら溜まっていくのが見える。ヘッド下に手を差し入れてみると、振動板は勢い良くマットを叩いているのが確認できた。

集じんの様子。吸い込まれたゴミが勢いよく回転しているのがわかる

 次に、シーツをはずし、ベッドマットの表面を丁寧にスティングレイをかけた。ベッドメーキング後、枕と掛け布団の表面にもスティングレイをかけ、トータル約10分で、セミダブルベッド一式の掃除を終わらせた。掛け布団は羽毛だが、表地も巻き込まれず、布団内の空気を吸い込みながら進められた。

 ダストカップには、綿埃の塊がたっぷり溜まっている。パウダー状のチリも見えるが、ダストカップ内から漏れずに留まっており、排気口付近にチリは付着していなかった。運転音は、一般的な掃除機と変わらない程大きいので(取扱説明書には80dbとあった)、夜中の使用は気を使うかもしれない。

 冷静にいられたのはここまでだった。

 さて、どのぐらいのゴミが取れたかなー? とダストカップをはずし、フィルターケースを引き抜いたところ、思わず「ギャーッ!」と叫んでしまった。綿埃、髪の毛はまだわかる。だが、ゾッとしたのはパウダー状の多量のチリ……。この上で1カ月も寝ていたのかと思うと、再びゾッとしてしまった。

ベッドマットも単独で吸い取った(上)。柔らかく厚みのある羽毛掛け布団も問題なく掃除機がかけられる
細かなチリもダストカップ内にちゃんと留まっている。排気はなかなかクリーン。排気口付近は汚れなかった
シーツ、ベッドマット、掛け布団、枕を10分掃除するだけで、これだけゴミが集じんできた

 シーツも、掛け布団の表地も巻き込まずに掃除機がかけられるのは、一般的な掃除機ではなかなか得られない手軽さがある。一度使って実感すると、毎日使う寝具を、できるだけキレイにキープしようというモチベーションも湧いてくるというものだ。

ホットカーペットをスティングレイして、再びギャー!

 スティングレイは布団のほか、カーペットやソファの掃除もできる。ならばと、リビングルームのホットカーペットも試してみた。大きさは1.5畳タイプで、1年を通して毎日使用しているだけでなく、今回のように、撮影でも使用している。撮影にあたって、普段の掃除機で入念に掃除しておいたものだ。

 毛足が長めのホットカーペットの使用感を試すべく、布団と同じようにゆっくりと縦方向、横方向とスティングレイを動かしていくと、運転前はカラだったダストカップに、予想に反してゴミがどんどん溜まっていくではないか! 振動板の効果もあるのか、約5分間掃除しただけで、ダストカップにはベッド全体をかけた量と同じぐらいのゴミが溜まっていた。

 二度目のギャーッが出てしまった。ダストカップ内のゴミを広げたところ、数時間前にしっかり掃除機をかけたはずなのに、取りきれなかった綿埃に、これまたパウダー状のチリがどっさりと集じんされたからだ。

スティングレイで掃除したホットカーペット。大きさは1.5畳タイプで、毛足が長い。撮影前に、しっかり掃除機をかけておいた
毛足が長くても、スティングレイはグイグイ進められる
一度しっかり掃除したはずなのに、こんなにもゴミが取れてしまった

 冒頭に「stingray(スティングレイ)の布団クリーナーとしての実力は想像以上だった」と書いた理由はここにもある。床に這いつくばる必要はあるが、その分より丁寧にカーペットの手入れができる。

 ゴミ捨ては、本体をヘッドから外し、ダストカップを取り外す。次に、カップの中からフィルターケースごと取り出し、カップ内のゴミを捨てる。さらにカップからフィルターを取り外し、付属のブラシなどで手入れをする。だが、パウダー上のチリが飛び散り、周りを汚しやすい。ダストカップに溜まったゴミ、フィルターの手入れは、手持ちの掃除機で吸い取ったほうが簡単にできた。

 もちろん、ハンディクリーナーとしても十分に実力を発揮する。コードレスではないので、コードは多少邪魔に感じるかもしれないが、1kg程度の本体の取り回しは難しくない。隙間ノズルのブラシは柔らかく、細かな場所も丁寧に掃除ができた。

 消費電力は、布団クリーナー時は360W前後で、ハンディクリーナー時は380W前後だった。

ハンディクリーナーにして、ピアノの鍵盤上を掃除している様子。ブラシが柔らかい
消費電力は、布団クリーナー時は360W前後。ハンディクリーナー時は380W前後だった
ヘッド裏の汚れはハンディクリーナーで吸い取る

 手入れは簡単だ。ダストカップ、フィルターケースは掃除機で吸い取れば細かなゴミは取れるが、水洗いできるのでより清潔に保ちやすい。ヘッド裏のブラシやUVランプ周りの汚れは、ハンディクリーナーで吸い取ればよいだろう。

二兎追うものは二兎を得るクリーナー

2つに分ければ、A4のボックスファイルに入れて保管できる

 とにかく、布団クリーナーとしてはもちろん、カーペットの掃除にも実力を発揮する。運転中、手元にゴミが溜まっていくのが見え、成果がハッキリわかる明快さは気持ち良く、「キレイになった」という実感が得られる。しかも実売価格は布団クリーナーの中では手頃な部類だ。

 コードレスではないが、毎日使う寝具を気軽に掃除したい方はもちろん、ハンディクリーナーの購入を検討している方にもオススメしたい、2WAYのクリーナーだ。

藤原 大蔵