家電製品ミニレビュー

デロンギ「kMix boutique SJM010J」

~食卓が明るくなるカラフルボディの電気ケトル

明るいターコイズブルーに惹かれて選んだ電気ケトル

デロンギ「デロンギ kMix boutique SJM010J」ブルー

 かれこれ7年近く使っていた自宅の電気ケトルが壊れたので、新しい製品を購入することにした。この7年の間に、電気ケトルも劇的な進化を遂げていて、安全性に優れた国内メーカーのものから、3,000円以下で購入できるお手軽なものまで、様々なニーズに応じた製品が並ぶ。30代で子供がいない共働き夫婦の我が家の場合、特に安全性に配慮する必要もないので、単純にデザインが気に入ったデロンギの「kMix boutique SJM010J」を選んだ。

メーカーデロンギ
製品名kMix boutique SJM010J
希望小売価格10,500円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格6,700円

 デロンギはイタリアの家電メーカーで、日本ではオイルヒーターが有名だが、最近はキッチン家電も積極的に展開し始めている。今回購入したkMix boutique(ケーミックス ブティック)シリーズは、20~30代をターゲットとしたキッチン家電シリーズで、イタリアらしいカラフルな色に加えて、ステンレススチールを採用した頑丈な構造が特徴だ。本体カラーは、マゼンタ/ブルー/グリーン/イエロー/オレンジの5色が展開されているが、今回はターコイズブルーのような発色が美しいブルーを選んだ。

ステンレススチールボディでニオイ移りがなく、お湯切れも良い

 本体の仕様は一般的な電気ケトルとそれほど変わらない。本体容量は0.75mlで、本体サイズは135×210×210mm(幅×奥行き×高さ)。消費電力は1,150Wとハイパワーで、カップ一杯(約140ml)を約70秒で沸騰できる。

製品本体
電源ベース部分から取り外したところ
電源ベースの裏側。電源コードが収納できるようになっている
本体上部
本体側面。水量計と電源スイッチが設けられている
本体内部

 この製品の一番の特徴といえば、本体素材にステンレススチールを採用している点だろう。一般的な電気ケトルでは、プラスチックなどの樹脂を採用している事が多いが、一部製品では「におい移りが気になる」という声も聞く。その点、ステンレススチールは表面に傷が付きにくく、ニオイ移りも少ない。

コーヒーをドリップしているところ。お湯切れがよく、お湯の量も調節しやすい

 また、使ってみて気がついたのが、以前使っていたプラスチック製の電気ケトルに比べてお湯の切れが良いことだ。例えば、コーヒーをドリップするために、お湯を細くして少しづつ出す時など、以前の製品はお湯の注ぎ口から、お湯がポタポタとたれてしまっていた。それが、デロンギの電気ケトルでは一切なく、お湯の量も調節しやすい。

 一方、ステンレススチールだからこその欠点もある。それは、沸騰後の本体がかなり熱くなるということだ。安全性に配慮した製品では、本体が熱くならないように本体容器を二重構造にしているものもあるが、デロンギの電気ケトルでは、熱伝導率の高いスチールを使っているため、触ると火傷するくらい熱くなる。もちろん、これは本体のみの話で、取っ手部分は全く問題ないが、小さい子供がいる家には推奨できない構造ではある。なお、国内メーカーの一部の電気ケトルに搭載している保温性能は備えていない。

細かい部分で光る使いやすさ

 当初、デザインに惹かれて手に取った製品だったが、使い始めてみると、使い勝手にも配慮した製品だということが分かった。まずは、取っ手部分が太くて安定感があり、持ちやすいということ。しっかりグリップできるので、お湯を注ぐ時に傾けたりするときも手首への負担が少ない。

取っ手を握ったところ
太くて安定感があり、本体を傾けた時もしっかりグリップできる

 さらに、取っ手上部に「ふたオープンボタン」が付いているのも良い。本体を片手で持ちながら、フタの開け閉めができるので、水を入れるのがラクだ。

 本体側面の大きな水量計も気に入った。水量計に関しては、多くの電気ケトルが採用している仕様だが、細くて、見づらいものも多い。デロンギの電気ケトルでは、中の水の量が一目で確認できるように楕円形の大きな水量計を搭載している。

取っ手上部のふたオープンボタン
ふたオープンボタンを押すと、フタが上に開く
本体側面の水量計。楕円形で見やすい
発色の良いブルーは、キッチンに置いてあっても目立つ

 もちろん、デザイン面に関しても満足している。発色の良いブルーは食卓でも良く映える。カラフルではあっても、安っぽさや、子供っぽさを全く感じさせないのは、スチールボディならではだろう。

 使用後の本体が熱くなってしまったり、転倒時のお湯がこぼれないような構造を採用していなかったり、安全面に関して一部製品に劣るのは確か。しかし、子供やお年寄りのいない我が家のような家族の場合、なんの問題もない。デザインや使い勝手にこだわった“大人のための電気ケトル”としておすすめの製品だ。

阿部 夏子