家電製品ミニレビュー
下ごしらえから煮込みまで1台で簡単に! フードプロセッサー付きのスープメーカー
by 西村 夢音(2014/11/17 07:00)
料理を作るときに必ずスープ類を添えるようにしているが、和食には味噌汁、洋食にはコンソメスープと、私の食卓はいつもワンパターンだ。
そこで導入したのがタイガー魔法瓶の「IHスーププロセッサー」。この製品、ただのスープメーカーではなく、フードプロセッサーとして、みじん切りなどもできる。
メーカー名 | タイガー魔法瓶 |
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製品名 | IHスーププロセッサー SKX-A100 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 26,800円 |
スーププロセッサーは、ステンレス製のカップにチョッパーカッターが備えられており、食材の下ごしらえからスープの煮込みまで1台でできるというもの。
本体には、IHヒーターを搭載し、火力調節を自動でしてくれる。味がしみ込みやすい温度をキープしながら煮込み、食材にしっかり火を通して旨みを引き出すという。
運転メニューは、食材の下ごしらえをする「きざむ」、口当たりがなめらかな「飲むスープ」、具材の歯ごたえがある「食べるスープ」、「あたため・再加熱」の4つを用意する。
運転時間は、「飲むスープ」と「食べるスープ」が約30分。食材を切って入れるだけで、30分待てばスープが出来上がるのだ。なお、「あたため・再加熱」は約5分。「きざむ」はスイッチを押している間だけ作動する。
カップの容量は最大600mlで、ハンバーグのたねであれば4人分を一度に調理できるという。
本格ビシソワーズが1台で簡単に!
まずは、レシピブックにならって、ジャガイモの冷製スープ「ビシソワーズ」を作った。ジャガイモと玉ねぎを適当な大きさにカットして、「きざむ」キーを押して細かくする。3秒ほどでしっかりみじん切りになり、フードプロセッサーとしての威力は十分だ。
そこにブイヨンを加えて、今度は「飲むスープ」キーを押す。スイッチが入るとはじめにチョッパーが1回転して加熱がスタート。5分ほど経つと、定期的に回転して具材が混ぜられていた。
30分放置しても大丈夫だと思ってソファでくつろいでいたが、調理終了の数分前に突然ゴーッ! と大きな音が続いた。心配になってキッチンに見に行ったが特に問題はない。説明書を見てみると、“調理終了の数分前になると、約1分間高速で連続回転する”と書いてあったので、高速回転が始まっただけだった。
運転が終了し中身を見てみると、ジャガイモと玉ねぎはしっかり溶けて液状に。最後は、牛乳と生クリーム、塩コショウを加える。「あたため・再加熱」を押して5分経つと、ブザーが鳴って保温に切り替わった。野菜のカットから完成までにかかった時間は約40分程だった。
牛乳と生クリームを加えたスープは、少し泡立っていてクリーミーな仕上がりに。味を確認すると、滑らかな舌触りに思わず口元が緩む。さっきまで固形のジャガイモと玉ねぎだったのに! とテンションも上がった。
普通にビシソワーズを作ろうとしたら、ブレンダーで食材を混ぜて、鍋で煮込み、火加減を調節して具材が溶けるまで、焦げないようにキッチンでずっと見張らないといけない。洗い物も増えるし時間もかかって、なかなか作る気になれない。
しかし、スーププロセッサーなら材料を入れてスイッチを押すだけで、簡単にできてしまった。途中で牛乳などを入れる必要はあるが、面倒に思うことなく、むしろ完成に近付いていく料理にワクワクしながら調理できる。
なお、フタをする際、フタに付いている2カ所の突起を、本体の凹部に差し込む必要がある。きちんと差し込まないとカップと本体が固定されず、起動しない仕組みだ。
なぜこんな面倒な設計に……? と最初は思ったが、調理終盤に起こる高速の連続回転で意味がわかった。中でチョッパーが高速回転しているので音は激しいが、本体は全く動かず倒れることもなかったので安心だ。
