家電製品ミニレビュー

無印良品「LEDアルミフロアライト」

~“机に固定”のイメージ一新、リビングに直立するアームライト
by 藤原 大蔵
無印良品「LEDアルミフロアライト LED電球口金E26」。光源として、E26口金のLED電球が同梱されている

 机や棚などに固定して使う「アームライト」は、可動領域が広く、照らしたいところを自由自在に照らせる、便利な照明器具のひとつ。しかし、固定して使う器具ゆえに、好きな場所に気軽に持ち運び、部屋のあちこちで利用するというワケにはいかなかった。

 本来ならばデスク上専用という趣が強いアームライトだが、無印良品から一風変わったアームライトが出ている。机に固定せずに、ポールとベースを組み合わせて“一本立ち”にすることによって、インテリアライトとして使えるというものだ。今回は、この「LEDアルミフロアライト LED電球口金E26」を紹介したい。



メーカー無印良品
製品名LEDアルミフロアライト LED電球口金E26
希望小売価格12,600円
購入店無印良品ネットストア
購入価格11,340円

 右上の写真を見ていただいてお分かりいただけるだろうが、本製品はまさにアームライトのようなデザインのフロアライトである。無骨な印象が強いアームライトだが、本体部はアルミ製で軽く、またシェードも薄く、スッキリしたデザインになっている。カラーはオフホワイトで、デスク周りはもちろん、くつろぎのリビングルームにも馴染みやすい仕上げになっている。ちなみに光源は、省エネ性が高く発熱量が低いE26口金のLED電球が標準で用意されている(ツインバード製、電球色相当「LE-LAN2L」)。


組み立ては簡単。土台は小さいが安定して置ける

 使用する前には組み立てが必要だが、ものの5分もかからない程簡単だった。付属の六角レンチとボルトを使って、ベースにポールを取り付け、アームライトをポールに差し込み、コードを付属のクリップで固定すれば完了する。

 ベースの大きさは310×7mm(直径×厚さ)、ポールは19×800mm(直径×高さ)。ベースはお盆一枚程度のスペースしかとらず、しかも薄いので、家具の下に1cm程度の隙間があれば、その下に潜りこませて置くことも可能だ。

 アームライトは、約400mmの2組のアームの先に、140x160mm(直径x高さ)のシェードがついている。大きさは標準的なアームライトと変わらない。シェードは発熱量が低いLED電球専用のもので、熱を逃がすスリットも無くスッキリとしている。

使用前に本体を組み立てる。まずは、ベースにポールを取り付ける次に、ポールに本体のアームライトを差し込み、コードをクリップで留める。これで組み立て作業はおしまい
アームライトは700g程度ととても軽い。アームの長さは400mmと、アームライトとしては標準的な大きさベースの裏側全体にフェルトが貼られている。アームライトを載せても安定している

 このアームライト部分を取り付ける際、とても軽いことに驚いた。アルミ製のその重さは電球込みでもたったの700g程度。一方、ベースとポールの重さは3.7kgあるので、ライトの2組のアームを最大限に伸ばしても、全く倒れることなく、安定しているのである。また、全重量は4.2kg程度なので、持ち運びもラクにできるだろう。

 点灯・消灯は、シェード上部にあるスイッチを回転させて行なう。付属していたツインバードのLED電球は明るく、演色性もとても良いものだ。器具から発する光の広がりも十分で、これまでの白熱電球を用いたアームライトの光の広がり方とほとんど変わらない。

付属するLED電球はツインバードのLE-LAN2L(電球色相当)。明るく演色性が良いアルミシェードは放熱のスリットも無くシンプルなもの。シェードの上部に回転式のスイッチが付いている
アームライトを最大に伸ばしても傾かずに安定している点灯した様子。光源はLED電球だが、十分に光の広がりが得られる

