家電製品ミニレビュー
ガンアクション式でビット交換! 男心をくすぐられる電動ドライバー
2017年3月13日 07:30
日曜大工でちょっとした木工をしたり、家具や機械を修理したりという時に電動ドライバーは「超」が付くほど便利。機械の修理なら、あらかじめネジの溝が刻んであるタイプのネジなので、締め外しは結構簡単。でも木工となると、木ネジは締めるにも外すにも、回転に抵抗があり一苦労だ。とくに見栄えはいいが硬いパイン材ともなると、10本も手動でネジ打ちしたら翌日は筋肉痛(笑)。でも電動ドライバーなら、ネジを何本打とうが筋肉痛になることはない。
工作の腕が上達してくると、下穴を開ける時などに、プラスとマイナスのドライバービット(ドライバーの先っぽ)を変えたりするシーンが増えてくる。でもWOKX SDならドリル上部をガシャッ! とスライドさせるだけで、ビット交換完了!
しかもバッテリー式なので、コードが邪魔になることもなく、コンセントのない屋外で作業するときにも便利。そんな、男心がくすぐられる、ガンアクション式電動ドライバー「WORX SD ピストル型電動ドライバー」をご紹介しよう。
メーカー名 | ショップジャパン |
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製品名 | WORX SD ピストル型電動ドライバー |
購入場所 | ショップジャパン |
購入価格 | 9,612円(税込) |
ドライバービットの交換がスライド一発!
コイツの凄いところは、本体の上部をスライドさせると、内蔵している6本のドライバービットを次々と交換できる点。一般的な電動ドライバーはビットを取り付ける部分(チャック)がねじ回し式になっているため、下穴を開けながらネジ止めしていると結構面倒。なぜならそのたびに、ドリル刃とドライバービットを交換しなけりゃならないからだ。
筆者はこの面倒が耐えられなく、工作するときはいつもドリルを2機以上持っている。とはいえビギナーには、コストの面でちょっとオススメできない。
しかしWORX SDは、ねじ回しが一切不要で、ドライバービットをチェンジ! オートマチック拳銃のガンアクションみたいに、上部のスライドをガシャッ! と引くだけだ。簡単! しかも「超」カッコイイ!
ドライバービットは、リボルバー式拳銃のシリンダーに弾丸を込めてある感じ。要は西部劇で使われている、円筒形の弾丸を込める部分に、ドライバービットを入れているのだ。そしてシリンダーには全部で6種類のドライバービットを込められるようになっている。
ドライバーをプラスからマイナスに切り替える場合は、ドリル上部のスライドをガシャッ! っと力強く引いて戻す。するとシリンダーが回転し仕込んだドライバービットが先端に出てくるという仕組みだ。
一連のアクションをムービーにするとこんな具合だ。おそらく女性には伝わらないと思うが、野郎ドモは狂喜乱舞するカッコよさ!
木工するのにドリルで下穴を開けて、プラスドライバーでネジを締めるという作業を繰り返す場合は、かなり便利になる。下穴を開けたら1回スライドするだけで、ドリルがプラスドライバーに早がわり。再びドリルにするときは5回スライドすればドリル刃が出てくるというわけだ。
操作方法は一般的な電動ドライバーとまったく同じ
ネジを締める場合は、トリガー(引き金)スイッチ上にある、回転方向ボタンの右側を押し込む。これで正回転(時計回り)に回転しネジを締められる。ネジを外す場合は、ボタンの左側を押し込めばいい。ボタンは中立にすることもでき、この場合はトリガースイッチが引けないようにロックがかかる。
ドリガは回転のONとOFFのみで、回転数のコントロールはできない。また中級機以上にある、クラッチ(ネジを締める強さを指定できるダイヤル)などもないので、食いつきのいい木ネジやネジの回しすぎに注意したい。
グリップは通常の電動ドリルに比べ、やや斜めで拳銃のような角度になっている。下穴もないところにまっすぐネジを打つには、コツを掴む必要があるが、そのぶん手首にかかる負担が少ない。組み立て家具などは、通常の電動ドライバーを使うより手首に負担がかからず、ラクに組み立てられる。
またビットを照らすLEDライトもあり、暗所での作業もやりやすい。ただライトが点灯する瞬間とドライバーが回転する瞬間が同時なので、ネジの位置決めにはLEDライトが使えない。トリガーを半押ししたらLEDが点灯するようになれば、もっと使いやすくなるだろう。
バッテリー内蔵のコードレスだから屋外の作業でも便利
WORX SDにはリチウムイオン電池が内蔵されているため、充電して外に持ち出して使うのにも便利。また電源コードが邪魔にならないので作業もしやすい。
マニュアルでは、充電時間に触れられていなかったが、だいたい2〜4時間ぐらいとい感じだった。付属の専用充電器でグリップ下のコネクタに差し込んで充電するが、充電中は利用できない点に注意。
3.6Vのバッテリー式だがトルクは十分で、パイン材に木ネジを打つぐらいなら十分のトルク2.7N・m。機器の修理や組み立て家具でも十分余裕の締め付け力で、完成物がガタ付いたりすることはないだろう。
またバッテリー内蔵でも非常にバランスがよく、真横に持ってもトリガーより少し前あたりに重心が来るので持ちやすい。先に手首に負担がかからないと説明したが、重量バランスのよさもかなり貢献しているようだ。
なおバッテリーは内蔵式になっており、バッテリーパックの交換はできない。それゆえ繰り返し充電の寿命がくると使い捨てとなってしまう。頻繁に使ったり、いつも回転力が必要な頑丈な工作物を作ったりなど、セミプロユースとしてはオススメできないが、ビギナーには十分なパフォーマンスだ。
ドライバービットの種類も豊富! オススメの組み合わせはコレ!
本体には2つのシリンダーと、次のような10種類のドライバービットが同梱されている。
アメリカ製の工具は、ドライバービットなどが「インチ規格」になっているものが多いが、本製品は「ミリ規格」なので安心して国内のネジなどにも使える。
一番よく使うプラスは、0、1、2番の3タイプあるので、めがねのような精密ネジでない限り問題なく使える。マイナスは一番汎用性の高い4番(幅4mm)。またネジの下穴用に直径2mm、深さ5mmのドリルもある。六角形のレンチは、IKEAなどの組み立て家具でよく用いられるタイプなので、これも便利に使えそうだ。
なお星型と四角もあるが、たまに見かけるものの「分解禁止」部分に使われていることが多いので、利用機会は少なそうだ。
これらのドライバービットは、シリンダーのどの部分に装填してもOK。なので日本国内で使う場合は、次のようなビットのシリンダーを作ってやれば、一番便利だろう。
6本目は開けておいてもいいし、自分に合わせてマイナスか六角3を入れてもいいだろう。
ビットはすべてクロムメッキ加工されているので、さびにも強く、何より美しい。使ってみた限り、ビットの強度もかなり硬いようで問題ない。
さらにビットは、25mm規格の片刃のビットが装填できるので、ここにないタイプのものと使いたい場合は、ホームセンターなどで購入して装填も可能だ。
また穴の奥のネジを、締めたり外したりするには、市販の長いピットが使える。使い方は簡単で、シリンダーの1箇所を空にしておき、スライダーでビットが何も出ていない状態にして、長いドライバービットを差し込めばいい。
ドライバービットは本体と磁石でくっつくようになっているので、長いドライバービットが落ちる心配もない。
ネジで締めるチャックと違い、差込式なのであまり長いドライバービットだと、刃先は少しブレるので精度の高い工作では使えない点に注意して欲しい。