「食べるスープ」は、具材の食べごたえバッチリ
次に作ったのは、「食べるスープ」モードで食べごたえのある野菜スープと、ミートソース。「食べるスープ」は、運転開始から15分後にチョッパーが1回転するだけで、具材を混ぜすぎないモードだ。
調理は、食べやすい大きさに切った野菜と水、顆粒のコンソメを入れて「食べるスープ」キーを押しただけで簡単にできてしまった。
30分煮込んだスープは、ベーコンや野菜の旨みが染みていて、塩で味付けをしなくても十分に美味しく、素材の味が楽しめた。しっかり煮込まれているが、具材は形が残っていて食べごたえもある。だが、ジャガイモやたまねぎは溶けやすいので、野菜の食感を楽しみたい場合は、30分経つ前にスイッチを切っても良さそうだ。
ミートソースは、野菜とひき肉を「きざむ」で細かくしたら、トマト缶を加えて「食べるスープ」キーで煮込む。途中からミートソースの良い香りがしてきて食欲がそそられた。
出来上がったミートソースは、期待通りの味に仕上がった。味付けもコンソメを少量入れただけで十分で、塩は少量しか使わなかった。
ミートソースも自分で作ろうとすると、野菜をすべてみじん切りにしたり、じっくり煮込んだりとなかなか面倒。市販のパスタソースを買った方が簡単だが、手作りなら自分好みの味に調節できるし、塩分も抑えられて身体に良いだろう。
大好きなバーニャカウダが自分でも作れた!
バーニャカウダソースも作れるというので、さっそく挑戦。野菜は大好きなのだが、そのまま食べようとするとマヨネーズをつけるくらいしか思いつかず、いつも面白みがなかった。
調理はとっても簡単で、にんにく、アンチョビ、オリーブオイル、生クリーム、塩コショウを入れて「飲むスープ」キーを押すだけ。30分待っている間に、ソースにつけて食べる野菜をカットする。見張る必要がないのでさくさく準備できた。
バーニャカウダはお店でしか食べられないと思っていたが、自分でも簡単に作れて感動した。食卓も華やぐし、料理の腕がワンランクアップした気分になる。
焦げたときは「食べるスープ」モードで対処できる
フードプロセッサーやブレンダーを使うときに、気になるのはお手入れ面。洗う必要があるのは、カップ、チョッパーカッター、フタの3つ。チョッパーカッターは取り外せて洗えるし、付属のカッターブラシとヘラつきブラシを使えば細かな汚れも落とせた。
本体に液体が飛び散ることもあり、溝など洗いにくいところについた汚れは少し取りづらかった。ブラシで事なきを得たが、もう少しすき間のない設計だとより使いやすいだろう。
ひとつ困ったのは、焦げてしまったときだ。一度かぼちゃのポタージュを作ったときに、レシピよりも少ない水の量で作ってしまい、煮込んでいる途中で焦げてしまった。
カップが焦げてしまったときの対処法は説明書に記載されている。クエン酸10gを入れた水を、カップの水位メモリまで入れて「食べるスープ」を押して手入れする。
運転終了後、水は濁っていて焦げは少し浮いていた。あとは通常どおりスポンジに洗剤を含ませて洗う。きれいに焦げが取れたので良かったが、焦げないようにレシピ通りに作るか、水の量に気をつけて調理する必要がある。
ただ、定格時間が30分で「飲むスープ」と「食べるスープ」運転時は、30分経つまでスイッチが切れない設計だ。途中で焦げそうだな……と思ったら、自分で確認してスイッチを切らないといけない。加熱時間を調節できる機能があれば、料理の幅も広がりそうだ。
細かい点で気になるところはあるが、スープ以外にもソースなどが作れてとても便利な製品だ。材料を切って入れるだけで簡単にできてしまうので、ビシソワーズやバーニャカウダなど、これまで自分では作ろうと思わなかった料理にも挑戦できた。
また、フードプロセッサー単体として使えるのも便利。料理のレパートリーを増やしたい、本格メニューを手軽に作りたいという人にオススメできる一品だ。