家電製品ミニレビュー

アルテ「MOMA」

~シンプル機能でスタイリッシュな固定電話
by 但見 裕子


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


アルテ「MOMA」。カーブしたデザインが手になじむ

シンプル機能の固定電話がほしい

 携帯電話が普及してからというもの、自宅の固定電話がほとんど鳴らなくなった。かつては固定電話にこだわっていた親戚の年寄りも、気がつけばみんな携帯電話を持つようになった。

 家族間の連絡も携帯電話ですることが多くなって、実際問題、固定電話の必要がなくなりかかっている。

 いっそのこと固定電話を止めてしまおうかとも思うが、普段つきあいの少ない親戚からの急な知らせがあるかも知れないし、古い登録をしている保険会社、役所などからは固定電話にかかってくるので、まったく利用を止めてしまうわけにもいかない。基本料金だけを払って置いておくことにしている。

 うちの電話機は、FAX・コピー機能のついた複合機で、かなり大きい。リビングの、いわゆる「電話台」のスペースがいっぱいになるサイズだ。このFAX・コピー機能も、気がついたらほとんど使わなくなっていることだし、もういらない。もっと機能を絞り込んだ、小さいサイズの電話機に買いかえたいと考えはじめた。

 いわゆる普通の電話機は、どうもかっこよさに欠けるものが多いので、できたらシンプルでデザイン性の高いものにしたい。そこで見つけてきたのが、アルテのデザインテレフォン「MOMA」だ。


メーカーアルテ
製品名MOMA
購入場所楽天市場
購入価格4,179円

製品パッケージパッケージ内容。本体のほかはコード2本と簡単な解説書のみだ
プッシュボタンの数字はすっきりして見やすい

 MOMAは、受話器と本体が一体となって軽くカーブした形が独特の、スタイリッシュなデザインだ。

 色は黒を選んだが、ほかにホワイト、ピンク、ベージュが用意されている。プッシュボタンの文字色は、本体色が黒の場合は白、ピンクの場合はグレイなどに本体カラーに合わせてコーディネートされている。MOMAというネーミングだが、MoMA(ニューヨーク近代美術館)とは特に関係がないようだ。

 機能はごくシンプルで基本的なもののみが搭載されている。ダイヤル機能のほかは、保留音が鳴るホールド機能、キャッチホン対応、オンフック、リダイヤルが使える。FAXやコピー機能はもちろんなく、子機や留守番電話、電話帳機能もないという潔さだ。

スタイリッシュな曲線を持つ本体

設置はカンタン。軽くて小さい

本体モジュラージャックまわり。ダイヤル回線、プッシュ回線の切りかえと、呼び出し音量設定のスイッチがある

 さっそく設置してみよう。

 自分で有線電話をつないだのは初めてだったが、2種類のコードのモジュラージャックをつなぐだけで、初期設定も何もないのですぐにできた。テストで時報にかけてみたところ、音がクリアでよく聞こえる。普段は携帯電話ばかりを使っているので、たまに有線の電話の音を聞くと新鮮だ。

 次に、呼び出し音を鳴らしてみた。

 普通のプルルルという電子音で、音量は三段階で調節できる。デフォルトでは三段階の「HI」にしてあったため、かなり大きい。マンション住まいのうちでは、音量は「LOW」で十分だと感じた。

 

受話器を上げてみたところ
 使ってみての感想では、重量が約470gと軽いので、勢いよく受話器をあげると本体が動いてしまう。何か重しになるようなものを、裏面に貼りつけて使っていきたいと思っている。

 FAXつきの大きな電話と入れかえてみると、電話台まわりの景色が実にさっぱりした。シンプルな小型の電話機のまわりに、十分な空間があるのが、かえって豊かな感じである。
これからは、以前のように書類をごちゃごちゃ立てかけたりしないで、この空間を大事にしようと心に決めた。

 MOMAは、本体付属品がコードだけで、ACアダプターがいらない。このことも見た目のすっきり感に貢献している。電話機にFAXや液晶画面などの付属機能がついていると、ACアダプターが必要になり、本体まわりのコードが多くなってしまうのだ。

 コードについていえば、MOMAの2本のコードのうち、受話器と本体をつなぐカールコードは本体と同色の黒なのだが、本体と電話線をつなぐコードはごく普通の灰色なのがどうも統一感をそこなう。これも同色の黒ならば、さらにかっこよくなったのではないだろうか。

電話線コードが同色の黒ではないのが、統一感を欠いていて惜しい。すっきりした電話置き場。ちなみに右側が、大きな多機能機を置いていたときのもの

 MOMAを使っていて、ふと幼少時に使っていた電話を思い出した。昔はモジュラージャックさえなかったのだ。コードは家の壁から直接出ていて動かせないもの、付け外しの時には工事の人を呼ぶものだった。

 電話機の機種も基本的に選べなくて、旧電電公社からお仕着せで貸し出されるものを、黙ってみんな使っていたのである。そういう「配給制」みたいな時代も知っているので、こうして好みのデザインや機能の電話を選んで買えるのは嬉しい。

 今の時代、固定電話がなくてもそれほど不自由はないが、緊急連絡先としていたり、役所に登録しているなどの理由で固定電話の料金を払い続けているお宅は多いと思う。

 そんな家電話の使い方を見なおし、こうしたシンプルな電話機で気分を変えてみるのもいいのではないだろうか。




2010年 8月 2日   00:00