生活に合わせてフレキシブルに可動。くつろぎの灯りとしてもお勧め

まずはデスクの脇に置いてみた。机上面に光が十分に広がっている。デスクライトとしての実力を十分に備えているうえ、LED電球なので光源が顔の前にあっても熱を感じない

 準備が完了したところで、まずはデスクの周辺に設置した。光はテーブル面にたっぷりと広がり、作業に十分な明るさが得られる。一般的なアームライトのように固定器具が要らないので、机の形状や脚部の構造にかかわらず、アームライトの良さが享受できるだろう。また、LED電球を使用しているおかげで、光源部のアルミシェードが顔のそばにあっても、ほとんど熱を感じず快適である。長い間点灯していてもほんのり温かい程度なので、気を遣わずに灯りの向きが変えられる。もちろん、デスクに頼らずに自立する器具なので、デスクがなく椅子しかない場所でも、十分に活用できる。

 さらに、シェードをクルリと天井面に向け、天井からの間接光で部屋全体を柔らかく照らることも、このアームライトならお手のものである。


机がなく、椅子だけしかないシーンでも、本製品なら自立するため大丈夫。ここが普通のアームライトとは違うシェードを天井に向けると間接光となる。柔らかな全体照明としても活用できるだろう

 次にリビングルームに持ち込んだが、ソファとの相性がとても良かった。ソファは座るのはもちろん、寝転んで本を読んだり、時にはうたた寝もするなど気ままに過ごす場所だが、これはソファから離れることなく、その上での体勢や用途に合わせて、灯りが自由自在に変えられる。これはかなり便利だ。

ソファに座って新聞や本を読む場合には、写真のようにすると良いだろうソファに寝転がって本を読むイメージだと、こんな感じだろうか。アームがダイナミックに可動するため、光の位置がいろいろ変えられるのは便利だソファの上でちょっとうたた寝する際には、直接光が顔に当たらないように灯りの向きを変えると良いだろう。いちいちソファから立ち上がらる必要がないのは便利。シェードにスリットが無いため、直射光も漏れてこない

 また、アームライトを上方へ伸ばせば1,700mmの高さになるので、間接照明を生み出すトーチ型のフロアスタンドとしても十分に活用できる。逆に、800mmの高さがあるポールよりも低い位置にシェード部が動かせるので、ローテーブルの上での作業の灯りとしても使える。

 個人的にアームライトに抱いていたイメージでは、見た目が無骨なことと固定金具が必要だったこともあって、リビングルームには不向きと思っていた。しかし本製品なら、可動域がダイナミックに広がるため、リビングでも意外と使えることがわかった。

アームを伸ばすと、高さが1,700mmになる。トーチ型のフロアライトとしても使えるだろうポールの最高部よりも光源を低くできるので、ローテーブル上での作業にも活用できる。光源の位置は床から500mm前後のところまで下げられる

 ちょっとピンポイント的な使い方ではあるが、「ピアノライト」としても良いのではないか。熱を感じることなく光が広範囲に広がるので、譜面も手元も同時に照らす事ができて快適に演奏できる。アーム部は十分な長さがあるので、ピアノの側面、演奏者の脇と、自由に配置できる。ピアノの上に器具を直に置かなく済むので、キズつける心配も無い。縦に長い「アップライト型」、横に長い「グランド型」のどちらにも向いている。

“ピアノ専用ライト”として、ピアノの横に置いた様子。楽譜も鍵盤全体も十分に明るく照らせるピアノライトとして、椅子の側に置いた様子。光源が熱くならないので、演奏者の近くに設置しても快適だ。また、ピアノに照明を載せなくても済むので、ピアノにキズが付く心配もないだろう

アームライトのイメージを一新。椅子のある暮らしには特に便利

 あえて欠点を挙げるとするならば、アームライトがポールに固定されていないため、持ち運ぶ際に誤って落とさないよう注意が必要、ということか。また、価格が1万円オーバーと高めではあるが、これは実売2,500円のLED電球も込みの値段。消費電力も実測7Wと低く、さらに長寿命で面倒な電球の交換の手間も非常に少ない事を考えれば、その価格も納得がいくだろう。

 可動域は広く、一家に一台あれば、どんな場面にも利用できる便利さがある。特に、床に座るシーンよりも、椅子にすわるシーンで活躍するだろう。これまでのアームライトのイメージが一新するほど、さまざまなシーンに活用できる照明器具と言えそうだ。





2010年10月5日 00:00