家電製品ミニレビュー

フィリップス「ソニッケアー ダイヤモンドクリーン」

~歯がツルツルに、しかもUSBで充電できる電動歯ブラシ
by 正藤 慶一
フィリップス「ソニッケアー ダイヤモンドクリーン HX9333」

 家電業界はどの製品ジャンルであっても、メーカー同士の市場争いが繰り広げられている。なので、その中からどのメーカーの製品をなぜ選ぶのか、それだけでひとつの話のタネになる。

 電動歯ブラシ業界も例外なく群雄割拠だ。量販店に行けば、国内メーカーならパナソニックやオムロン、海外メーカーならブラウンやフィリップスなどの製品が、売り場狭しと肩を並べている。

 今日はその中から、フィリップスの電動歯ブラシ「ソニッケアー」シリーズの新商品を紹介しよう。9月に発売されたばかりの「ダイヤモンドクリーン HX9333」だ。


メーカーフィリップス
製品名ソニッケアー ダイヤモンドクリーン
品番HX9333
参考価格27,500円(ヨドバシカメラ)

 実は私は、電動歯ブラシはソニッケアーシリーズの愛用者。かれこれ5年ほど使っており、仕事で他社の電動歯ブラシに触れる機会があっても、これに戻ってしまう。ソニッケアーには「ソニックテクノロジー」という、高速の水流で歯の汚れを落とす独自の技術を搭載しているが、この水流の力が、他社とは明らかにパワフルなのだ。

 今回発売された新モデル「ダイヤモンドクリーン」では、従来モデルからソニックテクノロジーを引き継ぐとともに、新たに3つの点で改良が施されている。その3つとは「より高い歯垢除去能力」、「新しい運転モード」、「独特の2通りの充電方法」だ。

「ダイヤモンドクリーン」のパッケージソニッケアーシリーズの基本となる「ソニックテクノロジー」を搭載(写真中央の説明文)。ダイヤモンドクリーンでは、それ以上に「より高い歯垢除去能力」、「新しい運転モード」、「独特の2通りの充電方法」を備えている

コップで充電、しかもUSBにも対応

 まずは、「独特の2通りの充電方法」から紹介しよう。本製品の最大の特徴であると言っても過言でないほど、ほかの充電器にはない面白い仕様になっている。

 充電方法の1つ目は、本体に付属のキャリングケースが、USB充電に対応しているということ。ケースの中に歯ブラシ本体を入れ、ケースに付いているUSBコネクタ(Micro-USB)をケーブルでパソコン等につなげば、充電できてしまう。

 充電ケースを使って、しかもUSBを使っての充電とは、今までの電動歯ブラシになかった面白い試みだが、ソニッケアーの使用範囲が広がりそうだ。例えば、オフィスでソニッケアーを使い、使い終わったらケースに戻して、デスクのパソコンのUSBで充電、なんてこともできる。ケースは筆箱ほどの大きさで、ビジネスバッグにも入るので、出張に持って行き、ホテルでの仕事中、ノートパソコンから充電、ということだってできる。USBがなければ、付属のコネクタを使えば、家庭用コンセントでも充電できる。

充電する方法は2通りある。まず1つ目が、こちらの「キャリングケース」。ケースにUSBコネクタが付いており、USB、またはACアダプタで充電できるパソコンのUSBでももちろん充電できる
iPhoneとソニッケアーの同時充電という、面白い充電シーンも演出できるビジネスバッグの中に、ノートパソコンと一緒に入る

 もう1つの充電方法が、グラス形の充電台を用いた手法だ。本体にはガラス製のコップが付属するが、これを付属の充電台の上に置き、コップ内にソニッケアー本体を投入することで、無接点充電ができるのだ。充電台の上に載せるだけなので、取り外せば口をゆすぐ際のコップとしても利用できる。なお、充電器の電源は、家庭用コンセントを使用する。

 私が日常から使っているのは、充電ケースではなく、このグラス形の充電器だ。何しろコップ内にゴロンを入れておくだけで、自動で充電できてしまうというアバウトさが良い。意外と安定感もよく、ちょっとの揺れでは本体がグラスからこぼれることもない。

 また、以前の電動歯ブラシは、ただ充電器の上に載せるだけだったが、今回は「コップの中に歯ブラシがささっている」という、どの家庭にでもあるひとつの風景に収まっているというのも面白い。

ガラス製のコップを充電台の上に乗せれば、コップ充電器になるコップを銀色の充電器の上に置き、そこに本体を投入するだけで、充電できる。ちなみに旧モデルの「ヘルシーホワイト」をコップに入れても、充電ランプは点灯してくれなかった会社のデスクに置いて使うというのも、意外とアリかもしれない


毛先がギッシリ詰まったブラシで歯がもっとツルツルに

新しい形状のブラシ「ダイヤモンドクリーンブラシヘッド」を新たに搭載した

 本製品が進化したのは、付属品だけではない。ブラッシング能力でもリニューアルされている。それが、新形状のブラシを採用した「高い歯垢除去能力」。製品名の由来にもなっている「ダイヤモンドクリーンブラシヘッド」を、新たに採用したのだ。

 これまでのソニッケアーのブラシは、「プロリザルツ」というものが採用されていた。このプロリザルツは、ブラシの形状をアーチ型にして面積を広げることで、歯列にフィットして、効果的に磨ける点が特徴だった。

