家電製品ミニレビュー
フィリップス「HQ6090」
フィリップス「HQ6090」。稼働中はスイッチ部分が赤く点灯する |
仕事柄、出張が多いが、私の場合、東京で泊まるホテルを1カ所に決め、フロントに荷物を預けている。ノートPCのACアダプタ、マウス、洗面道具、眼鏡…そして古くなったシェーバーだ。家のフィリップスが快適なだけに、宿泊したさい使う古いシェーバーの、使用後のヒリヒリ感が気になっていた。刃を交換する手もあるが、もし変えてもヒリヒリしたらと思うと新調した方がいいと考えた。
そこで今回、ホテルで使用するシェーバーも、フィリップスに変更することにした。使用頻度は年間30回、月に2~3回なので、価格、スペックもある程度妥協はできる。サイズ的にも、持ち運ばないので少しコンパクトであればいいとした。
そもそもフィリップスのシェーバーは、どの機種を見てもあまりコンパクトではない。その中で携帯性を意識したモデルは「HQ6090」と「HQ6070」の2機種だ。外観は色が違う程度で大差はない。標準的は3枚刃(円が3つあるモデル)よりは2枚刃になっている分は小さいが、持ち運びに便利といえるほどではない。
2機種を比べると、「HQ6090」は外刃がスリット&ホール式となっていて、「HQ6070」のスリット式より髭の形状に柔軟に対応できると謳われている。最も気になったのは、充電時間が「HQ6090」の1時間に対し、「HQ6070」は8時間、更にACアダプター直結で使用できる交流式に「HQ6090」は対応しているが、「HQ6070」は対応していないことだ。充電交流式は必須項目で、ホテルでチェックアウト直前にあわてて髭を剃るシーンを考えるとこの差は致命的だ。ちなみに両機種の価格差は千円程度だ。以上を検討の結果「HQ6090」を購入することにした。
メーカー | フィリップス |
製品名 | HQ6090 |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | ビックカメラ |
購入価格 | 5,980円(ポイント還元10%) |
筆者は使わないが、背面にはトリマーも付いている | ロゴの上のボタンを押すと蓋が開き、内部の構造はこんな感じ | 刃の部分は取り外し可能。外周側1列だけ刃になっていて、スリットとホールが見える |
HQ8140のトリプルトラックヘッド。3列になっている | 付属品一式。ケース、ヘッドカバー、清掃ブラシ、ACアダプター | 分解すると外刃と内刃、固定部品からなっている。分解、刃の交換は容易 |
「HQ6090」と上位機種にあたる「HQ8140」との違いは、「HQ8140」の外刃(当然内刃も)がトリプルトラックヘッドという3列の円に対し、「HQ6090」は外周側に1列だけスリットとホールが用意されていることだ。加えて「HQ8140」の充電池はリチウムイオンだが、「HQ6090」はニッケル水素となっている。ここは使用頻度が少ないこともあり、妥協することにした。
「HQ6090」のパッケージには本体、ケース、ヘッドカバー、清掃ブラシ、ACアダプターが同梱されている。ACアダプターは「HQ8140」のそれと比べるとややコンパクトになっている。だが、他社では電源ケーブルだけで、充電できる機種もあるので、この点をみても携帯性の面では魅力には乏しい感じだ。
刃の部分は簡単に取り外しが可能で、分解もそれほど難しくはない。刃の交換も容易だが、外刃、内刃1組2,520円(税込)、2組とも交換すると5,000円となり、充電池やモーターの劣化を考えると本体ごと買い替えた方がお得な感じだ。このあたりはフィリップスに限ったことではないが、アフターパーツの価格は見直してもらいたいと思う。
実際に使用してみた。
回転運動のフィリップス製シェーバーは、他社の往復運動のものと比べると音は静かだ。ヘッド部分は、2つの刃が柔軟に向きを変える構造になっていて、肌に沿って密着する。トリプルトラックヘッドの3列刃と比較しても、剃り味が格段に劣る感じはしない。髭剃りにかかる時間は若干長くなったような感じはするが、気になるほどの差ではない。鼻の下部分に関しては、2枚刃でコンパクトになった分、「HQ6090」の方が剃りやすい。剃った後のヒリヒリ感もなく、肌の弱い筆者としては満足感は高い。
肌に合わせて立体的に動き、曲面にもフィットする構造になっている | 使用前 | 使用後。これくらい剃れれば充分だろう |
2日間ほど髭を育成して、使用前、使用後の比較撮影をしてみた。多少剃り残しはあるが、特に肌荒れもなく快適なシェービングができた。これくらい剃れれば充分であろう。数日使用すると内部にそこそこ髭が溜まるが、水洗いすれば綺麗になる。手入れが簡単なのはありがたい。
3日ほど使用すると内部にこれくらい髭カスが溜まる | 水洗いOK | 水で流せば、簡単に綺麗になる |
一通り自宅で評価、撮影が終わったので、現在はホテルに持ち込んで使用している。これで自宅常用は「HQ8140」、ホテル常備が「HQ6090」とフィリップスで統一された。東京で定宿にしているホテル以外に泊まる場合は、携帯性を重視してカードサイズの「AITE(ES518)」(パナソニック)を使用している。もしフィリップスから1枚刃のスリムなスティック状のシェーバーが出たら買い替えたいと思っているので、製品化されることを期待したい。
左から松下のアイト、フィリップスのHQ6090、HQ8140。携帯するにはやや大きい | ホテルへ持ち込み稼働開始 |
2009年4月13日 00:00