家電製品ミニレビュー

くんせい料理からトースト、グリルまで、スモークトースターが毎日大活躍中

 年末年始は、家族や親せき、友人が集まって食卓を囲む機会も増える。特に"主婦友"が集まる忘新年会となると、自然と誰かの家で持ち寄りパーティーというパターンが多くなる。

 しかし、これが筆者にとって悩みの種だ。正直、他人様に見せられるほど見栄えのいい料理を作る腕がない。そのくせ、パッと出したら「わ~、スゴイ!」「美味しそう~!」と、それなりに褒めてもらいたいという邪魔なプライドもあったりする。

 そこで思いついたのが、小泉成器から登場した「スモークトースター」でのくんせい料理だ。これならきっとほかの人と被らないし、スゴイ感じも出せるに違いない(笑)。

くんせい調理もできる小泉成器のスモークトースター
メーカー名小泉成器
製品名スモークトースター KCG-1201/N
実勢価格14,709円

日常的にはコンベクションオーブンとして使える

 くんせいが作れる専用機をわざわざ買うとなると、置き場所に困ったりしてなかなかハードルも高い。しかしこれは、基本的にはオーブントースター。しかも熱風を循環させるコンベクション機能も搭載されているため、トーストはもちろん、揚げない唐揚げなどのノンフライ料理も作ることができる。脱臭・脱煙機能がついているのも嬉しいところだ。

扉を開けたところ
上下ヒーターのほか、奥にファンもついている
角皿と網が付属

 操作部を見ると、ダイヤルとボタンがいろいろあって、一瞬戸惑う。例えばモードは、上下ヒーターとファンによる「コンベクション調理」、上下ヒーターによる「オーブン調理」、上ヒーターのみの「グリル調理」、下ヒーターのみの「スロークッキング調理」と4種類。それに加え、温度100℃~250℃、時間最大60分を設定する必要がある。

 しかしありがたいことに、自動調理メニューも20種類あり、こちらはダイヤルで設定してスタートボタンを押すだけ。細かい火加減や時間はお任せでき、かかりきりになる手間や失敗が少ないのが嬉しい。

01のトーストに始まり、ぶりの照り焼き、鶏のハーブ焼きなど、自動メニューは20種類

放っておくだけで豚バラのくんせいが完成!

 この自動メニューにあるのが「くんせい」だ。さっそく、「豚バラのくんせい」を作ってみた。下準備として調味料で味付けして、一晩漬け込むという作業がある。

使用したのは、豚バラ肉2本(1本約200g)。これを三温糖、塩、こしょうで味付けする
袋に入れて一晩冷蔵庫に入れ、漬け込んだ

 これを1時間ほど乾燥させたら、あとはスモークチップを入れたトースターで焼いていくだけだ。

まず角皿に、スモークチップを広げて入れる
その上に、くしゃくしゃにしたアルミホイルをかける
焼き網の上に、豚バラを並べる
煙が逃げないよう、全体をアルミホイルで覆う

 ちなみに自動調理には「20くんせい」とあるが、さらに食材によって4メニューに分かれる。豚バラの場合は、「3-20」。これを間違うと、加熱時間が足りなくなってしまうこともあるので要注意だ。

 さて、調理をスタートしてしばらくすると、スモークのいい香りがぷ~んと漂ってきた。煙たいというほどではないのは、脱臭・脱煙機能が功を奏しているのかもしれないが、部屋ににおいが染みつくと後々大変なので、換気扇をまわしたほうがよさそうだ。

 そして30分後、ピーピーと終了音がなったので、出してみると……。これは大成功!

スモークの美味しそうな香りとともに、ジュージューと音を立てて完成!

 見た目もいいし、香りもいいし、見るからに美味しそうだ。さっそくこれを持って、持ち寄りパーティーに参加したところ、予想以上に喜ばれた。ただし豚バラは結構脂っぽく、時間が経つと脂が固まるので、持っていく直前に用意したほうがよさそうだ。

大人だけでなく子供たちにも大好評だった、豚バラのスモーク
脂が滴ってジューシーな焼き上がりだ

 このトースターでくんせいを作ってよかったのは、褒められたことだけではない(笑)。セットしたら放っておけるので、その間に別の準備ができたのだ。筆者の場合、仕事から帰ってからのパーティーだったため、けっこう慌ただしかったが、料理にかかる時間がほどんと必要なかったのは助かった。

 そのほかにも、市販の煮たまごやプロセスチーズを使ったくんせいも作ったが、これらは豚バラに比べると調理時間も短く、それでいてまったく違った風味になるのがいい。

煮たまごのくんせいは、お店で食べるような味に
簡単にできるチーズのくんせい。表面の香ばしさと相まって、中がよりクリーミーに感じられる

自動メニューでノンフライ唐揚げ、パエリア、鶏のグリルも放っておくだけ

 せっかくコンベクション機能がついているのだから、と今度はノンフライの唐揚げも作ってみたが、こちらも美味しく仕上がった。ジュージューと脂が滴り落ち、揚げていないうえに、脂も落としてくれてヘルシーさを実感する。

鶏もも肉に市販の唐揚げ粉をまぶす
網の上に並べ、自動調理の「09からあげ」を選択。調理時間は15分と表示された
表面がカリッとした唐揚げが完成

 完成度は文句なし。唐揚げが大好きな子供も喜んでパクパク食べた。気になる点といえば、網に接地している下側がカリッとならないことだろう。また網にこびりついて、衣が取れてしまった部分もあるので、下側には薄く油を塗ったほうがよかったかもしれない。

 揚げ物でいえば、「10とんかつ」の自動メニューで鮭のフライを作ってみたが、こちらはうまくいかなかった。衣が茶色くならなかったうえ、鮭の臭みが残ってしまったので、やはりなんでもノンフライでいいわけではなさそうだ。

 そのほか自動メニューにあるパエリアや鶏のハーブ焼き、レシピ集に載っていたお好み焼きも作ってみたが、いずれも美味しくできた。ただしパエリアについては、ナミナミとスープを入れた角皿を、中身をこぼさず庫内に入れるのが非常に難しかった。

角皿に直接、お米やシーフード、玉ねぎなどの食材とサフランを入れ、パエリアモードで調理
キレイなパエリアが完成した。少しオコゲもできている。

トーストも美味しく焼けるマルチっぷり

 くんせいもノンフライもうまく言ったが、やはり「トースター」というからには、食パンも焼きたいところ。1度に4枚焼けるのも売りだが、うちでは同時に4枚も焼く必要もないので、2枚焼いてみた。

2枚だと約5分で焼ける
コンベクションの効果もあってか、ムラなくキレイな焼き色に
外はカリッと、中はしっとりもっちりの理想的な焼き上がりに!

 今まで使っていたトースターも悪くないと思っていたが、きれいに焼きあがると美味しさもまるで違う。その違いは家族もわかったようで、いつものパンを「美味しかったから、もう1枚食べたい」という。さすがにトースターを2台も置けないので、今までのトースターと置き換えることになった。

 以来、このスモークトースターはほぼ毎日稼働中。朝はもちろん、忙しい日の夕食づくりではだいぶ助かっている。何しろ、炊飯器のスイッチを入れ、トースターで肉を焼いている間に野菜炒めなどの副菜とみそ汁を作り、完成したころにご飯が炊けて肉も焼ける算段で、実質30分ちょっとで夕飯が完成してしまうのだ。

 トースターサイズで、使い方も簡単。しかも時短もできて美味しく焼けるスモークトースターは、今でも自宅で活躍中だ。

田中 真紀子