家電製品ミニレビュー

コロナ「コアヒートスリム」

~スリムでどこでも使える遠赤外線ヒーター
by 清水 理史

背中からじんわり暖かい

コロナの遠赤外線ヒーター「コアヒートスリム DH-910R」

 「気持ちいい暖房」というものを考えたとき、個人的には遠赤外線ヒーターは、かなり上位に位置する。暖かい風が肌に直接当たることがないうえ、部屋全体が熱くなってボーとしてくることもない。イヤなニオイもしなければ、空気が汚れる心配もない。

 そして何より、暖かさの感覚がイイ。たき火に当たっているときのように、少し離れたところから、じんわりと訪れる暖かさは、何とも言えなく心地良いもので、イスに座って仕事をしているときなどに後ろから温めると、熱からず、寒からず、ちょうどいい温度で体を温めてくれるのだ。

 そんな遠赤外線ヒーターの中から、今回取り上げるのが、コロナの「コアヒートスリム DH-910R」だ。その実力を検証してみよう。



メーカーコロナ
製品名コアヒートスリム DH-910R
希望小売価格オープンプライス
購入場所楽天市場
購入価格18,800円


キッチンや書斎どこでも置ける

 コロナの「コアヒートスリム」は、文字通り、スリムなサイズの遠赤外線ヒーターだ。

 遠赤外線ヒーターは、カーボンを採用したものなど、採用されている発熱体の違いによっていくつかの製品があるが、本製品はセラミックコーティングされたステンレスヒート管を採用したシーズヒーターを搭載しており、ここから輻射された赤外線によって体を温めるしくみとなっている。

 その特長と言えるのは、やはりサイズだろう。細長い縦長の形状をしており、設置場所が限られるキッチンや浴室など、狭いところにも設置できるようになっている。

正面側面カタログ上の幅と奥行きは30cm強となっているが、これは台座の部分のサイズとなる。昔のLPレコードやレーザーディスクと同じくらいの大きさだ

 カタログ上の本体サイズは、306×306×897mm(幅×奥行き×高さ)となっているため、以外に幅と奥行きが大きいように思えるが、実はこの幅と奥行きは、円形の台座部分の直径となっており、本体そのものは180×110mm(幅×奥行き)程度と非常にスリムになっている。

 このため、狭い場所に設置してもまったく邪魔にならない。試しに、脱衣所やキッチンに設置してみたが、通行の妨げになるようなこともなく、このサイズはなかなか好印象だ。

狭い脱衣所にも設置可能寒い冬のキッチンでの家事も楽になる
前面のパネルに配置されたダイヤルでON/OFFや強度を切り替え可能。首振りも利用できる

 操作は、前面のパネルに配置されたダイヤルとボタンを利用する。電源を入れる場合は、ツマミを右方向に回転させ、好みの温度のところまで調節する。消費電力によって1~10までの十段階に分かれており、通常モードでは、最弱の「1」が340W、中間の「5」が570W、最強の「10」が900Wとなっている。

 遠赤外線ヒーターの場合、出力に加えて、発熱体が体からどれくらい離れているかで、感じる暖かさが異なる。1m程度離れて設置した場合、個人的には中間の5程度が、ちょうど良い温度だと感じられた。

 首振り機能によって、熱を輻射させる範囲を切り替えることもできる。同じ場所が暖まりすぎないようにすることができるうえ、部屋に複数の人がいる場合などでも対応できる。

 そのほか、自動電源OFF機能も搭載されている。標準では6時間で自動的に電源が切れるほか、時間設定すれば、1/2/3時間後に自動的に切断することもできる。これなら、うっかりつけっぱなしにする心配もないだろう。

的確な場所をすぐに温められる

仕事部屋のイスの後ろに設置。足から腰、肩あたりまで温められる

 実際に使ってみると、まず高さがちょうど良いのが印象的だった。

 仕事部屋のイスの後ろに設置してみたのだが、この状態で使うと、足から腰、背中、肩くらいまでのちょうど良い範囲を温めることができる。特に腰と背中が温まるので、腰痛や肩こりに悩まされている人には、まさにうってつけだ。

 それでいて、首から上、頭のあたりはあまり熱くならないため、頭はスッキリとした状態で利用できる。

 首振りもいい。70度の範囲で定期的に左右に首を振るのだが、これによって、斜め後ろあたりに設置しても、背中の広い範囲を温めることができる。

 とは言え、さすがに足下までは届かないので、足下の対策は必要になる。しばらく使っていると、背中で温められてくることもあるが、できれば足下はホットカーペットなどを併用して温めた方が効率的だろう。

 また、立ち上がりが早いのもありがたい。前述したように、コアスリムでは、本体のダイヤルによって消費電力が異なるが、電源をオンにした直後は、出力を最大(870W程度)にしてすぐに温めることができるようになっている。

 そのおかげで、朝起きた直後など、部屋が冷え切っているような状態でも、30秒~1分もあれば暖かさを感じることができる。

 遠赤外線ヒーターの場合、部屋全体を温めるのには向いていないが、こういったピンポイントの部分を素早く、確実に温めることができるのは大きなメリットだろう。

かしこいエコ機能も搭載

 コアヒートスリムには、エコ機能も搭載されている。本体前面の「エコ」ボタンを押すと、温度センサーによって部屋の温度が検知され、室温に応じた控えめな運転をすることができる。

 たとえば、前述したように本体のダイヤルを中間の「5」に設定した場合、通常モードでは570Wの電力を消費するが、ECOモードの場合、この消費電力を室温に応じて3段階に切り替えることができる。具体的には、10℃未満の場合は400W、10~20℃の場合は340W、20℃以上の場合は230Wと、半分以下に抑えることもできる。

 試してみると、エコモードで十分という印象だ。早朝や深夜など冷え込みが厳しい場合は物足りないかもしれないが、日中はエコモードで十分に暖が取れる。風呂上がりの脱衣所などで使う場合でも、もともと暖まっている体を冷めないようにするだけなら、エコモードで全く問題ない。エアコンなど、他の暖房機器と組み合わせて利用するときなどにも活用するとよさそうだ。

 このように、コロナの「コアヒートスリム」を実際に試してみたが、ピンポイントで温めたいところがある場合は、とても使いやすい暖房器具と言える。大型の取っ手が付いていて持ち運びも苦にならないので、必要に応じて、家の中のいろいろな場所で使うというのも悪くなさそうだ。




2010年12月10日 00:00