 このダイヤモンドクリーンでは、毛先をダイヤモンド形(菱形)とすることで、ブラシの量が従来製品より44%増加したという。肉眼では毛先が菱形になっているかどうかまでは細かくて見えないが、確かにブラシ中央部に毛先がかなり密集している。このダイヤモンドクリーンブラシで磨くことで、より洗浄能力が高まり、歯垢の除去率は手磨き比で約4倍、従来モデル比でも45%高まるという。

ダイヤモンドクリーンブラシヘッドのアップ写真。ブラシが密集しているこちらは、従来のプロリザルツブラシ。中央のブラシの密集具合に大きく差が出ている

 ブラシの毛だけでそこまで差があるのか、と最初は疑問だったが、実際に使ってみると確かに差を感じる。ブラッシング後の歯のツルツル感が、ダイヤモンドクリーンの方が高いのだ。従来でもしっかり磨けていたと思っていたが、ブラシ1つでここまで差が出るとは、驚きだった。

写真左の電動歯ブラシは、私が従来から使っている従来モデル「ヘルシーホワイト」。実はプロリザルツブラシに付け替えてそのまま使用できる

 このダイヤモンドクリーンブラシは、実は従来モデルのソニッケアーシリーズにも装着して使える。実際、私が持っているソニッケアーの「ヘルシーホワイト」でも使えた。従来モデルをご使用の方は、替えブラシを購入して一度試していただきたい。

 ブラシの話のついでに、本体のデザインについても指摘しておこう。ダイヤモンドクリーンは、従来の円形形から四角形っぽい形状になっており、またツルッとした素材を採用している。

 従来モデルのようなゴム素材を使っていないので持ちにくいのでは、と思ったが、手にしっかりと収まり、特にこれといって使いにくいことはなかった。逆にシンプルさが増して、より清潔感が感じられる。本体サイズの28×31×256mm(幅×奥行き×高さ)と、重量の135gは従来モデルと大差はない。


自宅で歯のホワイトニングも。選べる5つのモード

ダイヤモンドクリーンブラシヘッドには、合計5つのモードが付いている。運転は本体中央の電源ボタンで切り替える

 最後の「新しい運転モード」については、通常のブラッシングで使う「クリーン」を含め、全5つの運転モードが搭載されている。歯の表面のステイン(着色汚れ)を除去する「ホワイト」、歯を磨き上げて光沢を与える「ポリッシュ」、歯茎をマッサージして健康を促進する「ガムケアー」、歯が敏感な人のための「センシティブ」だ。

 このうち「ガムケアー」と「センシティブ」は、従来製品でも搭載されていた機種があったので、ソニッケアーシリーズとしての新モードは「ホワイト」と「ポリッシュ」が新規に追加されたことになる。

 実際の効果に関しては、正直なところ「効果があるような気がする」とうのが正直な感想だ。というのも、今回は各モードを使い分けながら使用したため、実際の効果が出ているのかまでは分からない。

 とはいっても、通常の運転モードよりも“あ、こりゃ効いているな”という感覚が歯から伝わってくる。例えばホワイトモードは、縦方向に小刻みな振動が加わり、ポリッシュモードは通常よりも振動のストローク幅が広がるような感覚がある。通常の運転モードとは明らかにブラッシング中の感覚が異なる。特にホワイトモードは歯に伝わる振動が強く、いかにも汚れを取ってくれそうで、使っていて気持ちが良いのだ。


運転モードを通常の「クリーン」から、「ホワイト」→「ポリッシュ」→「ガムケアー」→「センシティブ」に切り替えているところ。ブラシは本製品に付属のコップを用いて、水の中で運転している

 ただ、5つも運転モードが豊富だと、逆に使いこなすのが難しそうだ。私も使い始めは、「あれ、今は何モードで使ってるんだっけ」と迷うことがあったが、運転モードは本体の持ち手部分にハッキリと文字で示され、さらに一度運転をOFFにしても、次に電源を入れた時は、停止時のモードからスタートするのでわかりやすい。使っているうちにいつのまにか慣れてしまった。今では、通常モードで磨いた後に、ホワイトモードで磨き直すなんてこともできてしまっている。


バラエティに富んだ機能と付属品。初心者にも他社からの乗り換えもお勧め

 以上がソニッケアーシリーズの新製品「ダイヤモンドクリーン」の概要だ。基本となる歯の洗浄能力を向上させつつも、便利な運転モードも追加し、さらには個性的なオプション品も加えるなど、あらゆる面で進歩した、バラエティに富んだ製品だ。

 なので、電動歯ブラシ選びに困ったときには、これを選んでおけば問題ないだろう。ソニックテクノロジーとダイヤモンドクリーンブラシヘッドの高い洗浄能力に、ステイン除去から歯茎ケアまでできる幅広い運転モード、そして選べる2通りの充電方法と、本製品を購入することでできるメリットは非常に多いからだ。

 ブラシの部分で説明しそびれたが、本製品にはダイヤモンドクリーンブラシが2つ、ミニサイズのダイヤモンドクリーンブラシが1つ付属する。家族で使い分けることもできる。誰が誰のブラシが区別が付きにくいので、ペンなどでマークを付けておくと良いだろう。

 また、ほかの電動歯ブラシを使っていて、いまいち歯磨き能力に満足いかない場合、本製品に切り替えれば、きっと納得するはずだ。ずっとソニッケアーの洗浄能力に満足してきた私だが、本製品はそれ以上に歯がツルツルになるからだ。

 この歯のツルツル感は、一度味わうと抜け出せない。ぜひ一度試していただき、ソニッケアーの虜になっていただきたい。






2011年9月27日 00:00