家電製品ミニレビュー
パナソニック「デザインテレホン VE-F04」
■ひとり暮らしでも導入しやすくなった固定電話に
パナソニック「デザインテレホン VE-F04」。横型で北欧風のシンプルなデザイン。ボタンはゴム製で押しやすく安定しています |
携帯電話を1人1台持つのがあたりまえになって久しい昨今、1人暮らしだと高額な電話加入権を払ってまで固定電話を設置する必要がないと感じる方も多いようです。一方で、IP電話の普及が進み、総務省の発表では前年比14.4%増の2009年6月末時点における加入契約数は2,092万件。
とくに、電話加入権が必要なく基本料も安く抑えられる、NTTフレッツの「ひかり電話」をはじめとする「0AB~J番号」は普及が進み、前年比39%増という高い増加率だそうです。
この制度のおかげで、一時期よりは固定電話を持ちやすくなりましたが、これまで固定電話を使っていなかった方にとっては、固定電話用の電話機が必要になります。かといって、めったに使わない固定電話にそれほどコストをかけたくないという方におすすめなのが、今回の「デザインテレホン」。実売で3,000円弱という買いやすい価格で「電話をかける/受ける」という基本操作がしやすいシンプルな電話機です。基本的には固定電話のアナログ回線向けの製品ですが、光回線やADSLでも問題なく使用できるようです。
メーカー | パナソニック |
製品名 | デザインテレホン VE-F04 |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 2,780円 |
■壁掛けもできるシンプルな電話機
パナソニックの「デザインテレホン」はごくシンプルな電話機で、留守番電話機能はありません。デザインはとてもすっきりしていて、どんな部屋にも似合いそうなシンプルさ。カラーは写真の「ブラック」のほか、「ホワイト」もあり、卓上置きのほかに、壁掛けで使用することもできます。
「ワンタッチダイヤル」や「キャッチ」など10キー以外の操作ボタンは右側に集中 | 10キーの上部は「ワンタッチダイヤル」の登録名をメモしておくシール | 本体左側に呼出音量(3段階)や電話回線種別切り替えスイッチがあります |
本機の奥には、電話回線をつなげるモジュラージャックと、外部電話機用のモジュラージャックがあります | 本機の裏面。壁掛け用アダプターは、上部につけているときは卓上で使う場合の傾斜になります | 壁掛けにするときは、まずはその壁掛け用アダプターを取り外します |
それを上下逆にして下部にとりつけると、壁掛け用に底面がフラットになります | この壁掛け用アダプターには、電話回線のコードが長すぎるときに収納しておけるしくみ | 壁掛けにした状態。ぐらつくこともなく安定しています。設置用に「壁掛け用木ねじ・ワッシャーKX-AN162」が別売されています |
このパナソニックのアナログタイプの電話機には、以前VE-F03というシリーズがありましたが、これと比較すると横長のデザインになり、雰囲気もより洗練されました。機能面ではVE-F03では再ダイヤルしかできなかったのですが、VE-F04には「ワンタッチダイヤル」機能がつき、3件の電話番号を登録しておくことができるようになりました。
いくら留守電機能がないとはいえ、シンプルな電話機でもこのVE-F04と同じ価格帯だと、子機のように受話器にボタンがついたデザインが多いのですが、VE-F04の場合は本体に10キーがあるため、しっかりと押しやすく、受話器がごく軽いので長電話をしても疲れにくいつくりです。
■海外家電のような潔いシンプルさ
VE-F04を見て最初に思いだしたのは、以前家電Watchでレビューした同社のアイロン「自動アイロン」でした。シンプルでクラシカルな雰囲気がありつつも、どこか洗練されていて、飽きのこないデザイン。こちらはレトロとうよりも北欧風というか、海外の家電のような潔いシンプルさで、安っぽさを感じさせません。
表面はマット加工がされていて、サラサラしたさわり心地。光沢加工されているものが多い電話機のなかではめずらしい加工です。大きさは190×196×95mm(幅×奥行き×高さ)の横長で、重さは約527g。軽いので壁にとりつけるときにも安心です。
ボタン部分はゴムでできていて、プッシュしたときにすべらず、安定して押せるのでストレスを感じません。
■3件登録できる「ワンタッチダイヤル」が便利
VE-F04は、基本的な「電話をかける」「電話を受ける」機能のほか、キャッチホンにも対応。着信音は一種類ですが、呼び出し音量は3段階の調整が可能。相手の声の大きさを調整する受話音量は専用の音量調整用ボタンもあり、6段階に調整できて便利。さらに電話番号が登録しておける前述のワンタッチダイヤル3件のほかリダイヤルにも対応するなど、シンプルですが基本機能はしっかりしています。
着信音の大きさの差。最初は「小」で、そのあと「中」「大」と右横のスイッチで切り替えています |
とくにワンタッチダイヤルは個別のボタンが本機の右側に用意されているので使いやすく、本機の上部にある「ワンタッチダイヤルシール」に登録名を書いておけばさらにわかりやすくなります。家族や親戚など家族間通話で無料になる先を登録しておいたり、発信者番号の通知や非通知などの利用で電話番号が長くなる相手や海外の固定電話でよくかける相手を登録しておくと便利。
1つの番号に21桁まで対応しています。ちなみに、VE-F04は電話回線につなげておくだけでOKで、ACアダプターなどの電源は必要ありませんが、電話機コードを3日以上外していると登録されている電話番号が消えてしまうので注意が必要です。
ただし、登録ダイヤル自体は消去も自由にできるので、直接シールに書き込むだけの本機部分は変更のとき加工が必要になりますが、高機能な電話機では操作が複雑すぎて逆に使いこなしにくいこともあるので、これはこれで潔いかもしれません。
通話中などに、一時的にその場を離れたいときに便利なフックも利用できます | 卓上設置しても、かなりコンパクトなのでじゃまになりません | 右上には「着信ランプ」があり、着信すると光ります |
■やっぱり大きなキーは使いやすい
最近は携帯電話を使う機会のほうが圧倒的に多いのですが、実際にVE-F04を使ってみると、やはり電話のキーは大きな本体でプッシュするのがいちばん使いやすいんだなと再確認しました。
というのも、自宅がSOHOでFAXをある程度使うため、うちは電話も複合機のものを使っています。しかし小型複合機のダイヤルは小さくて押しにくく、結局ほとんど子機しか使っていません。久々にしっかりしたキーで電話を使って、やっぱり使いやすいなと思った次第です。
また、最初は留守番電話が搭載されていないことが気になっていたのですが、ひとり暮らしでは転送電話のサービスを利用している方も多いと思うので、これだけかけやすいと、自宅にいるとき自分が「かけるとき」用の電話としても価値はあるように思いました。
この電話機は、基本的にはごく単機能なのですが、悩まず操作できて、基本操作がとてもしやすいのが特長。そのシンプルさにかなり好感が持てました。サイバーチックでゴテゴテしたデザインの電話機や、高機能すぎる電話機が苦手、という方に迷わずおすすめできるアイテムです。
2009年11月10日 00:00